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イメージ香水を飲むのはNGなので、香料の安全な代替食材を探してスイーツをつくる



香水を楽しもう!

ごめんなさい、キモオタです。

突然アイマスにおける私の担当アイドルのイメージ香水が発表された。

発売日はその翌日だという。

「急に香水が来た?」
「急や」

というわけで注文した。実は香水を買うのは初めてだった。

早速開封して噴出口のところを何度かプッシュしたが、なかなか水しぶきが出てこないため噴出口の故障を疑った。

「おかしいなぁ…」

噴水口の故障を疑い、顔を近づけて観察しながら何度かプッシュした時

…カチ…カチ…カチ……カチシュッ!!!

十分な水を溜めた噴射口から、待っていましたと言わんばかりの水しぶきが私の顔面にぶつかる。

「急に香水が来た?」
「急や」


『一粒の金柑』
雨上がりの夏休みに少年が自分の背より少し高い金柑が連なるあぜ道を理由なく走っていたら、曲がり角で黄金の波のような長髪をなびかせた紳士の背中に衝突した。
少年は尻もちをつく。男性はぶつけられたにも関わらず、自分の齢の三分の一程度の少年に手を差し伸べながら「大丈夫ですか?」と丁寧語で返してくれた。

『一粒の金柑』(民明書房)

香水は蜂のように鼻孔を差し、蝶のように香りが鼻の中を舞う。
顔の真正面から高い密度で香水を浴びてしまったため、鼻の奥深くまで入り込み、鼻の通り道と口の通り道の合流地点で、シトラス風味の残り香が座っていた。
呼吸で空気を取り込むや否や、残り香は空気に手を差し伸べてフォークダンスを踊りながら肺を満たす。
唾液を飲み込めば、たちまち荒野で背を伸ばす花の蜜に変わる。

そして香水は嗅覚を通して私の好奇心を刺激した。

香水でこの感覚なら、ビールのように飲んだらどうなるんだ?

普通に考えたら香水を飲むのは健康に害するだろう。
いや、もしかしたらいける?????
念のため「香水 飲む どうなる」で検索した。

大量に飲むと急性のアルコール中毒を起こす可能性があります。

公益財団法人日本中毒情報センター,”中毒事故の問い合わせが多い家庭内の化学製品“
,https://www.j-poison-ic.jp/general-public/response-to-a-poisoning-accident/chemical-products/

ま、そうなるわな。

あと香水を飲もうとするオタクに釘を刺してる記事とかもめっちゃヒットした。ちょ、タンマ!冗談だって!前振りみたいなものだから!

いや、冗談でも口にすると炎上するのが今のインターネット…すみませんでした。

猛省し、今回の知見を血肉に昨日よりパワーアップすることに努めるとする。

おわり













そういえば担当アイドルの香料に何が含まれているのかちゃんと見ていなかった。公式サイトに載ってるらしい。これも知見だし調べてみよう。

<香りイメージ>

トップノート:シトラス、フゼア、スプラッシュウォーター、フルーティーアコード

ミドルノート:ラベンダー、ローズ、バイオレット

ラストノート:ムスク、マリンアコード、ウッディアコード

フェアリーテイル株式会社,販売サイトより
https://fairytail.jp/sidem/parfum/#part8

「何か食えそうなやつ多くね?」


シトラスは柑橘系だし、フルーティはフルーツだろうし、ローズとかはエディブルフラワーで…


香水に含まれる10種の成分を基に食べても問題なさそうな食材を集めた。


スイーツをつくろう!①素材紹介

順に今回のスイーツ作りに使う10種の食材を紹介する。

①フゼア枠

「本わらび粉」

フゼアはシダ植物をイメージした香料らしい。私が食べるシダ植物としてイメージしたものは「わらび」、わらび粉100%の本わらび餅粉で私はわらび餅をつくる。
シダ植物は4億年前に出現したと言われる。古論クリスが所属する時間や歴史を司るLegedersにマッチした香料だ。
※一般的に香水に使われるフゼアにはシダ植物は入っていない。
※市場に出回る大半のわらび餅粉はでんぷんで作られていることが多い

②シトラス枠

「檸檬とハッカのキャンディ」「きんかん湯の素」「レモネードの素」

シトラスとしていくつかの柑橘系の食材を集めた。
同社の他の香水にはハッキリ「オレンジ」や「レモン」と書かれているものがあるが、「シトラス」だけでは漠然としている。
私はいくつかの成分がミックスして具体的な一つに定まらなかったものと捉え、金柑やレモンなどを混ぜ合わせることにした。
また敢えてハッカ入りの飴を用意した。香水が広がる感覚をハッカで再現するためである。

