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【プレユニ】Aレベルとは?プレユニバーシティのトップカリキュラムを徹底解説します。Aレベル受講の裏技や相性診断テスト付き

長女が2023年6月にマレーシアでAレベルを修了しました。
筆者は、母子留学で伴走する中で、ケンブリッジのAレベルについて深く理解を深めることができました。

Aレベルの難易度はたしかに高い。
しかし、この鍵を手に入れると、確実に世界のトップ大学への扉は開かれます。

この記事では、Aレベルの概要から学習内容、マレーシアでの受講のヒントや向いている生徒像まで、私たちが経験し、得た知識を分かりやすく共有します。


Aレベルとは


Aレベルとは、"General Certificate of Education, Advanced Level" の略称であり、ケンブリッジが提供するIGCSE(International General Certificate of Secondary Education)の後続カリキュラムのことです。

IBDPと比較されることもある、世界中で認識されているトッププレユニバーシティの1つ。
世界の一流有名大学へ進学するための第一歩と言えるでしょう。

Aレベルでは自分が選択した3つまたは4つの科目に絞り、1.5から2年かけてそれらを専門的かつ深く学びます。

ケンブリッジカリキュラムの一般的な進学パスは、

IGCSE(中等教育修了資格)→Aレベル(大学受験資格)→大学受験

となります。

IGCSEとの違い


IGCSEとAレベルの具体的な違いを見てみましょう。

IGCSEは、高等教育修了資格で、対象年齢は通常14から16歳。一般的に選択科目は10前後です。

一方、Aレベルは、大学受験資格で、対象年齢は通常16から18歳。選択科目は3または4科目に絞られます。

つまり、IGCSEは日本の高校に相当し、幅広く基礎的な教育を提供します。
一方、Aレベルは専門学校に近く、深い専門知識を学びつつ大学進学に備える位置づけです。

Aレベルを受けるには

インター校またはカレッジへ入学が必要


次に、Aレベルを受ける手続きについて詳しく見てみましょう。

Aレベルを受講するためには、ケンブリッジ系インター校またはカレッジへ入学する必要があります。
マレーシアには、多くのイギリス系学校が存在するため選択肢が豊富。

ただし、学費や修了にかかる期間を考慮すると、カレッジでの受講がコスト面でも時間面でも有利なことが多いです。

インター校での受講の場合、通常Y12とY13の2年間が必要ですが、カレッジでは最短で15ヶ月から21ヶ月のコースが用意されており、自分の都合に合わせて受講を始めることができます。

ちなみに、長女はカレッジを選びました。
さらにカレッジの短期間コースを選んだので、学業一本の生活となり、予備校生に近い毎日だったといえます。

入学に必要な成績


Aレベルのカレッジに入学する場合、IGCSE(または同等の資格)の成績が入学可否の決定要因となります。
IGCSEの場合、クレジット5が必要です。
つまり、入学条件として「C以上の成績を取得した科目が5つ以上あること」が要求されます。

一方、インター校では、通常全員がYear12に進級することが許可されます。
しかし、IGCSEの成績が芳しくない場合、Aレベルを選択できない可能性があります。
その場合、インター校が提供するDiplomatカリキュラム等を選択することになるでしょう。

IGCSEで選択した科目との関連性


Aレベルで選択する科目については、基本的にIGCSEで修了していることが推奨されます。
例えば、IGCSEで物理を履修していない場合、Aレベルでその科目を選ぶことは現実的ではありません。
なぜなら、AレベルはIGCSEで習得した知識を前提として、より深く専門的に追求するからです。

ただし、IGCSEで提供されていない科目や、文系の一部科目についてはこの限りではありませんが、理数系科目においてはIGCSEを基礎とすることが共通認識になっています。

実は、Aレベルの成績にはあるジンクスが存在するのです。
それは、「Aレベルは、IGCSEと比較して難易度が上がるため、IGCSEの成績からどれだけ努力しても2ランク以上の向上は難しい…」というもの。

