見出し画像

【旅】幽霊が出るというイポーのKellie's Castle

イポー郊外にある「ケリーズキャッスル」って聞いたことがありますか?

ここで撮影したら心霊写真だった、女の子のお化けを見た、など怪奇現象がまことしやかに語られている場所なんです。

私は、霊感などからは全く遠い場所にいるタイプですが、イポー日帰り旅行の帰り道にちょこっと立ち寄ってみました。

お化けですか?

もちろん見てませんし、どちらかというと観光客で混雑していたので活気すらありましたが、でも、正直いうと、ちょっと薄気味悪い感じはしたんですよね…。


ケリーズキャッスルの歴史

ケリーズキャッスルはいつ、どのように出来たのかざっと歴史を振り返ってみましょう。

ケリーズキャッスルは、1910年に着工して未完のまま放置された煉瓦作りの大邸宅です。

ケリーズキャッスルのファミリーリビングルーム

名前から推察するとおり、オーナーはWilliam Kellie Smithという、イギリス人の方。
彼は、マレーシアでゴムのプランテーションで財をなし、このお屋敷の建築に並々ならぬ情熱をかたむけました。

邸宅は、4階建で部屋数は14。
マレーシア初のリフト(エレベーター)も付けられています。

実際に見ましたが、人がひとり入れそうな大きさでした。
110年以上前にリフトがあったなんて驚きです。しかも個人宅に。

この邸宅の完成に向けて、70名を超える労働者が働いてたそうです。

なぜ、彼はこれほどまでに豪華なお屋敷を建てようと思ったのでしょう?
一説では、他のイギリス系地主たちを見返すためだったと言われています。

さて、順調にみえた建築は、1918年のインフルエンザ大流行で多くの労働者が命を落としたことにより、残念ながら頓挫します。

またその頃から、彼の事業の雲行きが怪しくなり、同時に彼の健康にも陰りが見え始めます。
仕事も自宅の建築も行き詰まり、きっと大きなストレスを抱えたんでしょうね。

1926年のリスボン出張のおり、ケリー氏は肺炎にかかってしまい、ついに帰らぬ人となってしまいます。

残された家族は、邸宅を離れイギリスへと戻ります。

ケリー氏の会社は別の会社に引き継がれましたが、完成途中の邸宅は興味を持たれません。

そのため、ケリーズキャッスルは忘れさられ、深いジャングルに覆われて何十年も眠ることになった…。というのがここの歴史です。

あっという間にジャングルに飲み込まれました

ジャングルの中で忘却だなんて、規模は違いますがアンコールワットみたいです。ジャングルの繁茂力ってすごいんですね。

現在のケリーズキャッスル

雰囲気

さて、実際に目にしたケリーズキャッスルは、お日様に照らされて多くの観光客で混み合い、幽霊屋敷というよりは、明るい公園って感じでした。

周りには何もなく、すこし小高い場所に建っているので、全体像がよく見渡せます。

まさに大邸宅、お城です

入場料

入場料は、外国人の大人RM10、小人RM8。
駐車場は入庫にRM2かかります。

こども部屋


メインベッドルームのとなりにある子供部屋で、ケリー氏の娘さんの幽霊がでると言われているそうです。

子ども部屋の天井は高く、とても広々として、テラスも付いています。
遠くを見渡せて眺め良好。

お化け話を聞いているせいなのか、広々としてるお部屋なんですけど、なんとなく暗いというか落ち着かない雰囲気がしました。気のせいなのかな。

セルフィー撮りまくってるマレー系の方はいらっしゃいましたけど、私は写真を撮る気はおきず、そそくさと退散。

秘密の通路

聞くところによると近年発見された、秘密の通路があるようです。

観光客むけに一部公開されてるようですが、はて、どれだったのやら。
暗くて急勾配の細い螺旋階段は見ましたけど、通路はわからずじまい。

通路ではないですが、地下室へと続く雰囲気たっぷりの階段は見ました。
ワインを貯蔵していたそうですが、地下室への階段って、どうしてあんなに不気味なんでしょうね。

屋上

4階の屋上にも立ち入ることができます。
遠くに錫の採掘現場の山々が見える、イポーならでは景色が望めます。

ただし、この屋上の一部の端は、てすり壁もロープも何もないんです!
足を踏み外すとすぐ落下!落ちます!
幽霊よりも何よりも、これが一番怖かった...。

写真に夢中で、うっかり落ちたりしないよう気をつけて下さいね。

さいごに

KLから、ここだけのために行く程でもないかな、と思いますが、イポーやペナンの旅行に絡めてみてもいいと思います。

ケリー氏はいまから約110年も前の1912年に、40歳くらいの時にこの大邸宅の建築を始めました。
1874年にイギリスがマレーシアを植民地にしてから、38年後のことです。

私は、幽霊よりも強欲さや支配欲にかられ、はるか幾つもの海を超えて他国を占領した人々の方に恐ろしさを感じるのです。

あなたはどう思いますか?







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?