見出し画像

松下洸平ライブツアー2022 POINT TO POINT記録④東京ファイナル&総括

1,はじめに

松下洸平さんは2022年11月23日にリリースされた自身初のフルアルバム「POINT TO POINT」をひっさげ、同じタイトルのライブツアー「KOUHEI MATSUSHITA LIVE TOUR 2022〜 POINT TO POINT〜」を同年11月30日、横須賀から出航させた。
しかし、その旅路は初日から厳しい航路をたどることとなった。
初日にまさかの体調不良で声が思うように出ず、観客と一体となって乗り越えた。次の地、名古屋では完全復活して素晴らしい歌声を披露したが、バンドメンバーのコロナ感染があり、大阪2daysと立川公演が中止となった。それらの延期公演が2023年3月はじめに開催されることが発表された翌日に仙台公演があり、そこではいろいろな思いが吹っ切れたかのような素晴らしいパフォーマンスで、ソロダンスまで披露してくれた。

その後、前橋、倉敷、福岡公演と、いずれも洸平さんが初めてライブを開催する地を回った。
そして12月26、27の両日、東京に帰ってきて、ツアーは本来のファイナルを迎えた。
3月の立川、大阪公演がまだあるのだが、元々は12月27日がファイナルだったため、この日は生配信もされた。
配信はアーカイブが1週間あったし、ディスク化されることが決定したので、詳細なレポートは不要かもしれないのだが、これまでで最大規模のライブツアー、しかもいろいろあったツアーの総括はしておきたい。
そして何よりも、未来のファンのために、記録を残しておきたいと思う。これを読むとディスクを買ってライブ映像を観たくなるはず、である。

今回のツアーは、私は横須賀、名古屋、仙台、東京2daysの5公演に参加した。3月の立川と大阪も行く予定なので計8公演である。福岡公演が12月24日のクリスマスイブで、宿泊して遠征するには家庭の事情で難しい日程だったので当初からコンプリートはあきらめ、前橋と倉敷も行かなかった。今後のツアーも開催地は増える一方だろうから、コンプリートを目指すことはもうないだろう。行ける場所に行って歌う洸平さんの姿を目に焼き付けていきたい。

ここではまず、POINT TO POINT (以下PⅡP)ツアーの5公演に参加して配信も観たうえでの総括を記す。この1本を読めば今回のツアー概要がわかるようにセットリストなども再掲する。次に東京2日目(本来のファイナル)のMCを中心に記し、最後に東京初日の様子も少しだけ加える。
いつものように、本人やバンドメンバーのSNS投稿も貼る。
超長文なので、目次から読みたい箇所に飛んで読んでいただければと思う。

尚、①横須賀②名古屋③仙台と3本の記事を既にnoteにアップしている。リンクを貼るのでぜひ見てみてほしい。セットリストは同じだが、MCは毎回結構異っているし、何よりも初日からいろいろありすぎた、その詳細を記録している。

2,セットリスト&バンドメンバー


★アンコール含め16曲

1,リズム(アルバム「PⅡP」収録)
2,Color of love(PⅡP)
3,エンドレス(PⅡP)
4,つよがり(PⅡP)
5,体温(PⅡP)
6,あなた(PⅡP)
7,One(ミニアルバム「あなた」収録)
8,Only you(シングル「Way You Are」カップリング)
9,ハロー(PⅡP)
10,Way You Are(PⅡP)
11,KISS(PⅡP)
12,FRY&FLOW(あなた)
13,旅路(あなた)
~アンコール~
14,みんなが見てる空(シングル「つよがり」カップリング)
15,BET(PⅡP)
16,MUSIC WONDER(PⅡP)

★バンドメンバー

ギター&バンドマスター カンノケンタロウ
キーボード       平野晋介
サックス        KenT
ベース         永井隆泰

ドラムス        海老原諒

マニピュレーター    足立賢明

3,ライブツアー総括

1)全11公演2万人動員

2022年1月から始まった前回ツアーCANVASは6回公演。PⅡPはそれを上回る11公演だ。当初発表された8公演から、前橋、倉敷、そして立川が追加公演として発表された。チケットのソールドアウトが早々に見込めたからだろう。延べ2万人以上を動員することになる。武道館を余裕で満席にできる人気ぶりだ。

ライブは全16曲。「洸平」時代の曲なし。インディーズ時代の未発表曲なし。カバー曲なし。昨年の再メジャーデビュー後の「松下洸平」の楽曲ばかりだが、「STEP!」は唯一なかった。

松尾潔さんの曲は3曲。アルバムPⅡPに入っている「つよがり」「あなた」に加え、冬にぴったりの「One」を歌った。なんらかの大人の事情があったのかもしれないが、この3曲のうち2曲をカンちゃん(カンノケンタロウさん)とのアコースティックアレンジでしっとり歌ったのはとても良かった。CD音源より良いと思ったくらいだ。

バンドメンバーには、CANVASからマニピュレーターの足立賢明さんが加わっているが、さらに今回はサックスのKenT さんが加わり、演奏に厚みが出た。

ボディメンテの大塚製薬が協賛についていた。映像もレーザービームも豪華でステージングにお金がかかっていた。CMの洸平さんのポストカードとボディメンテをライブ後にもらえたのはすごく嬉しかった。

2)自曲だけのセトリ。新たな“ぶち上げソング”誕生

2021年のツアーHEART TO HEART でもCANVASでも、ここ一番というときの「ぶち上げソング」は洸平時代のデビュー曲「STAND UP!」だった。とても良い曲で今聴いても素晴らしい。私も大好きだ。
しかし、洸平さんのなかではもう「過去の懐かしい曲」として位置づけられ、今後ライブで歌われることは滅多にないのだろうなと思った。これは本当は寂しい。CANVASで、「止まない雨」「涙の中に君がいる」を歌ってくれたので、私が大好きな「ライター」もライブで聴いてみたいなと思っていたから。しかし、「前に進み続ける」と公言している洸平さんは、常に新しい歌を歌っていきたいのだろう。

そして、カバーも1曲もなかった。やるとしたらそれはwacci の「恋だろ」であった。この曲は洸平さんが2022年春に出演していたドラマ「やんごとなき一族」の挿入歌で、その後、wacciのライブに洸平さんが参加して一緒に歌った映像がYouTubeにアップされるとあっという間に拡散され、THE FIRSTTAKE やテレビの歌番組でもコラボするなどその盛り上がりに一役買っていた。自分の曲ではないが、多くの人々に聴かれ、シンガー松下洸平の名前をさらに広めた曲でもあった。
しかし、歌わなかった。自分の楽曲からセトリを選ぶだけで大変なくらい、リリース曲が増えたということだ。

「STAND UP!」の代わりの“ぶち上げソング”は「Way You Are」だった。
アコースティックタイムが終わった後、「Only you」ではペンライトの波、「ハロー」は縦ノリの激しいダンスとノリノリのハイテンションな楽曲が続くが、「Way You Are」が1度目の最高潮で、大サビで金銀テープが舞う。
配信で、大サビの直前の洸平さんの表情がアップになっているのだが、トランス状態のような恍惚とした表情で色香というより端的にエロかった。洸平さんが恍惚とするほどの興奮を覚えた瞬間だったのだろう。
しかし、まだまだ続くのだ。

次に「KISS」。観客にも踊るように何度も促し、自身も踊りながら歌う。
さらに次の「FRY&FLOW」に入るまでの間奏が、いわゆるバンド演奏パートになっているのだが(このあたりのアレンジはツアー中にどんどん変わり、最終的にバンドメンバーにしっかり光が当たる演奏タイムになったようだ)、そこで洸平さんはノリにノリ、踊り、観客にも踊るように何度もあおり、洸平さんの「フライエンフロー――ッ」の歌声とともに、会場の熱気は2度目の最高潮を迎えたのだ。
ちなみに、仙台公演ではこのとき、洸平さんはマイクを置いてガチなダンスを披露した。ソロダンスはそれはそれは見事で、不意打ちだったこともあり私は感動に震えた(記録③仙台に詳細あり。このソロダンスパートはその後の公演でずっと続くのかと思ったら、結局仙台だけであった。その点だけは残念)。

