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「きりん」ややアウェイな学術集会へ行ってみた。

皆さんこんにちは!
毎度ご無沙汰の、産業保健師きりんです🦒…

今回は、X(旧Twitter)で半端なく盛り上がっていた『産業衛生学会』!!についてではなく、4-5月に🦒が参加したちょっと産業保健一途としてはアウェイ(?)な学会から産業保健について改めて考えるnoteを書いてみました🦒📝

敢えて、アウェイな学会に行ってみて思う事、学ぶことの大切さ?など🦒自身が体験して良かった事を共有させて頂き、
産業衛生に関わらず色んな学会へ飛び出して、広い世界を旅してみるのもまたヨシッ(幸)????と、
ちょっとでも興味が湧く一助になりましたら幸いです。

ただの感想になってしまうかもですが(笑)
本日もお付き合いください🦒…。
さて、
はじまり、はじまり


そもそも「学会」ってなんぞや?

って思いません?
何だか、ちょっと「偉い学者の先生たちが知見を交わす厳かな場」みたいな。
”集会”とかついちゃった日には専門家集団が集まって超崇高で宗教チックな井戸端会議なようなイメージを持つ方も多いのでは?
(え?🦒ですか?そうですね…。そう思っていたから言語化したのでしょう)

実際に産業衛生学会について書かれた様々なnoteや雑誌がありますので、最近はハードルが下がっている気がしますが、
(良かったら仲間が沢山書いているので読んでみて下さい🦒!)
それでも初めてであればとてつもなくハードルが高いですよね。
アウェイな学会への参加は、最初に学会に参加した時の何とも言えないアウェイ感を毎回感じる🦒です。(何回出ても、アウェイは初回気分!)

今回は、内輪の学会以外の学会に出てみることで気が付いたことについて書きたいので。ちょっとここから視点を広げて行きますよー!

さて、そもそも学会って何ぞやって所…
少し見ておきましょう。

がっ‐かい〔ガククワイ〕【学会】
それぞれの学問分野で、学術研究の進展・連絡などを目的として、研究者を中心に運営される団体。また、その集会。

デジタル大辞泉 「学会」の意味・読み・例文・類語

学会とは、ある特定の学問分野に対して、共通の研究を行う研究者が相互に交流し、その学問分野の発展のために組織される団体であることが分かります。また、学会は、政府への政策提言(ex.日本学術会議)や産官学の連携によるさまざまな共同研究のためのプラットフォーム(ex.科学技術振興機構)という社会的な役割も担うことがあります。

千葉大学アカデミック・リンク・センター  学会に参加するより引用

ほほう🦒…。
やっぱり、専門家集団のガチ井戸端会議ではないか…?
と思っちゃいますよね。
(※社会的な役割を担っているというのも、改めて文字で読むと、重みや大切さがジーンとしてきた🦒です。)
でも、読み替えると
『専門家による最新の知見を聞けちゃうなんともお得な会&交流することでコミュニティが広がっちゃうかもYO』でもありそうですね。
(ポジティブ脳内変換)

そんなこんなで、気軽に参加してみて楽しもう!と産業衛生学会関連以外でも、大御所の先生たちが発信しているようです。
今回は、🦒の中で少し軸足はあるけどガッツリその業界にいる訳ではない「ややアウェイな学会」での気付きについてこの後書いて行きます。

①第23回日本不妊カウンセリング学会 学術集会 2024年5月12日(日)

まずは、不妊関連の学会「日本不妊カウンセリング学会」
臨床時代に、この学会の不妊カウンセラーを取得&学会誌に論文を掲載して頂いた事もあり、産業の世界に来ても細々続けているこじんまりとした学会です。
学会の構成として、
『1群:医師、2群:看護職、3群:胚培養士、4群:心理カウンセラーや薬剤師、漢方薬局、鍼灸、患者当事者』
など多くの専門性をもった学会員が垣根を越えてチームで不妊の患者様を支援するという特徴をもっており、
名簿を見る所では、🦒のように産業保健関係者は殆ど見受けない(分かりにくいだけかもですが…)学会です。

アウェイな学会での質問

産業保健師になって毎年学術集会に参加しているものの、実は今回の会で初めて【質問】をしてみました。
(せっかくなので、演題の一部をHPより転載しております)

