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レゴで作ったモデルは、脳内イメージと言葉の間に存在する

 レゴ®️シリアスプレイ®️での魅力的な体験の一つに、作品を作った人の考え方がよく伝わる。自分の考えていることに気づいて改めて驚くということがある。

 これはどのようなことなのだろうか。仮説として以下の図のように説明できないだろうかと考えている。

Note用スライド

 私たちの脳内ではいろいろな情報(電気信号)が常にめぐっており、脳内イメージとして浮かんでいる。感じている世界の像や考えていることも渾然一体となっている状態だ。

 通常、そのことを言葉で誰かに伝えようとすると「言葉」がいる。「言葉」を知らなければ表現に出てこないので、語られない(図中は「?」で表現)。また、「言葉」をもっていても「言葉」のつなぎ方が上手くないと語られない部分が出る(図中「?」は言葉をうまく繋げなかったともいえる)。ある瞬間に語ろうと思っていても、その時に言葉が出てこずに、無自覚に忘れてしまうこともある。

 一方、レゴ®️シリアスプレイ®️では、そのときの脳内イメージを作品として写させる。その後に言葉をそこにかぶせていく(意味付け)。そのため、単に発話しようとするよりも、考えていることを余さず語ることができる。もし、そのとき「言葉」が見つからなくとも表現はできているので、色や形にともなうイメージや他の言葉との位置関係(文脈)がそれを補足してくれる。「自分の考えに驚く」のは、作品を作っていた時に考えていたが無自覚に忘れていた部分がモデルに残っているからではないかと考えている。

 人が集まって何か大事なことを話し合うとき、せっかく脳内イメージで浮かんでいたのに、大切なことを言いそびれたり、言葉が見つからなくて伝わらないということはその話し合いの可能性を著しく損ねてしまう。話し合いが「シリアス」な場になればなるほど、モデルを間に入れることの価値はあがっていく。

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