ライブのはじまりの曲は「リズム」。
これもぶち上げソングだ。アルバムPⅡP のなかでも一番疾走感があり縦ノリのビートだ。曲をまず気に入り、「ライブでやったらめちゃくちゃ盛り上がるだろうなと思った。ライブに必須の曲」と、セルフライナーノーツで洸平さんは話している(2022年12月4日、Tokyofmのラジオ「サンデースペシャル」にて)。
この曲から始めることで、PⅡP はノリノリに踊って楽しむライブなんだよ、と方向性を示したのだろう。
続く「Color of love」は洸平さん作詞の可愛いラブソングだが、やはりノリが良いダンスチューンだ。

ラストソングの「MUSIC WONDER」は多幸感あふれるゴスペル風の楽曲。MVのダンスも話題になったが、とにかく盛り上がる。ライブのラストは当分この曲になるのではないかと思う。

これだけぶち上げソングが多くあるなかで、今回は「STAND UP!」だけでなく「STEP!」も見送られたのだろう。セットリストに悩むほど楽曲が増えたというのは本当にすごいことだ。

3)バラード、R&B、ソウル系もたっぷり

しっとりバラード系、R&B、ソウル系の曲もたくさん歌っている。
未発表曲の中から、「エンドレス」がPⅡP に収録され、ライブでも歌われた。
私が初めてこの曲を知ったのは、ファンクラブK’sRoomに2017年にアップされていた動画で、ピアノの弾き語りでしっとりと歌われていた。2019年11月、朝ドラ「スカーレット」の八郎役をやっている洸平さんにはまったので、実らぬ恋を描く歌詞の内容に、喜美子と八郎の姿を重ねて聴いたものだった。
それが、2021年のツアーHEART TO HEARTでは、カンちゃんのアレンジで厚みが出て大人っぽいバラードに仕上がっていた。2022年のツアーCANVASでこれを歌う洸平さんの色香がすさまじかったので(CANVAS記録①参照)いずれリリースされるだろうと信じていたが、アルバムPⅡP に収録された曲は、ラップパートも加わってさらにブラッシュアップされていた。
セルフライナーノーツで洸平さん自身が、アルバムに収録するためにアレンジするなかで、「ラップパートがあればめちゃくちゃかっこいいだろうな、と思ってトライした」と語っている。生で聴くとラップはさらに良く、ライブで歌うことを前提にしたのだろうと感じた。

さらに、初の写真集「体温」に連動して作られた楽曲「体温」も洸平さんらしいバラードだ。ひと夏の切ない大人の恋の物語が描かれた写真集の内容とリンクしている歌詞である。
この曲を初めて聴いたときから、洸平時代の楽曲「涙の中に君がいる」を私は思い出していた。
好きなのに、好きだからこそ別れる優しい彼が、10数年経ってもっと大人になって、やはり相手を思う優しさからこんな切ない思いを抱いているのではないか。そんなことを感じ、洸平さんの描く世界観がつながっていることがしみじみと嬉しかった。

4)アルバムPⅡPに賭けた思い(名古屋レポの内容と一部重複あり)

洸平さんは今回ツアーのMCで繰り返し、「PⅡPには、自分のルーツであるR&Bやソウルなど今の自分がやりたいことを全部詰め込んだ」といったことを話している。
なかでも一番自身のことを投影させた楽曲が「BET」だ。
「今の自分、過去の自分、これからの自分のことを書きました。今一生懸命生きることが未来につながっていくはずだから。今に全部賭けようって」と、東京初日に話していた。

アルバムPⅡPを初めて聴いたとき、「この方向に寄せてきたんだ!こういうのがやりたいってずっと言っていたよね」と感慨深かった。
洸平さんはこれまで繰り返し、ソウルやR&Bが自分の音楽のルーツだと言っていた。
たとえば朝ドラ「スカーレット」の終盤である2020年3月15日の岡田惠和さんのラジオ番組「今宵ロックバーで」に出た際、BASIやFOH.を大好きなアーティストだと紹介していた。日本でこれほどのR&Bができるのかと驚き15歳くらいから聴いていた。トークボックスを使ったりしてとってもスイートだ、等々。

このアルバムの中には、情緒的にわかりやすく展開する曲は少ない。「体温」の終わり方も敢えて不安定なままにしているし、「MUSIC WONDER」はゴスペル調だし、「エンドレス」はラップが挿入されたし、「Color of love」「リズム」「BET」などは洸平さんの大好きな新しいR&Bのラインナップだ。
「ハロー」に至っては、導入は軽いメロディで歌詞も可愛いが、演奏はヘヴィな縦ノリで特に間奏はゴリゴリのヒップホップ調だ。洸平さんがライブでヘドバンするのもよくわかる。

アルバムPⅡPは洸平さんが今本当にやりたい音楽なのだろう。決して大衆受けする曲ではないかもしれない。「俳優・松下洸平」を好きになったファンは年齢層も幅広く、この音楽性についていけないと感じる人もいるかもしれない。PⅡPは、曲のタイトル通り「BET(賭け)」だったのだと思う。
次のアルバムが出せるかどうかなんてわからない。歌いたいことは、今届けたい思いは、今伝えておくしかない!という切迫感すら感じる。
PⅡPの11曲 は、R&Bもラップもゴスペルも洸平さんらしくチルを共通項にまとめている。洸平さんの「好き」をすべてきゅっと詰め込んだ宝箱のようなアルバムに仕上がっている。
やりたい音楽を誰もができるわけではない。「KISS」をリリースしたときから、トークボックスを使うなど、じわじわと好きなことにトライしていた。思いを貫き、誰かにおもねることをしないアルバムを、再メジャーデビューからわずか1年ちょっとで出せたとは、本当にすごいことである。

――今を楽しむ方に全部BET(「BET」より)
そして洸平さんは賭けに勝ったのだ。
私が参加したどのライブ会場でも、心地よいグルーブを感じながら体を揺らしたり激しく踊ったりする観客たちの姿を見て、そう確信した。

5)過密スケジュールだったPⅡPをもっと味わいたい!

ところで、アルバムPⅡPが発売されてからわずか1週間後にツアーの初日を迎えている。
時系列を整理すると以下のようになる。

・ライブツアーの告知は半年以上前の2022年6月9日。このときはツアータイトルも未定。
・セカンドシングル「Way You Are」の告知が6月28日。発売が8月17日。
・写真集「体温」の告知が9月6日。発売が10月27日。
・アルバム発売の告知は9月22日。同時にツアータイトルが発表となった。発売は11月23日。
・楽曲「体温」告知10月11日。発売は10月19日。
・楽曲「MUSIC WONDER」告知11月4日。発売は11月9日。
・アルバム発売、11月23日。
・ライブツアー初日、11月30日。

あまりにもぎゅうぎゅうのスケジュールである。洸平さんはこの時期、楽曲作りやレコーディング以外にドラマ撮影や映画番宣など多くの仕事を抱えていたから、本当に忙しかっただろう。私たちファンも相当忙しかった。
なぜ何もかも年内に詰め込んでくるのだろう、と不思議にもなった。
写真集「体温」と楽曲「体温」と雑誌ananの3つが連動企画になっていること。この流れのなかでライブツアーを敢行することで、写真集の売り上げもアップするだろうこと。年末まで日曜劇場「アトムの童」に出演しているので、知名度がさらにアップしている時期だろうこと。
こうしたいろいろな思惑が事務所、レーベルや企画側などにあり、このようなスケジュールになったのだろう。
ライブ初日の体調不良は、忙しすぎたせいもあるだろうし、この売り出し方がどうだったのかは私には判断できない。
ひとつ思うことは、アルバムPⅡPは、このツアーで終わり、ということにしてほしくないということだ。
ライブツアーは終わったけれど、この素晴らしいアルバムにはまだまだ世間をにぎわせてほしい。アルバム発売とは本来もっと息の長い活動が伴うものだと思う。そのために、シングルカットまではいかなくとも、洸平さんのお気に入りである「BET」や「エンドレス」などはぜひMVを作ってほしいと願う。PⅡPをもっとじっくりと味わいたいのだ。
こう言ってはなんだが、立川と大阪の公演が3月はじめに延期になったことで、PⅡPの話題がそれまで盛り上がっていればよいなあと思う。