つまり、IGCSEでの成績がCだと、どれだけ勉強をしてもAまでしか上がらない可能性が高いのです。Aの上にあるA*を取るのは非常に難しいとされます。

逆に言えば、IGCSEで十分な成績を収めている科目をAレベルで選択することが、Aレベルで成功する秘訣と言えるでしょう。

Aレベルの科目と学習内容


Aレベルの科目は、同じケンブリッジが提供するIGCSEからだとスムーズに移行しやすい内容になっています。

とはいえ、もちろん別のカリキュラムからAレベルを取ることも十分可能。
実際、長女の同級生ではSPM(マレーシアの中等教育認定試験)を終えてAレベルを受けている生徒さんは大勢いましたし、他国カリキュラム経験者もいたようです。

2023年現在、ケンブリッジが提供するAレベルの科目は合計55あります。
ただし、その中にはタミル語やポルトガル語などの語学系科目も多く含まれており、大学進学に直接関連するような科目の数は限られています。

また、Aレベルを提供する学校によって、受講できる科目が異なります。
自分が受講したい科目が、選択肢に含まれているかどうかを確認することが重要です。

マレーシアで受けられるAレベルの科目


マレーシアのカレッジが提供するAレベルの科目は、どのような内容でしょうか。
一例を挙げますと、

  1. Accounting

  2. Biology

  3. Business

  4. Chemistry

  5. Computer Science

  6. Economics

  7. Further Mathematics

  8. Law

  9. Literature in English

  10. Mathematics

  11. Physics

  12. Psychology 

など、理系が多めのようです。
どちらかというと大学進学に強い科目を揃えている印象。
インター校も同様か、学校によっては選択肢が前後するようです。

選択する科目の数は決まっている


Aレベルで選択する科目の数は、3または4と決まっています。

選択数は、学習者の目指す進路に応じて選択します。

最大4科目となれば、IBやファンデーションコースと比べるとかなり少なく感じますよね。

しかし、少ないのには理由があるのです

学習の特徴は「深くて専門的」


その理由は、Aレベル学習の特徴にあります。

Aレベルの学習は、専門的かつ深いものとなり、大学入学前でも大学の学習範囲に迫る内容を掘り下げて学びます。

興味のある分野へ徹底的に没頭し、それに専念することが特徴です。
このため、選択する科目数は他のプレユニと比較して少なくなります。

筆者の長女は、Aレベルで化学を選択しました。
しかし、理解できない部分があったため日本語でYouTubeを検索したところ、ヒットしたのが現役薬学部の大学生に向けた動画。
Aレベルが始まって数ヶ月でしたが、すでに大学レベルまで進んでいたのです。

成績評価のしくみ


IGCSEと同様にAレベルでも、カリキュラムの最後の試験で成績が評価されます。
これらの試験は年に2回行われ、毎年6月と11月に実施されます。
重要なことは、これらの試験が100%ペーパーベースであること。
プレゼンテーションやエッセイなどの要素は含まれていません。

成績はA*(最高評価)からE(最低評価)までの6段階で評価され、これらの評価は大学入学申請時に以下のように得点化され使用されます。

<成績得点換算>
A*=6
A=5
B=4
C=3
D=2
E=1

どのように点数が利用されるか実例を挙げてみましょう。

下の画像はシドニー大学アーキテクチャ学部の募集要項です。
赤枠で囲まれた左から3番目にAレベルが掲載されています。


その下に目をやると、13/13と書かれているのが分かるでしょうか。
これは、入学申請するには3または4科目の合計成績が、13点以上である必要を示しています。

前述の成績得点換算から計算すると、3科目を選んだ場合、少なくとも2科目はB評価(4点)、1科目はA評価(5点)以上が求められます。
それ以外の場合、基本的には大学への出願は受け付けられません。

このように、Aレベルの成績は大学への申請において非常に重要な役割を果たします。

AレベルのAS/A2とは


Aレベルの学習は、2つのパートに区切られています。
前半の部分はAS(Advanced Subsidiary)と呼ばれ、後半はA2(Advanced Level 2)と呼ばれます。

実は、ASのみで修了することも可能です。
ただし、ASのみを修了する場合、カバーする教材はAレベル全体の半分であり、どれだけ成績が優れていてもAまでしか獲得できません。
たとえ、満点を取ったとしてもAの上位評価であるA*の取得はできないのです。

