写像

 現実とは無限次元構造体であり、意識とは、その写像である。対象にある角度から光をあて、その影を、我々の脳で捉えられるのに十分低い次元まで落とし込む。光を当てられる位置は、我々の存在できる領域内に限られるが、その内側においてさえ、同じ対象に対してできうる写像は無数に存在する。
 無限次元の現実そのものをそのまま我々の脳の中にすっぽりと捉えてしまうことはできない。そのための十分な計算リソースがないからだ。
 脳と、宇宙の差はほとんどないのかもしれない。強いて言うなれば、宇宙は脳に比べてはるかに大きな計算能力を誇る。

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