・・・ここまで書いていた後に、ライブ映像のディスク化の報が飛び込んできた!3月22日発売である。

これでまだまだアルバムPⅡPの話題は続くだろう。新たなMVを作る楽曲も出てくるはず・・・と期待したい。

6)歌うことで進む船に乗って、新しい景色を見たい

再メジャーデビュー後にこれだけリリース曲が増えたわけだが、「Way You Are」と「MUSIC WONDER」は、今後の洸平さんの代表曲となっていくのだろう。
そして、歌う洸平さんのテーマソングは、「旅路」が背骨となり、「BET」が心意気を表している曲となるのだろう。

洸平さんは言う。
俳優として一人前になるまで10年かかった。シンガーとして胸を張って言えるようになるまで10年以上かかるかもしれないが歌い続けたい――

PⅡPがひと段落した頃~2023年の夏ごろであろうか~には、おそらく新曲がリリースされるだろう。いずれまたライブもあるだろう。
「アーティスト松下洸平」としての認知は今後どんどん上がっていくだろう。
洸平さんは船で旅路を続けると言う。苦難もあったPⅡPツアーを経験して、どれほど歌が好きかということを再認識したことだろう。
この船は私たちファンが全員乗っても平気なほど大きいと言う。そしてこの船は、歌うことでしか前に進まないと言う。だから歌う。船を漕ぐように歌うと。
その旅路は、まだまだ順風満帆な日ばかりではないのかもしれない。それでも洸平さんは新しい景色が見たいと言う。
その景色を、私も一緒に見たい。だからこれからも洸平さんのCDを買い歌を聴きライブに行く。たとえ荒波がこようとも洸平さんを信じて船から降りない。
そんなことを感じたツアーだった。

4,東京ファイナル ライブレポ

1)概要

★12月27日。昭和女子大学人見記念講堂。2070席。開場17時30分、開演18時30分。2時間

会場には、たくさんの花束がずらりと飾ってあった。テレビ各局、雑誌各社、そして井浦新さんとジャルジャルさんからも贈られていた。

東京公演は、業界関係者や招待客が多かった。会場でお見かけしたし、翌日のSNSなどでもわかった。ジャルジャルさんも来られていたそうだし、GANMIのお2人も来られていた。

衣装は名古屋と同じ。赤いゆったりしたパンツに、白黒ベージュの3色使いのカットソー。今回のツアーは初日のブルー系の衣装と2種類だったよう。

2)激しいビートとともに開演(5曲)

開演前、会場にはお馴染みのソウルフルなナンバーが流れている。もちろん洸平さんの選曲だろう。
定刻になると、ステージの背景になっている大きなスクリーンに映像が映し出された。重低音でビートを刻む演奏が響く。
振り子が揺れ、アンティーク時計の針がくるくる回り、カウントを取る。会場からはクラップが沸き起こる。月のような球体が現れたと思ったらブラックホールから宇宙へと広がり、ライブの開催地と日時が映し出された。全国各地の開催地である「点」が日本地図上で「線」を描いてつながった。POINT TO POINTだ!
バンドメンバーの名前が順に映し出されると、メンバーが入場してきた。
最後に「Vocal KOUHEI MATSUSHITA 」と大きな文字。
「Vocal」と書かれているところが、バンドの一員なのだという感じがして好ましい。洸平さんが入場すると黄色い歓声が上がり黄色いペンライトが一斉に振られた。

リズム♪

イントロとともに踊り出す洸平さん。英語の歌詞が多い疾走感あふれる曲。洸平さんもあおるようにクラップし、踊り、ノリノリで歌う。今回ツアーからバンドに加わっているKenTさんのサックスが妖しいまでに響く。一気にクラブのような雰囲気になった。
間奏でもクラップをあおり、冒頭から熱気が半端なかった。
続いて、

Color of love♪

スクリーンの映像がポップでカラフル。都会のビルや風景がアニメのような加工されている。洸平さんの写真もデジタル加工されている。歌詞の一部もでる。
洸平さんはサビでペンラを振るように手を振る。会場も合わせて振る。
「みなさん楽しむ準備出来てますか!」と言いながらステージを左右に走り回る。観客から歓声。
「ヘーイ!ホーー!!」とバンドメンバーからアドリブが入る。
間奏でしん様(平野晋介さん)のピアノソロが始まると、「ひーらの!」と洸平さんが声かけ。

MC
「みなさんこんばんはー松下洸平でーす。
こんばんはー、東京に帰ってきたぞー、ただいまでーす」
(観客から、おかえり―の声がちらほら飛んだ)
てへっと笑う洸平さん。
「ちょっとさぁ、ついにこの日が来てしまったよ。年内ラストのライブということでね、POINTTOPOINTというツアーを始めてもうだいぶ経ちました。いろんなところをまわらせていただきました。そこでね、たくさんの人に出会ってきたんですけども、今日もこんなにたくさんの人がきてくれましたよ!」
バンド演奏でジャーン♪(このジャーンはライブ中に随所で繰り返される)
洸平さんは演奏に合わせてステージを大きく走り回り、最後は深々とお辞儀。
「今、お客さん全員を称えました僕は。ありがとうございます。
僕のライブに初めて来る人?」と、会場に挙手を促す。
(初日と名古屋は観客に話しかけて声を拾おうとしていたが、仙台公演からは挙手を求めるスタイルに変えた。コロナ禍を考慮してのことだろう)
すると結構沢山の手が挙がった。それを見て驚く洸平さん。
「こんなにたくさんの人が初めて僕のライブに来てくれましたよ!(ジャーン♪)ありがとう、ありがとうね」と言いながらステージを走り回り、最後に深々とお辞儀。
「初めて来てくれた人たちを今称えました!
のっけからこんなにしゃべんのか、ってびっくりしてるだろ?(会場、笑)しゃべるんです、僕は結構。
初めて来てくれた人ありがとうございます。今日楽しかったらさ、また来てください、ね。また来たいなと思わせるそういう時間にしたいと思います。ちなみに、東京から来たわって人は?」
会場の多くが挙手。それを見て、
「うわあ あ、そう。東京からこんなにたくさんの人が来てくれたよ、おい!」ジャーン♪
「ありがとう。今度こそカッコよく締めるめるから・・・」とポーズを決めるよと言いつつ、最後はやはり深々としたお辞儀をした。
「やっぱりお辞儀ですわ、ほんとに。
ちなみに、東京以外、関東じゃないところから来た人は?
ああ、いるわ。いる。ありがとうございます。
関東じゃないところからもこんなにたくさんの人が来てくれましたー」
ジャーン♪そしてまた深々とお辞儀。
「これやるとね、いつもイヤモニがどっかいっちゃうんですよ」(話すときはイヤモニを外して首にかけているので、お辞儀をすると落ちそうになる)
「ちなみにですね、今日はみなさん、配信がございます。配信の人たちにもお礼を言おうよ。どれをみ見ればいいんだろ?(カメラを見つけて)配信のみなさん、いろんなところからこのライブを見てくれてるよ!」ジャーン♪
「ありがとう。楽しんでってよ」と言ってカッコつけるポーズを決めようと見せかけて、深々とお辞儀。
「すいません、ほんとうにありがとうございます。ね」笑顔でカメラ目線。
「配信の人もね、今日は一緒に盛り上がっていきたいと思います。
みなさん、短い時間ですけど今日は楽しんでいってください」

水を飲む洸平さん。
「どアタマでこんなに盛り上げてさぁ、めちゃめちゃしっとりなバラードやっていいですか?」(会場、笑)