また、大学によってはASレベルの修了だけでは大学受験資格と認めないところもあります(例:シドニー大学など)
一方、日本の一部の大学ではASレベルを高校卒業資格として認める場合もあります。

Aレベル受講の裏技


裏技というと語弊があるかもですが、冒頭で述べた通り、マレーシアではAレベルの受講先が多様で、インターナショナルスクールではなくカレッジを選択した場合、開始時期や期間などをより柔軟に選択できるだけでなく、コスト面でも優れています。

一方、デメリットとしてはインターナショナルスクールと比較して、学校イベントなどがほとんど無いため、いわゆる「青春」然とした学園生活を充実させるのは難しい点と、ガーディアンビザの発行は不可能になる点です。

では、カレッジの柔軟性について見てみましょう。

入学時期は1月、3月、6月、8月など、年間を通じて複数の選択肢があります。
日本と異なり、入学時期が豊富なため、タイミングを逃した場合でも次の年を待つ必要はありません。
自分の都合に合わせて入学時期を選択することができます。

一方、たいていのインターナショナルスクールは、9月入学に限定されており、もし入学が間に合わない場合は、学年を1つ下げて入学せざるを得なくなります。

また、カレッジにおいては、カリキュラムの長さも最短で15ヶ月、最長で21ヶ月までと幅広い反面、インターナショナルスクールでは、Year12とYear13の2年間が必要になってきます。

Aレベルの光と影


記事の始まりに、Aレベルはトップ大学進学への鍵である、と述べました。
これには、理由があります。

Aレベルでトップの成績を収めていた長女の同級生たちは、UKを始めとする世界中の有名大学からオファーレターを獲得していたからです。

一例を挙げると、UKではオックスブリッジ、インペリアルカレッジなど、メルボルンや香港の名前も聞きました。

しかし一方で、ASの時点でドロップしたり、学期途中から別のプレユニバーシティへ転向した生徒もいました。
A2までやり切るも、成績自体振るわず、結局Aレベル修了後に別のプレユニバーシティへ行く決断をした同級生もいました。

このように、トップ大学へのチケットを手にする可能性がある反面、途中で脱落していく生徒も少なくはありませんでした。
他校の様子は分かりませんが、長女の学校はこのような状況でした。

「光が多いところでは、影も強くなる」とはゲーテの言葉ですが、まさにAレベルでも同じことが言えると実感しました。

Aレベルでは、IGCSEで積み上げてきた成績を元に、やり抜く力が何より大切だと思っています。

Aレベル向き?タイプ診断テスト


さて、ここでAレベルに向いているか、向いていないかを楽しみながら診断してみましょう!

以下のAとBのリストを見て、どちらがあなたに当てはまるか考えてみてくださいね。

A:

  • 座学が得意で、暗記が得意

  • 自分の興味が強い分野を追求したい

  • 科目の好き嫌いや得意・苦手がはっきりしている

  • 将来の進路が具体的にあり、イギリス系の大学に進学したい

B:

  • 幅広い科目を勉強したい

  • 実践的なスキルを身につけたい(例:会計、マーケティング、ファッションなど)

  • プレゼンテーションやディベートのスキルを高めたい

  • ペーパーテストは得意ではない

  • プレユニバーシティは短期間がいい

あなたが「A」の特徴が多い場合、Aレベルはあなたに向いているかもしれませんね。
ただし、これはあくまで参考ですので、将来の選択に合った進路を見つけるのが重要です。

まとめ


最後に、Aレベルについて簡単にまとめましょう。

・Aレベルは、イギリスのケンブリッジが提供する大学入学資格カリキュラムです。このカリキュラムは、約2年間の期間で16〜18歳の生徒が受けます。

・Aレベルでは、生徒は3または4つの科目を選択し、それらを専門的に深く学習します。一部は大学の範囲を含みます。

・カリキュラムの最後に試験が実施され、その結果はA*からEまでの6段階で評価され、これらの成績は大学入学申請時に活用されます。

・マレーシアでは、多くのインターナショナルスクールやカレッジがAレベルを提供しており、入学時期や期間にはさまざまな選択肢があります。

Aレベルについて理解が深まりましたでしょうか?
この記事が理解の手助けになると嬉しいです。


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