はす寿司という鮒寿司亜種について

 母から鮒鮓(以降ふな寿司表記)亜種をもらった、鰣鮓(以降はす寿司表記)というらしい。
 ふな寿司と同じく現代の寿司の原型であるなれずしという種類の食い物である。
 なれずしは旨味と酸味が特徴で乳酸菌で発酵したときに旨味が濃縮されているのが特徴だ。
 さて、はす寿司、ふな寿司と違い小さい、切ってみると卵も入っていた。香りはふな寿司と変わらない、味の方はというと苦ぇ、とにかく苦ぇ、苦いじゃなくてそれを通り越して苦ぇという感じ。鯖やその他青魚にある香りと共に旨味が来てそして魚の内臓のような苦味が全速力で旨味を追い抜いていく、最後に酒粕のような風味が残る。卵の部分は若干ふな寿司よりもパラパラ(ものによるかもしれない)で酸味がなく焼いたタラコのような食感で味は塩味がほんの少しだけする不思議な不思議な味だ。ふな寿司として出されたらびっくりするくらいには違う、食感は似ているがやはり前述の苦味が一番の特徴かもしれない。酸味が薄く苦味が強い、製法は似ていてもこれは全くの別物であると言えるだろう。また、お湯に浸してもふな寿司のようなプルプル食感になることはなくお茶漬けにするには味が薄い(これもものによるかもしれない)。悪くはないが私個人としてははす寿司よりもふな寿司派という評価になるだろうか。

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