「PⅡPっていうアルバムね、僕にとっては初めてのフルアルバムです。そこで自分がやりたいこと沢山詰め込んだつもりでいます。
そのなかの1曲にですね、過去に作っていた曲もちらほらあります。(しん様のピアノでイントロが始まる)
そのなかにある1曲で、僕がこれをつくったのは5年位前ですかね。小さなスタジオで一人でピアノ弾きながら作りました。誰かに届いたらいいな、って思って自分で弾き語りして自分でカメラ回して自分で家でパソコンで編集してそれをYouTubeにあげたんですけど、当時はなかなか届かなかった。それでも見てくれていた人たちにはほんとに今でも感謝しているんですけど。
それが5年くらいのときを経て、今回のアルバムの1曲に入れることができました。自分にとっては思い入れ深い曲ですし、これを聴くと5年前6年前の自分を思い出すなあと思いながら。
なんかね、曲を作ってリリースして、ライブで歌ってって。当たり前ですけど、アーティストとしては。今の僕にとってはそういうのが特別で、こんなにたくさんの人たちの前でこの曲が歌えるのはすごく嬉しいです。聴いてください。エンドレス」

エンドレス♪

これまでのツアーではイントロがしん様のピアノだったが、今回はKenTさんのサックス。さらに色っぽく艶っぽい。
声がよく出ていて安定している。ラップパートも堂々と慣れたもの。
続けて、

つよがり♪

しっとりと歌い終わる。もはや懐かしさも感じる胸に染み入る曲。

MC
「みなさん楽しんでますか?(会場、拍手)ありがとうございます。
『エンドレス』そして『つよがり』という曲を聴いていただきました。
年末ですなぁ。クリスマスが終わった途端に。ねえ。えらいもんで。どうします?みなさん大掃除進んでます?大丈夫ですか?
今年はですねえ、振り返るのちょっと早いかな?でも振り返りましょうね。
年始からね、今年2回目のツアーなんですよね。(会場、拍手)年明けからずっとツアー回って。ほいで・・・まあ時系列はちょっとごめんなさいね。怪しい可能性ありますけど。なんとなくやったのを思い出してみましょうよ。(へへっと笑う)それとそれ逆ってことがあるかもしれないけど、いろいろやらせていただいたんで。
舞台やらせていただきましたね。『夜来香ラプソディ』って舞台。(会場、拍手)ありがとうございます。
でまあ今年からユニクロさんのCMに出さしてもらって・・・(会場、拍手)あ、これ1個1個に拍手してくれるパターン?ありがとう。(笑顔)
ユニクロさんのCMが始まっていろんなところに行かせていただきました。
ボディメンテさんのCMも・・・(会場、大きな拍手。今回のツアーの協賛を大塚製薬がしていることはわかっている観客が多かったから)
ありがと。やさしー。
山手線に僕がいっぱいいたみたいで・・・(会場、大きな拍手。洸平さんはてへって感じで笑う)ふざけてる?ふざけてないよね?(配信ではカンちゃんの笑い声も聴こえた)そうそう、ボディメンテさんのポスター。今日も皆さんボディメンテ持って帰ってくださいね。(会場、大きな拍手!)
ここは、そう。拍手。合ってる合ってる。(優しく可愛い話し方)
ドラマもたくさんやらせていただきましたね。『やんごとなき一族』とか(会場、拍手)
こないだ終わりましたけど『アトムの童』もやりましたし(会場、拍手) すごいやさしさ。
アトムの童も最終回面白かったですね。そうそう、これ余談ですけど、那由他と隼人がくっついたり別れたりするじゃないですか。第2話で、お前じゃなきゃダメなんだ!みたいなカッコいい台詞言ってた橋の上あるじゃないですか。ドラマの後半でも、じゃあなって言ってね。じゃあな、じゃないよつって。
あの橋って『WayYouAre』のPVの場所なんですよ。(会場から大きな拍手と、うなずいている人が多かったのだろう)
あ、知ってました?知ってた?じゃあいいや。(へーッという感じで)
いっつもね、あそこ行くたんびにね、ここでPV撮ったなって思って。
映画もやらせてもらいましたし。『アイアムまきもと』。(会場、拍手)やさしさ。ありがとうございます。
リリースで言えば・・・大変ですよね、そんなことまで言い出したら。
シングルも出したし、配信でも・・・(会場、拍手)あーもうほんとありがと。だんだん拍手の音量がちっちゃくなってる・・・(カンちゃんも大爆笑。会場から大きな拍手)あ、いいんだいいんだ、ごめんごめん。(洸平さんが慌てて言う)
ありがとう。ほんとうに、やさしい。(とびきり優しい声で囁くように言う)
その他にもバラエティもたくさんやらせていただきましたしテレビに出させていただく機会があったし、wacci とのコラボ『恋だろ』というのもありましたし・・・。(会場、大拍手)
山﨑賢人くんが恋だろ大好きでねぇ、いつもね、隙あらば歌うんですよ、彼が。歌詞がちゃんと覚えられなくてね、彼。
性別も、年齢も、家柄も、国籍も~♪って歌詞なんですよ。(アカペラで歌い出す!)
だけどね・・・家柄も、て先に言っちゃうんですよ。家柄も、国籍も・・・ん?違う、あっ。年齢も、家柄も、国籍も・・・って歌っちゃうんですよ。で最後1個余るよね。1個飛ばしちゃってるから。(身振り手振りつきで説明)この余るところに『財産』って言っちゃうんだよね。(会場、笑いと拍手)財産も~♪って。まあ、いいけどぉ。『やんごとなき一族』そういうドラマだったし。(会場の大笑いで気を良くしたようなニコニコ笑顔の洸平さん)

そんな思い出もありますけど、忘れてはならないのが、今年写真集を出させていただきまして。(会場、大拍手)あぁもう、ありがとう、みんな。(へなへなとしゃがみこむかのように深々とお辞儀)
初めて沖縄県の竹富島、そして石垣島というところで写真集の撮影をしました。この写真集まだご覧になっていない方もいらっしゃると思いますけど、ストーリー仕立てになってまして。南の島での出会いとその人との数日間を経てその島でのさよなら、そして東京で偶然再会するというロマンティックなストーリーが流れてまして。
それに準じた写真集になっているんですね。なんて素敵なストーリーなんだろうと思ってね。このストーリーごと曲にできるじゃんて思って僕竹富島でずっと詩を書いていたんですよ。形になってPⅡPのアルバムの中に入っております。
今日はですね、この曲、後ろに映像が立派なやつがあるので、一緒に楽しんでいただければなと思います。曲のストーリーと同じ風景が流れていく素敵な映像がありますので、音楽と映像と演奏といろんな楽しみ方ができると思います。それではこの曲を聴いてください」

体温♪

波打ち際の映像。波の音と一緒にピアノの音。しん様も作曲に加わっている楽曲。上から放射線状に洸平さんをすっぽり包む照明。前半はピアノのみ。中盤からのドラムが印象的。サビのサックスがエロい。
写真集にリンクしていて、沖縄の映像はラスト都会の夜の映像に変わる。
歌い終わると暗転。

3)アコースティックタイム(2曲)

