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「もうYouTubeなしでは暮らせない」は親の思い込みだった

我が家の3歳は、3ヶ月くらい前から毎日のようにスマホでYouTube動画を見せてほしいというようになった。

それ以前も電車の動画やシナぷしゅをテレビで再生して見せることはあったけれど、止めようとすると大泣きするのでなるべく見せないようにして、毎日の習慣化するほどではなかった。

スマホを見る時も、これまでは自分が写った写真や動画を見たがって、YouTubeを見たいということはあまりなかった。

それが、何がきっかけだったか(ピタゴラスイッチをみせたことからだったような…)、3ヶ月くらい前から子ども向けの動画にハマってしまい、子どもが遊ぶ動画や、ひたすらボールが転がる動画を毎日のように見たがるように。

はじめは夜寝る前にせがんでいたのが、動画を見たがるタイミングが少しずつ増え、朝保育園に行く前、そして保育園から帰っておやつを食べた後にも「時間決めて写真見たい」というように(3歳は「動画」のことも「写真」という)。

見せる時は毎回15分前後で、スマホや時計でアラームをセット。当初は大抵終わったらスマホを返してくれていたけど、最近は「時間決めて見る」と言って親からスマホをもらっておきながら、時間がくると「返さない!!!」と拒否する日々が続いていた。

「約束したんだから返してね」「それじゃあもう明日は見れないよ」など声をかけても聞く耳は持たず。

私のほうも問題で、「明日はもう無しだから」といっておきながら、結局次の日に「今日は本当に約束守るんだよね?」と言って見せてしまう。そしてまた時間を守れないという不毛なやり取りを繰り返していた。

親としては、「今日こそは約束守れるんじゃないか…?」という淡い期待を抱いて試してみたくなるのだ…。

そして、無理やり取り上げるよりは「ママどうぞ」と本人から返してくれる自発的な動きを促したくて時間がきても様子を見続けたりする。期待とは裏腹に子は延々と動画を見続けるだけで、結局怒る、というのを繰り返している。


「子どもが無視するなら私だって」は後味が悪いだけ

先日もスマホを返すことなく、私の話も聞かなくなったので「じゃあママも話しないからね」といい、放っておくことに。

途中で私が夫と話したりすると、動画から気が逸れるようで「ママ、返す〜」と言うものの、私が返事をしないとまた動画を見始める。

子どもは徐々に、「ママが自分の方を見てくれない」ということに対して不安になり、「ママ返す〜〜(涙)」と泣き始める。それでも私が聞こえないふりをしていると、また動画を見たり、泣いたりを繰り返す。

その時私が彼にわかってほしかったのは
自分が時間を守らずに、親の言うことも無視したからママが話を聞いてくれなくなった
という状況で、
約束を守らないと、よくないんだな
ということもわかってほしかった。

だけど、もう彼の中ではスマホを約束の時間を過ぎても返さなかったことなど忘れていて、ただ
ママがこっちを見ない、悲しい
でも動画も見たい
で頭がいっぱいだったと思う。

私のほうは、この”無視する”という対応の適切な終わらせ方がわからない。

わかってはいたけど、無視して子どもに泣かれるのは後味も悪いし、ベターな方法でもない。

結局その後、
「約束の時間を守らずに、ママの話も聞かなかったから、ママも◯◯くんの話を聞かなかったんだよ」
などと説明したけど、長々と説明されたところで子どもには何も響いてないだろうなあと思いながら話していた。

「無視されたからこっちも無視した」という行為自体も、子どもに見せるし姿勢としては正しくなかっただろうし。

動画を見せなかったら絵本を楽しんでいた

そんな不毛なやり取りをもうしたくなかったので、ここ数日間動画を見せなかった。

「時間決めて写真見る」と言われたけれど、「充電が切れた」とかいろんなことを言ってなんとなくその場を乗り切り、子どもも運よく癇癪を起こさなかったので、いつもなら見せるところを、やめてみた。

夜は絵本を読んで寝ようというと「絵本読む〜」と素直に応じる子ども。
これがうまくいかない時も多々あるのだけど、今は偶然にも図書館で借りている本がとても気に入っていて、うまく絵本に気持ちを向けることができた。

朝も、スマホを渡さないと騒ぐかと思っていたけれど、気づけばそのお気に入りの本を1人で開いて眺めていた。

なんだ、気に入った本があれば、スマホなくても過ごせるんだ。

おかしな話だけど、これは大きな発見だった。

子どもがYouTubeにハマってしまい、「もうYouTubeなしではやっていけなくなったんだな…」と勝手に思っていたのは私の方だった。

当たり前だけど、動画がなくても、他に面白いと思えるものがあればそっちを楽しむことができるのだ。

考えてみれば保育園では動画なんか見ずに遊んでいるわけだし。友達がいるから家とは状況が違うとはいえ。

動画はただただ惰性で眺めていただけ

YouTubeがあれば親としては正直助かる。
見ていてもらえたら家事ができる。
うちの子みたいな癇癪がひどい子も、見せたら泣き止む。

動画の代わりに絵本にすると、親が絵本を読み聞かせることになる。
動画を見せる時のようには親が動く時間は取れないし、絵本を借りに行く時間だって、いつでもすぐにとれるわけではない。

だけど、やっぱりできるなら子どもが動画を見続けるのは辞めさせたい。

約束の時間を破ってでも動画を見続けたい子どもと戦い続けるのも辞めたい。

本人が見る動画を目的を持って選んで、真剣に見ているのならまだしも、まだ3歳。ぼーっと選んで、見始めたかと思ったら指では画面の下側をスクロールさせて次の関連動画を探している。ただ惰性で流しているだけなのだ。

動画は悪ではないし、これまでも彼がYouTubeを見たことで知れた楽しい世界や知識もある。何より私自身もYouTubeを見るのは好き。
多分これからも、どうしても手が離せない時には見せることもあると思う。

だけど、「うちの子はもうYouTubeがないと暮らせない」が思い込みだったことに気づけた今、もうちょっとだけ親のこちらが頑張って、なるべくなら動画に頼らない生活に方向転換したい。動画以外で夢中になれるもの探しを、私も楽しんでやっていきたい。

動画も、今後彼が出会うであろうゲームやコンテンツも、避けては通れないのだろうし、しっかり活用できるようになってほしい。
楽しいものだからこそ、役に立つものだからこそ、子どもも使うときの約束の内容を理解して、納得して、使えるようになってほしい。


::ひとこと::

スマホや動画が目に入らなければ、案外その存在を忘れて遊べている子ども。私がスマホばかり見ないようにすることも、大事なんだよなあ。



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