いい企画を思いついた時のプロセス

放送作家の深田憲作です。
テレビやYouTubeの構成に関わっています。

これから企画倉庫という「企画の無料開放」サイトを作るため
今後は企画というものに向き合って論理的に解明していく人生にしていきたいなと思っているんですが

いい企画ってどうやって思いつくのか?


企画を考える全ての人間にとってのこの究極の疑問の答えは、僕の中では今のところ全然出てないんですよね。

企画の指南術的な本には色々と企画の考え方が書かれているのですが
どれも後付けな気がしてしまいます。

「ケーキ」「マラソン」「本」「スリッパ」「将棋」といった
ワードを書いた紙を適当に2つ組み合わせて企画案を考えてみる、みたいな方法がよく指南されてるんですが、少なくとも僕はそんな方法で企画が考えられる気がしないし、やろうと思いません。

やっかいなのは、優秀な企画者も「企画を考える方法」を明確に持っている人がいないんです。

僕が知る限りは「ただ、なんとなく考えてたら浮かんだ」という人ばかりです。

それは雑誌を見ている時だったり、シャワーを浴びている時だったり、街中で何かを目撃した時だったり…。

そこにはこれといった明確な思考法や法則は存在していない気がします。


だからこそこの「企画の考え方」を体系化するのは至難の業だと思います。

でも、だからこそこれは研究していこうかなと思いました。

そのための第1歩としては、企画者たちがヒット企画を考えた時に「どのようなプロセスを経てその企画を思いつくに至ったか?」をデータ収集していこうかなと。

無意識ではあるけれど、きっとそこに辿り着くまでのプロセスがあったはずなんです。そこを解明したら「企画の考え方」に関する何かが見えてくるかもしれない。

たとえば、僕がこの「企画倉庫」を思いついたのは
夜、寝る前にソファーに座ってぼーっとYouTubeを見ていた時なんですが
そこに至るまでを回想してみると伏線がいくつもあったことを思い出しました。

①放送作家を始めた10数年前から番組の企画案を考える時にウィキペディアで調べた歴代の有名番組の企画を参考にして考えていた。
既存の企画を見ていると企画が浮かびやすいということをなんとなく認識していた。

②番組の会議で他の人の企画案を見て「この企画、ここをこうすればまた違う企画になるな~」と頭の中で思うことがよくあった。

③音楽のフリー素材、イラストのフリー素材、写真のフリー素材とか色々あるのに、そういえば企画のフリー素材はないな~と思ったことがあった。

④テレビディレクターや映像制作者向けにプレミアやフォトショップ、イラストレーターといった編集ソフトを提供するアドビという会社がある。
テレビ制作者向けに機材レンタルなどをしている東京オフラインセンターという会社もある。けど、そういえば放送作家向けのサービスって世の中にないなと思ったことがある。

⑤テレビでは他番組の企画をパクるってタブーだけど、YouTubeって「100の質問」とか「モーニングルーティーン」とか、そのまま企画をパクるのが悪とされていないよなーと思ったことがある。

⑥YouTubeの仕事を始めて、みんな週に2~3本も動画を公開しないといけないので企画を考えるのに苦労していることを知った。しかも、YouTubeでは作家だけでなく出演者や出演者のマネージメントの人たちも企画を考えている。けど、どうやって企画を考えればいいか分からないという人がたくさんいる。

⑦ある時、クックパッドって主婦にとっては助かるんだろうなー。みんながレシピを投稿しあって助け合ってる状態なのすごいなー。と思ってふと調べてみるとサブスクの有料会員がこんないるの!?と驚いたことがあった。

こんな10数年に渡る思考の変遷を経て、ある日の夜に…

あらゆるYouTubeの企画案が載ったサイトって需要あるんじゃないか!?

となったわけです。

いわゆる、全てが繋がったというやつです。

色々なプランナー(作家)にこういう思考のプロセスを聞いていったら「企画の考え方」のヒントがあるかもしれません。

リサーチしていきたいと思います。





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