洸平さんとカンちゃんが並んで椅子に座っている。コロナ禍の緩和により、昨年までより2人の距離が近い。
「オンギター・カンノケンタロウ! ポウポウポウ!(はやし立てる)
みなさんもよかったら座ってくださいね。ちょっと休憩しましょ。こっからはね、ゆるゆるコーナーになっております」
「カンちゃん!」と呼びかけると「はい」とカンちゃん。会場から大きな拍手。「あー、ありがとうございます」とニコニコのカンちゃん。
洸平さん(以下、こ)「すっかり大人気で」カンちゃん(以下、カ)「ありがとうございます」
こ「カンちゃんとは学生時代からの付き合いで。先日NHKさんのスイッチインタビューという番組でジャルジャルさんと対談させていただきました。(会場、拍手)もう本当に夢のような時間で。僕はたまに家で時間があるときにもう1回観たりしています(洸平さんがちょっとドヤ顔だったので会場、笑)」
カ「その番組を」
こ「その番組、2回に分かれてまして、1回目はジャルジャルさんの思い入れのある場所に私がうかがいまして。後半は逆にジャルジャルさんが僕の思い入れのある場所に来てくれて話をするということで。僕の母校の音楽学校にジャルジャルさんのお二人が来てくれたんですけど。そこでね、(カンちゃんと)一緒に音楽をやってたんですよ。映像には映っていないですけど、久しぶりに行ったわけよ。あそこ」
カ「行ったぁ」
こ「そしたら。あの、若かりし頃のカンちゃんがいたよ、そこに」
カ「いた?」
こ「いたのよ。あのね、本館あるでしょ」
カ「はいはい本館ね」
こ「(会場指差して)何にもわからない会話(ごめんねという風に笑う)」
カ「(会場に向かって)すいません、本館があるんですよ」
こ「本館の横っちょにね、2号館あるでしょ」
カ「うん」
こ「あれ?1号館?あのバンドの人たちがいるところ」
カ「いや2号館」
こ「2号館てとこがあってね、そこにカンちゃんはいるんですよ普段。音楽スタジオやリハーサルスタジオがぶわーっといっぱいあって。バンド志望っていうか、プロミュージシャン学科って学科に彼はいて。バンドマンを目指す人たちがいる場所なんですよ。僕はボーカル学科ってとこにいて、そこにはあんまり用はないんだけど、でもプロミュージシャン学科の人にも友達がいっぱいいたから2号館ふらーっと行くんですよ。そしたらね、広場みたいなところがあるんだよね。そこでカンちゃんがね、いっつもなんかね」
カ「うんうん」
こ「だからね、何年前ですか?じゅう・・・僕が18歳のとき・・・19歳くらい、20歳くらいの時かな?どないやねん、いくつなんだよ!(自分でつっこむ。会場、爆笑)15、6年前ですよ。だから。え?(合ってるかな、と不安そうな様子)」
カ「合ってるよ。懐かしー」
こ「合ってるよね。だからね、15年前の卵みたいなカンちゃんがそこに居ましたよ。あ、ここに座ってたわー、カンちゃんって思って。なんかベンチみたいなところに座ってギターぴこぴこ弾いてたわと思って。めちゃくちゃ懐かしかった」
カン(嬉しそうに笑う)懐かしいね。行く?今度。一緒に行く?」
こ「行きたいねー!(会場、大拍手)行こうよ」
カ「動画撮ろ」
こ「動画撮ろう。そこでなんかやりたいねぇ。ごらんよカンちゃん。こんなたくさんの人たちの前で」と、会場を指差す。
カ「ありがとうございます」
こ「奇跡ですよ」
カ「奇跡」
こ「配信もあって、今日は。だって、路上ライブとかずっと2人でやってたんですけど、誰一人として足を止めることはなかったですからね」
カ「ねえ。ずっと練習だったね。ライブやってるつもりが」
こ「そうそう。僕らは一生懸命歌ってたんですけどね、ただの練習になってましたね。そんなカンちゃんと今までリリースした曲をアコースティックでやってみようかなと思います。(カンちゃんがギターを弾き出す。会場、拍手。奇跡じゃないよ、実力だよ、と思いながら私は聴いていた)
1曲目は去年リリースした曲です。松尾潔さんに作っていただいたバラードなんですけど、すごくスウィート(強調して)な愛の歌ですけど、それをカンちゃんと2人でさらにスウィートにやってみようかなと思います」
カ「(笑いながら)甘々で」
こ「そ、甘々で。それではこの曲を聴いてください」
と、ここで、カンちゃんからグーッという音が聴こえた。まるでお腹が鳴ったみたいな音・・・洸平さんがんん?って表情でカンちゃんを見て、会場も笑う。
こ「ちょっと止める?いっかいこの笑いを成仏させよ。何したの今?何が起きたの?」(めちゃくちゃ優しい声で)
カ「ちょ、音、入ったらまずなと思ってずらしたら・・・」
こ「ずらしたら?」(いたずらっぽい声で)
カ「もっと音入っちゃった。すいませんね」
こ「すいませんね。わりぃっ」と、会場に向けて手を挙げる。カンちゃんも同じく手を挙げる。
2人息を整えて、カンちゃんがギターを弾き始め目で合図。

あなた♪

何度も何度も洸平さんの顔を見るカンちゃん。
リズムを合わせるためだろうけどそれだけとも思えない。
洸平さんも間奏や歌い終わりにカンちゃんを見る。アレンジを加えているが2人息ぴったり。
高音部分もきれいに声が出ていた。

こ「あなたという曲を聴いていただきました。
配信の皆さん楽しんでますか。(カメラ目線でニコッとし手を振る。カンちゃんも手を振る)
会場の皆さん楽しんでますか。(会場、大拍手。ペンラも揺れる)
こ「年末ですね。今年のライブは最後になりますけど」
カ「はい、さみしい」
こ「さみしいですね。結構長くカンちゃんとも音楽をやってますけど、今回で言うと、さっき歌った『エンドレス』とか『体温』もですね、たくさんの曲をカンちゃんと一緒に作ってます。僕が歌詞を書いてメロも作る時もありましたけどね。体温とかはメロも僕ですけど。僕が歌詞を書いて、ピアノで家でぺろぺろぺろーって合いそうなコードを自分で作ってカンちゃんに送って。これでなんとかしてくれいってね。これをカッコよくしてくれいってね、いつもそういうお願いをしてるんですよ」
カ「ははは」
こ「カンちゃんが、こういうのどう?ってビートとかトラックを作ってくれて。めちゃかっこいじゃん、じゃ僕歌詞とメロつけるわって2人で作ったりすることもありますしね。本当に、こうやって大きくなっていく会場はすごく嬉しいけど、やっていることは何も変わらないですね、我々は」
カ「そうですね。15年前とね」
こ「学校で歌っているときと、やっていることは変わらないけど、こうやって(観客席を指して)見える景色が変わっていくから。僕らの変わらなさを受け止めてくれる人たちがいるっていうことが、マジで感謝です。(座ったままお辞儀をする)
今日は嬉しいのでもう1曲やりましょうか。ちょっとお水でも飲―もおっと」
くるりと後ろを向いて洸平さんは水を飲むが、すぐ横を向き笑いながら、
こ「カンちゃん!知ってた?僕後ろ向いて飲んだじゃん。ここにもカメラあんの」(会場、大爆笑)
カンちゃんも振り返り、2人でステージ後ろのカメラに向かって手を振る。
こ「今わかったわ。隠れられてないわ」
カ「映ってる?」
2人でサッと観客席をふり返るが(その様子がおかしい)、
こ「・・・かどうかがわからない」(会場、笑)
こ「今日はもう1曲だけやりたいと思います。この寒い冬にぴったりな曲をアコースティックでやってみたいと思います。外は寒いですけどこの曲はぽかぽかです。冬のバラード。アコースティックアレンジでやってみたいと思います。それでは聴いてください。One」

One♪

松尾さんの曲はアコースティックにとても合う。洸平さんはしみじみと嬉しそうな表情で歌い上げる。最後のハミングも情感たっぷり。
歌い終わり「ありがとう」とささやく。

4)怒涛のダンスタイムから終盤へ(6曲)

バンドメンバーが戻ってきた。
「みなさん、楽しんでますか!?」と、洸平さんはテンション高めに叫ぶ。
「もしよかったら一緒に踊りません?(会場はスタンドアップ!)
僕のライブ初めて来てくださった人もたくさんいると思いますけど、こうやって揺れるように聴くコーナーもあるし、この後怒涛の、怒涛の踊り狂う時間が待ってるから、みなさん一緒に踊れる準備は出来てますか!?
2階席!めちゃくちゃ見えてますから!(洸平さん手を振る)
配信のみなさん楽しんでますか!(手を大きく振る)
今年、『Way You Are』というシングルを出させていただいたんですけど、そのカップリングでね、どんな曲やろかって考えてて、マイケル金子さんと一緒に作ったんですけど。最初チルいR&Bのビートが来て、あぁなんかすごいロマンティックな曲だなと思って僕なりのラブソングを書きました。ライブでやってると、思いのほかみんながこれもんで(手を大きく振る)プッチョヘンザしてくれてすごい盛り上がる曲になったので、みなさん一緒に盛り上がりますか!大丈夫ですか?今年最後ですからね!行きますか!ありがとうございます。では、一緒に踊りましょう!」