第23回日本不妊カウンセリング学会 学術集会 プログラムより転載

元々、最先端の生殖医療を提供するリプロダクションセンター出身なので、どの演題でもある程度基礎知識がある
&演題の内容としても『仕事との両立』についてで今身を置く業界の件
そんな中で質問をするのですが、
発表を聞きながら自分の疑問を言語化し短い言葉に変えて投げかけるのはとても難しい…🦒💦
最近は、こんな事質問しても良いのかな?という恥ずかしさ的な物は以前と比較して場数を踏んだお陰でマシになってきたものの…。
質問のスキルを身に付けるにはまだまだ遠い🦒…

さてさて、話を戻して…。
ここで更に質問をする際に
「●●先生、貴重なお話をありがとうございます。企業で産業保健師をしております、きりん🦒と申します。」
と一言質問前にご挨拶するじゃないですか。

その瞬間…。満席立ち見の会場が…。
『え?産業保健師??何者だおぬし???』
という感じになったのですよ、、、、
その他にも質問している人は何名かいたのに、
明らかにその方々とは異なる物珍しい視線を感じた🦒きりん。
(ちょっと空気読めてない人?的な感じなレスポンスで手に汗握っちゃた)

質問の内容は割と産業保健的な視点からの質問だったのですが、
回答して下さった方も「全然意識していなかった視点でした」との率直な感想と、現場からの意見をお伝えして下さいました。
ここで思ったのは

①『働く人/仕事との両立』というワードが学会の演題にはどこにでも出てくるけど、実際に働く人の職場関係者はわりとアウェイな存在なのかもしれない件
➁どんな疾患を扱う学会であっても『働く人』に関係することが殆どなのに、産業保健職(現場で働く人の健康問題と向き合うプロ集団)の知見がミックス出来ていないことも結構ありそうだなと感じた件…
(一緒に研究とかしないと難しい部分もあると思うので、共同研究したら面白そう…。)

🦒心の声

特に➁について、小児期でも思春期でも老年期でも
何かしらどこかで働く人と繋がっていて、産業保健(もっと広げると公衆衛生)とは切っても切り離せない繋がりがあるのに、そこってなかなか繋がるのが難しいのかな…。
産業の世界にガッツリ入り込んでしまって、そっちの視点を持って臨床と産業保健スタッフが共に「働く事」を支える件について自分は考えが十分及んでいなかったんだなという気持ちにもなりました。
(「両立支援」という言葉はあれど、復職支援の中で診療情報提供書のやり取りに混じったり、数ケースMSWさんとのやり取りをしたくらいしか自分はまだ経験がない🦒…。)
産業保健の場に入りたての頃は、逆で(苦笑)臨床マインド強めで苦しんだ結果、今は産業保健マインド強めなのかもしれないと反省した次第でした。

(両者のマインドを含みながら、もっと視野を広げて大きな枠組みで捉えられるともう一歩成長出来そうだなと思うという感じでしょうか)

【質問】とその後の一歩

この話は更に続きがあって、
質問をした後に、何名か話かけて下さる方がいらっしゃり
(多分、本当に「産業保健師」が珍しんだと思います🦒)
新たなご縁も頂いた🦒なのでした。ヨシッ(幸)
元々産業保健で「産業保健×不妊症」の旗を立てている人物が少ない事もあり、不妊カウンセリング学会としてもそこそこのニッチな人物でもあり、
良い感じにニッチのニッチとして居場所を頂けた🦒なのでした。
(その分、双方の視点やベースをしっかり持って専門家を名乗れるレベルであり続けるという責任などはガッツリ感じた所もありますが、とっても嬉しいです)

名刺持ってて良かった🦒(何となく鞄に数枚入ってて救われた)
名刺はどんな学会でもちゃんと持って行きましょう。

➁第76回日本産科婦人科学会学術講演会4月19日(金)~21日(日)

こちらは、産科婦人科医師が多く参加される学会である『日本産科婦人科学会』の学術講演会。
イメージとしては、産業衛生学会の産婦人科バージョンでしょうか(なんてざっくりな(笑))
何か産婦人科に関わる事を調べたいときの1番の拠り所です。

ここの学会の学術講演会では産婦人科の様々な演題が山ほどモリモリ!(語彙力)
もしご興味があれば、プログラムだけ見ても目が回りそうですよ。
(2024年のプログラムはこちら)
勿論、細かい演題の中には「働く」というワードも沢山ありました。
ここで、「産婦人科×働く人」についての学びが深まるのは勿論のことなのですが、それに加えて今回の企画で本当に楽しくなっちゃった件をピックアップしてお話しますね🦒♪

