夢日記63”VAMP”

私達はある男を追っていた。昔一緒に仕事をしていた仲間だった男だ。今回の仕事は裏切り者であるその男を始末する事だった。ここ最近は似たような仕事が非常に多い…。

一体どんな裏切りをしたから殺さなければならないのかどんに聞いても教えてもらえなかった。私達は与えられた居場所でしか生きていけない。命令されれば逆らえない。

ただ裏切り者を始末しているうちに彼らが共通して1つの事に関わっている事が分かった。それが「VAMP」だ。その言葉が何なのか密かに調査をしていたがその言葉全く分からない。

私は男をようやく捕まえると後輩と協力して縛り上げた。本来ならすぐに殺さなくてはならない。だがどうしても気になった。

「VAMPってなんだ?」

「さあ。何の事だか」

昔からとぼけ方のレパートリーが少ない奴だった。1週間も一緒にいれば誰にでも嘘を見抜けるぐらい分かりやすい。明らかに何かを知っていた。

胡散臭い見た目に反して割と面倒見のいい奴だった。それでも私は心を鬼にして殴って蹴って痛めつけた。後輩は目を背けたくなるのを必死に我慢している。

「殺してきた裏切り者は全てこの言葉で繋がっていた。お前が知らないはずがない」

「何の事だがさっぱり分からねえよ」

命が惜しければ情報を売ってでも生き延びようとするはずだ。私は死なないように加減しながら暴力を振るう。

この男は間違いなくVAMPを知っている。しかしどうしても吐かせる事ができない。命より大事な事なのか??

虚ろな目でこちらを見る男の胸ぐらを掴み上げて私は声を荒げた。

「教えてくれよ!お前達が関わってしまったVAMPって何なんだよ!私達は訳も分からず仲間だった人間を殺し回らなきゃならないんだ!知ってるんだろ!?なあ!教えてくれよ!!」

返事をしない。気が付けば男は死んでいた。手加減はしたし急所は外したはずだ。まるで突然糸が切れたようだった。

悪寒を感じた私は早急にここを去るべきだと感じた。どうせ死体の処理は他の仲間がやる。ここに長居する理由はない。私は後輩を連れてこの場を立ち去った。


パイナポォ(「 ・ω・)「