Only you♪

会場はクラップ。バンドメンバーも両手を挙げてクラップ。KenTさんはフルートを吹いていた。
「エビバディ、ヘンズアップ!!」
サビ前に洸平さんが叫んで手を大きく振る。観客も合わせてペンラを振る。
2番から洸平さんもペンラを持って歌う。
「エビバディ、ヘンズアップ!せーの!」
KenTさんはフルートからサックスに切り替えて演奏。
黄色のレーザービームが交差し、会場の黄色のペンラと一体化して美しい。
ラスト。スクリーン映像に、歌詞に合わせて映画のように「FIN」 の文字が出た。これも黄色。おしゃれで可愛い演出。
「ありがとう」
続けて、

ハロー♪

ポップな明るいステージの雰囲気が一転して変わる。ブルーのレーザー光線が飛び交う。クールな印象。スクリーンも惑星が爆発するかのような映像。
思いっきり縦ノリで踊ってしまうかっこいい曲。洸平さんはぴょんぴょん跳ねる。踊る。洸平さんがここでヘドバンをする公演もあった。
間奏でエレキギターがギュインギュインうねる。洸平さんはカンちゃんに向かって「ヘイッ」と掛け声。
サックスもキーボードも一斉に鳴り響く。それに合わせ洸平さんはバンドメンバーのところに駆け寄っていき、「ヘイ!」「オオー、イェイエーー」とアドリブ満載で応える。
歌い終わると「ありがとう」とささやくように言った。
そして畳み込むようにカウントが取られ、

Way You Are ♪

ステージが一転して明るくなる。
「フッフッフー♪」のイントロに、洸平さんが笑顔になってクラップしながら
「エビバディヘンズアッエンクラップヒックラップヒッツ!」(Evrybody ! Hands up! And Clap Hits! Clap Hits!)と言いながら手を叩く。
その様子を見てカンちゃんもニコッと笑う。タカさんも他のバンドメンバーもニコニコ。
洸平さんはステージを左右ギリギリまで動いて観客に会いに行き、コール&レスポンスを求める。観客から歓声が上がる。
配信でアップで観ると、大サビ直前のところ、「キミはキミの味方でいて~♪」の次に拍子を取るところで、恍惚とした色っぽい表情を一瞬する。
大サビ直後に金銀テープが会場に舞い飛ぶ。配信ではわからないが、会場にいるとテープが飛び出すドカンという音が聴こえる気がいつもして、さらに、テープに喜ぶわーっという歓声が聴こえる。
ライブは最高潮を迎えた。

歌い終わると瞬時に次曲になだれ込み。

KISS♪

「トウキョウ――!踊れーーー!」
叫び、踊りまくり、ノリノリの洸平さん。汗が光る。
スクリーンには「KISS」のリリックビデオを担当したTwotwotwoさんのイラストとリリックが映し出され、KISSネコとロボ彼くんも登場した。
アウトロの震えるようなサックスとともに、「ありがとーう!」と洸平さんが言うと同時に、重低音のビートが響きだした。

「みなさん!まだまだ踊る準備できてますか!
ねえねえ、今年の悪いものは今年中に全部出しといたほうがいいんですよ!なので、一緒に踊りましょう!ホウッ!」
バンドメンバーの演奏パート(ロックコンサートでよくあるバンメンが次々演奏を披露するような感じ)が始まり、洸平さんは「ヘイ!ヘイ!ヘイ!ナイス!」と合わせる。
そして会場に向かって、「踊れーーー!」
会場をぴょんぴょん飛んで軽く踊りながら端から端まで動き、会場をあおる。
サックスソロが始まると、「ケンティ!」と叫んで向き合い、「オウ!ヘイ!ヘイ!ヘイ!」
「アーーオゥ!」と叫んだ!(マイケル・ジャクソン張りだった!)
仙台公演ではこのとき、洸平さんはマイクを置いて、ステージ真ん中でソロダンスを披露していた。

「フライエンフローーーーッ!!!」
「エビバディプチョヘントウギャザライトナウ!」(Everybody! Put your hands up together! Right now!)
「ヘイ!最後まで一緒に楽しんで帰りましょう。アーユーレィデイ?準備はいいですか?!」
2回目の最高潮が訪れ、

FRY&FLOW♪

洸平さんは会場狭しと動き回り、歌い踊る。汗が流れる。
大サビ直前のドラムソロがかっこいい。「ヘイ!」と洸平さんもエビちゃんをあおる。
大サビの「フライエンフローー変―わる世界で」で、少し声がかすれ始める。限界にきているのだなと思う。しかし年内最後のライブ。本来ならこの日がファイナル。ここで歌い倒れても構わない、くらいの鬼気迫るものを感じた。
最後はアドリブのフェイクを朗々と歌い上げた。
「ありがとーー!サイコー!」
熱気に包まれたまま暗転。

「みなさんサイコー過ぎませんか!」「え、やば!」と感極まったように洸平さんは言う。
そこで、カンちゃんがペンラをぐるぐると回したので、観客がそれを真似て一斉に回しだすと、それに気付いた洸平さんが、
「ん、なにこれ?そんなことは教えたつもりはないぞ?回すってやつ??」(会場、笑)
「今僕、『FRY&FLOW』終わって戻ってきたら、ドラムスのエビちゃんが・・・」
顔を上に向けて目をつむってフーッという感じを真似てみせる。エビちゃんが思わず笑う。
「今年最後だから。もういいんですよ、なんだって」
カンちゃんに合わせて観客がまたペンラをぐるぐる回した。
「なんなの?さっきから、ぐるぐるまわして?」
カンちゃんがハハッと笑い、やっと洸平さんはカンちゃんを見て、先導していると気付いた。
「まあいいけど・・・」笑いながら言う。
そして少し気持ちを切り替えたように言葉を続けた。

「えー、僕らは、このツアーというものを通してたくさんの人たちに出会ってきました。ツアーっていうのは、旅のようだなと思います。もちろんツアーは実質ね、いろんなところに行きますから、みんなで新幹線乗ったり飛行機乗ったり旅をしてますけど、そういうことだけじゃなくて、音楽を通してたくさんの人に出会い、一緒に前に進んでいく旅だなと思いました。
僕らは今回のツアーのなかでいろんなことがありました。残念ながら公演が中止になった箇所もあります。それについては来年、振替公演がありますけど。それでも、なんとかここまでこれた、東京でみなさんと会えたということは、今の僕たちにとっては奇跡なんですよ。なので本当にありがとうございます。(会場、大拍手)
これからも僕たちは音楽を通して旅を続けていきます。いろんな人に出会いながら前に進んでいきたいと思っています。僕たちが乗っている船っていうのは、本当にここにいるみなさんが乗っても絶対壊れないようなでっかい船なんです。なので、今日ね、来てくれた人たち、そして初めて僕のライブに来て楽しいと思ってくれた人たち、ぜひ一緒に船に乗って旅をしませんか。(会場、拍手)僕たちは、みんなと一緒にまだ知らない景色や新しい世界に行きたいです。
まだまだ先があると思っています。なのでそこに向かって、みんなと一緒に進んでいきたいと思っています。
この船は何で動いているかというと、歌うことでしか進んでなくて。船を漕ぐようにこれからも歌っていくので、みなさん一緒に新しい景色を見に行きましょう。
本日はどうもありがとうございました」

旅路♪

スクリーン映像が、東京2daysから変わっていた。それまでは、練習やリハーサル中の洸平さんとバンドメンバーの様子が写真で映し出された。ラストには、公演を行う会場の写真が映し出されていた。この地に旅路でたどり着いたよ、という粋な演出なのだろうと思って観ていた。
新しい映像は、このツアーが始まってからの洸平さんとバンドメンバーの写真だった。横須賀、高崎、といった公演地の地名が見える。新幹線から降りる姿。車窓の様子。リハの様子。本番の様子・・・洸平さんとメンバーたちの笑顔がこぼれる。仲間の絆を感じる素敵な映像だった。

