砂山

またとられちゃうの

私一人ぼっちよりも少ない
0.5ぼっちじゃん

0.4
0.3
0.2
0.1
0.9999999999999…

私今砂なの?山なの

本当にまだ「砂山」なの?

大切だったものが、全部cacheになる
迷惑メールフォルダに振り分けられてく

とっかかりすら無い
絶対この中にはあるのに

部屋の
「部屋のどっかにはある」…

あるだけで動作が重くなる

確かに大切だったのに
それらを「大切にしてた人」が根こそぎ無くなる病気なら、
つまり、私は既にかなり死んでるんじゃない?

データを上書きしても、ハードが同じなら同じ人か?

私は子供が産めない代わりに、
ポケモンの「みがわり」みたいに
何かを削って、
何度も他人を作らされてる気がする

さらに速く
さらに新しい人間
さらに早く老いて
新しい人間

新しい人生

初見でも新宿駅前迷わない、しがらみの無い、記録ペースの「成功例」

試行回数を重ねればいつか、
次の勇者なら…

そういう解決方法を選ばせるに至るほど、私が脳に負荷をかけたならごめんだけど

私まだ生きてるのに

私思ってることがあるのに、欲しい物もあるのに
CPUのおじゃまぷよなの?

大切にしてた人が大切にしてた、記憶を、物を持ってたって、
私が知らないんじゃ何にもならない

私は価値がわからないまま、貴重な資料を捨てちゃう市の図書館みたいに

多分命より大切だったことも、好きな人も、
レシートと共に捨ててる

捨てたくないに決まってるけど

もし捨てなかったせいで、文字の書き方を忘れたら
いや文字を忘れたら
名を忘れたらと思うと

「どうしてこんなことを」っつって
ずっとこんなことをする
多分終わるまでずっと切り崩していく

想像よりも早い段階で、
いよいよ捨てるものも無くなってきた

もう私には友達くらいしか残ってない
私に友達いること自体がすげーよな…って毎回思うのに

蓮を見に行って、楽しかったのに

2人で千葉まで行って、博物館と地味な花を見て
千葉の悪口言って帰った
楽しかったよ

夜、ろくに人のいないみなとみらいの遊園地で、なぜか中島みゆきの「昴」が流れる中
かなり怖い高所をチャリで漕ぐアトラクションに乗ったりした

クソまずいクレープを
「安い生クリームの味しかしない」ってなんの躊躇いも無く捨てたら、「すげぇ」って顔をしてた

飯捨てるとかマジで理解できないんだろうな

なんなら、結構イヤだったんだと思うよ

「お前らしい」とだけ言ってた
飯捨てたのに、それが良いことみたいに

せめて私も、折に触れ
「こいつらしいな」と思っていたいだけなのに

人生を順番にとられていく
いつか名もとられる日が来る

「この名前を持った人」って旗が倒れるまで

また何回も
(というかもう既にかなりあったんだから)
(もうほとんど無いんだから)
(つまり、半分の半分の半分の半分の)

半分の半分の半分の半分の半分

砂かなぁ

本当に本当かな?

本当にこれ私が書いた?

これを買ったの?
これを食べてた?好きだったの?

そう
好きだったの…


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?