医療について伝える事を学ぶ

今回の日産婦では合計6つのセッションに参加した🦒
その中でも、ひときわ🦒の心に刺さったのが
広報委員会企画
どう伝えるか「女性の健康課題」インフルエンサーに学ぶ想いの届け方
この企画、メチャクチャ面白い🦒!
何が面白いって…。
一般の人への伝え方の極意が数分のプレゼンにガッツリ入り込んでいるのですYO!
内容は、「月経」「更年期」「不妊症」「HPVワクチン」「性教育」を各界のインフルエンサーの医師たちがプレゼンするのですが…。
一般の人がその話題を話した時に「どう感じるか?」「どこが分かりにくくしてしまっているのか?」「どうしたら必要な事を伝えられるか?そのために何を選ぶのか?」について、プレゼンをしながら、教えてくれるんです!

一般の人が受ける印象やつまづきポイントを熟知し、そこにガッツリはまり込み、説明を加えながら必要な知識を聞き手のハートにねじり込む。
強烈なインパクトあるショーのような発表。
聞き手の目線に立ち、伝えたいお土産を1つだけ持って帰って頂けるよう、
そのセッションで何を伝えて刻みたいのか、そこは産業保健での衛生講話や日々の活動の中でも非常に参考になる物でした🦒

私達産業保健職も、オーディエンスの躓きポイントや視点(集団を見て行く力も含めて)を研究して、発信上手になれると素敵だなと思いつつ…。
今回の「月経」「更年期」「不妊症」「HPVワクチン」「性教育」については、産業保健の場でも扱う機会の多いテーマでしたので、ちょっと真似して現場で使えそう!という視点でも大変参考になるテーマでした🦒

🦒心の声

あ、あと。
「今日、お話したいことは3つ。3つだけです!」的な発信のポイントについてもセッション内で取り上げられていました。
(どっかで聞いたフレーズ🐯?)
伝える技術やコツ、気を付けるべきポイントを発信力の強い先生方から学ぶスペシャルな企画。
産業保健界でも学会でこういうのやってみたら面白そうだなと思いました🦒
(インフルエンサー多いし…(笑))

おまけ

企業ブースで月経痛VR体験をした🦒
そこのブースと同じ場所で月経困難症の治療薬の説明を丁寧にしてくれた某企業(月経痛体験とは違う会社です)の担当者さん…
ご主人が弊社の従業員さんだったのです😂!
私のネームカード(所属)を見てビックリしてました(笑)

「まさか、夫の会社の保健師さんが来てるなんて!ここまで専門的に産婦人科について学んでいる保健師さんのいる会社ってとっても魅力的ですね」

と。素直に嬉しかったです🦒…。
まだまだ発信力は鍛えないといけないけれど、

「産業保健×不妊症🦒」としてこれからも自社のみならず産業保健全体に寄与できるようもっと深く根を張って頑張り続けたいなと思いました。

(今回の学会でも”生殖”に関するセッションへいくつか参加しましたが、専門的過ぎて自分の理解のアップデートになった点と現場に持ち帰りたい点とモリモリあるので、別に記事にしたいと思います)

企業ブースの月経痛VR体験イベント。とっても痛かった🦒⚡

まとめ

今回は、アウェイな学会に参加して感じた日記をつらつらと書いてみました。
「アウェイな学会」とはいえ、古巣の先生や先輩方などと「わーわーきゃーきゃー」してきたので、完全なアウェイではなかったのですが…。
でも、産業保健の場に身を置いて改めてちょっと違う分野の専門的な各学会に参加すると、
良い意味での「アウェイ感」や自分が持っている視点について改めて気づかされ、もっと別の視野や広い意味で物事が見えてくる気がしました。
(繋がりが元々ない方は、業界外の方と繋がれるチャンスもここに眠っているかもしれません)
知識面でも、本当にコアのコア(だって各分野の最先端の世界を学べるんですもの)を味わい、医学の進歩を肌で感じつつアップデートに繋がりました。

広く。深く。
『虫の目・鳥の目・魚の目&🦒きりん🦒の目』
ちょっと外から産業保健を眺めつつ、ご自身が極めてみたい分野の最新の知見に触れる事も出来ちゃうかも?

🦒心の声

まとめのおまけ
気になる団体を探す方法の1つに
日本学術会議」の学会名鑑があります。
”産業”と検索すると…🦒
おっと皆さんおなじみの某学会も…🦒…♪

学会名鑑「産業」で検索して出て来た団体🦒

是非、皆さんも気になる学会を調べ、色んな角度から産業保健を楽しんでみてはいかがでしょう🦒?✨

本日もお付き合いいただきありがとうございました🦒!


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