洸平さんはしみじみと歌っていた。大好きなこの歌を、初日は声が出なくて泣いて歌えなかったのだ、と思い出した途端、今度は私が泣いていた。

歌い終えると、洸平さんはじっと前を見据え、それから観客席を見渡して、観客の表情を見てうなずく。
「ありがとうございました!」と言って深々とお辞儀。両手を振って1人で先に退場した。

アウトロの演奏をバンドが終えると、スクリーンにはどこかの会場で歌い踊り跳ねる洸平さんの動画がモノクロでスローモーションで映し出された。とてもエモーショナルな映像だった。(この最後の映像部分は、前日の東京初日ではカラーだったので、ギリギリまで編集作業をしているとわかった。黄色いペンライトの色、衣装の赤いパンツの色を覚えているのでカラーだったのは確か。東京ファイナルと同じこの衣装の公演はどこだろう。私が知っているのは名古屋だけだけど、順番的に前橋と福岡でも着ているかもしれない)

暗転し、バンドメンバーも退場。
アンコールの拍手。

5)多幸感あふれるアンコール(3曲)

ステージのやや下手にグランドピアノが出され、洸平さんが登場。

みんなが見てる空♪

ピアノ弾き語りで歌った。超多忙ななか、弾き語りまで練習している洸平さんには頭が下がる。みんなに喜んでもらいたい、楽しんでもらいたい、という思いが本当に強い人だ。そしてその思いはしっかりと私たちに届いている。
暗闇でスポットライトを浴びている姿は、天使の梯子から降りてきた人のようだなと感じた。
歌い終わり、「ありがとう」とささやく。

ステージ中央のマイクまで歩き、
「アンコールどうもありがとうございます」と改めてお辞儀をした。

「今歌ったのは『みんなが見てる空』って曲なんですけど、今でもそうですけど、もっと大変だったコロナ禍で作った曲です。外に出れない、ってときがありましたよね。そのときに家で自分にできることはないかなと思って。そうだ、曲作ろうと思って、カンちゃんに連絡して、リモートで作ったんですけど。この曲もね、いつか会えるときがくるまで、言葉や気持ちで誰かをハグしたり抱きしめたりしようって曲なんですけど。だいぶ会いたい人に会えるようになってきて、でもまだままならない生活をしている人たちはたくさんいて。今日だってそうですよね、叫びたいのに叫べないって気持ちすごく・・・(会場、拍手)。でもね、めちゃくちゃ伝わりました。まだまだ遠くで暮らす家族や離れて暮らす人たちのことを思って、これからもたくさん聴いていただけると嬉しいです。よろしくお願いします」(会場、大拍手)

「それでは、今年最後のバンドメンバー紹介をしていいですか」
「オンキーボード!平野晋介!ポウポウポウ! しんさん、ありがとうございました。なんかしゃべりますう?」
しん様「PⅡP最高です!ありがとうございます」
「なんかちゃんとしてた」と笑う洸平さん。
「オンサクソフォン!ケンティ! なんかしゃべりますう?」
KenTさん「PⅡP最高です」
「ははは!そうなると、こうきますわなあ。最後?」と、すべてのバンメンが同じことを言うのかな?というそぶりを見せる洸平さん。
「オンベース!永井隆泰! タカ!オトコマエだ! じゃあなんか一言」
タカさん「PⅡP最高でっす」
「オンドラムス!海老原諒。ウェーイ、エビちゃん!」
エビちゃん「みんな同じこと言うのありきたりじゃないですか。ここはね・・・(と、ためを作ってから)PⅡP最高です!」
「いい笑顔。配信の人たちにもその笑顔見せておこう」と洸平さんが促し、エビちゃんは配信用カメラに向かってにっこり。
「オンマニピュレーター!足立賢明!賢明さん、ちょっと一言いいですか?」
賢明さん「同じこと言わないよ?やっぱ最後だからね。決めたいね。(と、ためを作ってから)PⅡP最高でした!」と両手を挙げて。
「そして、紹介したいと思います。我らがバンドマスター、オンギター!カンノケンタローウ!」
カンちゃんがゆっくり歩いて入場。「いやー眩しそうな顔してる。カンちゃん、一言いい?」
カンちゃん「ほんとにねえ、全員同じこと言っちゃうと、それはアレじゃないですか。PⅡP・・・(と、ためを作ってから)のグッズなんですけど・・・」と、後ろ手にもっていたポーチを出した。
洸平さんは笑いをこらえる感じで、「うわぁっー、まじかよ。ここでこれを紹介すると」
カ「もう残り少ないですからね」
こ「これPⅡPのポーチですね。いいじゃないですか」
カ「このポーチのなかに・・・」と、中サイズのポーチを取り出すと、
こ「トウ?ポイントトウ⁈やば」と笑いながら。
カ「と、見せかけてもう1個」さらに小さいポーチを取り出す。
こ「ポイント、スリーポイント⁈」
カ「最高でーす!」
グッズ紹介は仙台公演からカンちゃんが小芝居をして手伝っている。紹介するグッズはタオルだったりポーチだったり。

こ「このポーチねえ、こんなところでグッズを紹介している場合じゃないんですけどね。めっちゃ便利ですよ。僕普段ポーチとか持たなかったんですけど、これをもらってからというもの、分けたい分けたい。いろんなものを。台本はこっちに入れて。充電器こっちに入れてって。妖怪分け・・・妖怪分け野郎ですよ!」
話している途中からなんとかオチをつけねばと頑張って話し切ったものの、どう反応すればいいのか皆が一瞬戸惑う微妙なオチ。そこに救世主カンちゃんが間髪入れずに「ハハハッ」と笑ったので、洸平さんは「やっちまった」と下を向き、観客も大笑い。
カ「すっげー面白い」
こ「やっば。今年イチやばいこと言った今」
カ「ハハハー」

「ということでね。アルバムPⅡPやってきましたけど、1枚のフルアルバムを出すのに10数年かかってしまいました。(会場、拍手)その間、もちろん最初は音楽でデビューしましたけど、その後すぐに俳優業に徹し10年間舞台をやり続けて、こうしてたくさんの人たちに出会えるようになるまでに10数年かかりました。
デビューのときにね、三軒茶屋のこの建物の道路の向かいにあるレコーディングスタジオで『STAND UP!』をレコーディングしたのを覚えているんです。結構ギリギリまでかかって、当時八王子に住んでいて、終電間に合わなくて、この建物の横を21歳の松下少年(!)がなんとか終電に間に合うようにぶわーって走っていた思い出があります。その建物でこんなに素敵な景色を見せてくれました。みなさん本当にありがとうございました。(お辞儀)
俳優と音楽と、どうしても分けられてしまうし、それはもちろん違う職種だから仕方ないんですけど、俳優のくせに、みたいなね、言われることも・・・なくはないですわなぁ(笑いながら)。でもね、いいんですよ。僕は歌を歌うの好きですし、(会場、拍手)俳優にしては歌上手いよね、とか言われたりするんですけどね。全然かまわないです、何年かかってもいい。僕は一人前の俳優になるまで10年かかりましたからね、胸張って俳優だっていえるようになるまでに。シンガーとして胸を張って言えるようになるまでたとえ10年かかろうともこうして歌い続けることが大切なことなんじゃないかなと思います。(会場、拍手)ありがとうございます。
今の自分にすべてを賭けていく。それが未来につながっていく。今回PⅡPにそういう思いを詰め込んだ1曲があります。みなさんもう少しだけおつきあい・・・」と言おうとしてかんでしまい、あたふたとする洸平さん。
バンド演奏もポンコツ風に合わせた音を出す。
「ものすごく上手くいっていたのに!こういうとこ!最後のひとことかむかね?」と自分にツッコミつつ、
「みなさん、もう少しだけおつきあいください」ときれいに言った。

BET♪

グルーブ感あふれる曲。総括で書いたが、洸平さんは思い入れの強い曲だとあちこちで語っている。
終盤のピアノがジャズ風アレンジでかっこいい。
今回のライブでは歌い終わりに「ありがとう」とささやくことが多かったが、それが大物感をかもしだしてかっこよかった。

