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ほぼマレーシアにまつわるショートエッセイ

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ちょっとした時間にサクッと読める、マレーシア生活などにまつわるエッセイ集です。
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#クアラルンプール生活

クアラルンプールのチャイナタウンは中華街じゃない

中華街と聞いてなにを思い浮かべるだろう。 極彩色で手の込んだ模様の大きな中華の門や、蒸籠から湯気をあげる点心店かも知れない。 または、壁一面が引き出しになっている漢方店や、中国茶の専門店かも知れない。 しかし、KLの中華街はそれとはちょっと様子が異なる。 中国っぽいモニュメントや活気あふれる点心店はなく、いかにも中国らしさを感じるものはほとんど見当たらない。 そもそも、マレーシアはマレー系・中華系・インド系が混ざり合っているので、街中に中華系の飲食店はそこらじゅうにある

Bukit Bintangで中東小旅行

ブキ・ビンタン。 日本語で「星が丘」という意味のそこは、その名の通り煌びやかなクアラルンプールの中心地だ。 いつも人で溢れる場所であるが、正直なところ筆者にとってはそれほど魅力を感じない。 何故なら、することがないのである。 ブキ・ビンタンの中核をなすパビリオンは、所狭しとブランドショップが軒を連ねているが、それほどブランド品に興味はない。 台湾の誠品生活は同じような品揃えだし、ファーレンハイトは薄暗く他でもよくある店舗が続いている。 ドンキが店舗を増やす前、唯一L

キャメロンハイランドの老舗ホテルSmoke House Hotelにて

キャメロンハイランドに、Smoke Houseという名のホテルがある。 おとぎ話に出てきそうな、とんがり屋根に蔦が絡まる洋館。 ピーターラビットがすぐにでも顔を出しそうなイングリッシュガーデンが色を添えている。 ホテルの近隣はゴルフ場しかないため、そこだけ切り取ったように、空間まるごとがイギリスだ。 ヨーロッパのアンティーク好きなら、館内に足を一歩踏み入れると同時に、歓声がもれるだろう。 ビクトリア朝を思わせる家具、市松模様の床、暖炉、バラ柄のファブリック、真鍮製のア