「みなさん楽しかったですか?ありがとうございました。
今回PⅡPというアルバムのタイトルにした理由としましては、最初どうしますかって聞かれたとき、役者としての自分とミュージシャンとしての自分を、点と点を線でつなぐみたいな、そういう意味になればいいなって調べてたら、POINT TO PONTO って言葉が出てきて、点と点が線でつながった状態を言うらしいんですよ。ぴったりだなと思ってこのタイトルをつけました。
でも、今回ツアーをやっていくうちに、そんなパーソナルなことじゃないなと気づきました。点と点というのは自分とみなさんだって気付きました。(会場、拍手)『僕とメンバー』『僕とお客さん』が線でつながった状態。それは音楽という力でつなげられるんだなってすごく思ったし、今回のツアーは来てくれた人すべての人たちに助けてもらったし、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。みなさん本当にどうもありがとうございました。
また、次。今日楽しかったら次も来るように。頼んだよ、みんな。一緒にまた踊りましょう。
これを言うと、もう最後なんだ。だから言いたくない・・・ふふ。でも言うんだ。みなさん、次会えるとき、また必ず笑顔で会いましょう。
本日はどうもありがとうございました!」

MUSIC WONDER♪

歌いながらステージの端から端まで動く。2階席まで丁寧に視線を向ける。
サビの部分。片手でMVダンスの振り付けで踊る洸平さん。
「つなーいでーいこう、ハッピーデイ!♪」のところでナイスポーズを合わせるようにやり、洸平さんは「ナイス!」と会場に向かって言う。そして、「みなさん次の旅でこれ一緒にやりましょう」と。
「ハッピーデイ!ハッピーデイ!♪」とバックコーラスがリフレインする箇所で、
「ありがとう!また会いましょう!嫌なこともいろいろあるけど、ここにいるときは無敵だから。今日笑顔で乗り切って、来年また一緒に楽しみましょう。オーライ!」と笑顔で。
そしてラスト、延々と続くフェイク!フェイク!フェイク!
声がよく出ている。朗々と。ノリノリで。
金の紙風吹が舞うなか、会場に向かって、
「せーの!ハッピーデイ!♪」
「せーの!ハッピーデイ!♪」
「ありがとう!また会いましょう!」
幸せホルモンがステージに満ちあふれ、もう何回目かわからない最高潮に達した。

エンディング。
「MUSIC WONDER」がBGMとして流れるなか、洸平さんとバンドメンバーがステージに集合。床にたまっている紙吹雪をカンちゃんに投げつける洸平さん。
全員そろって深々と一礼。そしてバンドメンバーが退場。
そのあと、洸平さんは一人でステージを端から端まで走って観客に挨拶。
「ちょっと(BGMの)音を小さくしてもらっていいですか」とスタッフに頼み、マイクを置いて話そうとステージ前に走り出たとき、紙吹雪に足をとられてずるっとすべりそうになった。配信ではわかりにくいが、生で見ていたときはひやっとするほどかなり姿勢が崩れていて危なかった。
洸平さんも思わず笑う。
そして、「ありがとうございました」と肉声で言った。喉が枯れるほどの大声で。それを聴いて私はまた泣きそうになった。今日が年内ファイナルだから、ここで声が枯れたってちっともかまわない、今のこの思いを肉声で観客に伝えたい・・・そんな決意をしっかりと感じた。

洸平さんはそのまま手を振りながら、下手にはけるときに、恒例の投げキッスをして終了。
2時間の多幸感あふれるライブだった。

5,東京初日

★12月26日(月)開場17時30分、開演18時30分

★衣装
ライブ初日と同じ、ブルーと紺色の衣装だった。

★東京ファイナルと異なっていたMC

・ただいま!
第一声が、「みなさんこんばんわー。松下洸平です。東京~ただいま~帰ってまいりました。ただいま!」
ただいま、とまず言ってくれたのがとても嬉しかった。

・世間話⁈
全体的にゆるゆるトークだった。地方公演では、地元のゆるキャラネタがあったり、東京ファイナルは配信のカメラが入るからしっかり話さないといけないという思いもあるのだろう。それに比べて東京初日は、地元で気持ちも緩んだのか?特に話すことも考えていない感じで、三軒茶屋の話をしたり、かンちゃんにほぼ世間話のようにいろいろ話しかけたりしていた。

・会場がある三軒茶屋について
「三軒茶屋は僕20代の頃住んでましたから。あのね、今は無理かな?閉まってるかな?すんげえ美味いちゃんぽん屋があるんですよ」と。ライブ帰りにはおそらく閉店しているだろうことに話しながら気付き、「行けもしない店の紹介を今しました。ごめん。なんで今言ったんだろ?」と笑いながら。
「僕、三軒茶屋には思い出がたくさんあって、グーグルマップに落とし込んだら赤いピンでいっぱいになる。
この建物の前の246って大通りのあっち側にレコーディングスタジオがあって・・・」と、東京ファイナルと同じくデビュー曲「STANDUP!」をレコーディングした話をした。

・子どもを称える!
MCの途中でふと目に留まった子ども計3人に(タイミングはバラバラで本当に突然話しかける感じ)、何歳?お名前は?と優しく問い、「○〇さん(名前を呼びかける)を称えましょう!」と、拍手やお辞儀を観客に求める音頭を取っていた。
洸平さんは子どもが大好きだから、他の公演でも小さいお子さんがいたらよく声をかけていた。

・業界関係者が多くて・・・
会場入り口には花束がすごかったが、業界関係者や招待客も多く来ているようだった(翌日のSNSなどでもそれがよくわかった)。
この日はカンちゃんとの専門学校での出会いやNulbarichで活動していることなどを詳しく語っていたのだが、カンちゃんを関係者にきちんと紹介したかったのかな、と感じた。

・お汁粉は平和の象徴
カンちゃんが「お汁粉が好き」と言ったことをきっかけに、お汁粉で謎の盛り上がりをみせた。
こ「あなたお汁粉好きですよねー。お汁粉男子!お汁粉は平和の象徴だね。青空、鳩、虹・・・お汁粉!」
カ「上司とか友達とかパートナーと喧嘩したとき、お汁粉食いに行こうぜ、って言ったら。そしたら雪解けが2人の間に・・・」
こ「たとえば、パートナーと喧嘩して口もきいてくれなくて、先に寝てて、ってときには、夜、お汁粉を作って机の上にそっと置いて・・・次の日の朝起きて、お汁粉に気付いて。あなた!って絶対になるよ!」
・・・と、小芝居を打ち、展開が見え見えで会場は爆笑。
「お汁粉みたいにあったかい曲」と、「One」を紹介したり、「みんなが見てる空」を紹介するときにも、「この曲をお汁粉と一緒に送ってほしいと思います。超ほっこりすると思います」と、お汁粉パワー全開だった。

・オトナは踊る!
アコースティックタイムの後、「みなさん楽しんでますか?一緒に踊りませんか?」といういつものMCに加え、「オトナは踊るんだよ!」と謎のドヤ顔を見せていた。子どもにたくさん話しかけた後だったからか?めちゃくちゃ面白くて可愛かった。

・グッズ紹介
バンドメンバー紹介のとき、カンちゃんがわざとらしく走ってきて、「汗出ちゃった」とグッズのタオルを出すと、「あらま、タオル!」と洸平さん。タオルを広げたまま汗を拭くカンちゃんに「汗の拭き方独特~」とツッコみつつグッズ紹介。「帰りにゲットしてくださいね」とニコッ。

・最後の挨拶の前に・・・

「みなさんご存知でしょうけど、僕もうひとつグルーブやってまして、KinkiKidsさんなんですけど・・・今日11時に堂本兄弟(というテレビ番組に洸平さんは出演する)。『愛されるより愛したい』ガチで歌ってますから。今日はすぐ帰って観てください!」と、Kinki愛を語り、会場は大爆笑だった。(ライブ後即行で帰宅して番組を観ると、本当にガチで歌って踊っていてすごくカッコ良かった!)

6、バンドメンバーのSNS

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?