③スプラッシュウォーター枠

ミネラルウォーター

辞書的な意味では跳ね上がっている水、もしくは泥を巻き上げる水のことをスプラッシュウォーターと呼ぶらしい。ここは開き直ってただの「水」と考え、富士山の自然から湧き上がった水を選んだ。

④フルーティーアコード枠

「キウイジャム」「農協果汁」

アコードとは香りを調和したものの総称。フルーツの香りをいくつか調和しているものと判断した。まず農協果汁の「くだものミックス」を採用。
さらに、担当アイドルはかつてキウイの仕事をしていたため、キウイジャムも採用した。

⑤ラベンダー枠
⑥ローズ枠
⑦バイオレット枠

エディブルフラワー3種

この3種はエディブルフラワー(食用花)として入手することが出来た。
左からラベンダー、ローズ、バイオレット(すみれ)

⑧マリンアコード枠

海のソーダキャンディー

アコードその②。香水におけるマリンとは海をイメージしたものであり、一般的に海成分はない。スーパーで思案した結果、同じく海をイメージしたお菓子があったので採用した。それどころか海の塩をそのものを内包した強気の飴である。

⑨ムスク枠

山梨の新巻葡萄酒

ムスクとはジャコウジカの成分であり、主に香水に使われている。食品として使われることはない…

…と諦めていたその時に見つけたのがこのワインだ。

オレンジピールなどの柑橘香、ホワイトムスクやホワイトグレープの香りも感じられ、とてもアロマティックです。
辛口に仕上がり、酸味も豊かでキュッと引き締まった白ワインです。普段の食事に合わせやすく、貝類との相性もオススメです。

山梨ワインオンラインストアの説明文より
https://wine.or.jp/nouveau/store/products/detail/241

ホワイトムスクの香りという触れ込みに惹かれた。ホワイトムスクとはムスクの香りを人工的に再現した香りらしい。正確なムスクではないが、透明で爽やかな色合いと、何よりSideMと度々コラボしている山梨産ということで採用に至った。
※後から本物のムスクを使ったワインは見つかった。しかし価格が可愛くなかった。

⑩ウッディ

燻製岩塩

ウッディとは樹木の香り。食品に木の香りを移した調理法に「燻製」がある。こちらはブナの燻製塩ということで採用した。


スイーツをつくろう!②調理編

大まかね工程は下記の6工程

  • 工程①飴を砕く

  • 工程②粉末を混ぜる

  • 工程③粉末と液体を混ぜる

  • 工程④鍋で煮る&冷やす

  • 工程⑤きな粉づくり

  • 工程⑥盛り付け

工程①飴を砕く

「海のソーダキャンディー」と「レモンとハッカのキャンディー」を砕いて粉末にする。この粉末を本わらび粉と混ぜ合わせることで、甘みと香りを着ける意図がある。

レモンとハッカのキャンディーは袋の上からハンマーで砕く。

左が砕いていない飴で、右が砕いた飴。カバンの底で見つかった飴ぐらいの砕け方でも問題ない。

「海のソーダキャンディー」はハンマーの衝撃が伝わりにくかったため、このようなマシンにぶち込む。これは電動の回転刃で豆を砕く機械。

蓋を強く抑え込むと刃が回転する

飴は砕けた。

ここでボロボロの「檸檬とハッカのキャンディー」も電動豆砕きマシンに投入し、稼働させる。

良い感じの粉末になった。

工程②粉末を混ぜる

ボールの中に本わらび、工程①で粉末にした飴、きんかん湯の素、そしてレモネードの素を投入する。

本わらび粉

粉末がダマになっているので、ヘラやしゃもじなどでだまを潰していく

工程③粉末と液体を混ぜる

工程②の粉末がはいったボールに以下の液体を入れる
・ワイン
・ミネラルウォーター
・農協果汁
・キウイジャム

工程④鍋で煮る

ボールから鍋に工程③の液体を入れる。

ヘラでかき混ぜる

中火で混ぜるとあら不思議。水分が飛ばされて水飴のような餅が出来上がった。ヘラでかき混ぜたのと鍋の取っ手を付けた以外は特別なことはしていない。

この状態になれば火を消し、わらび餅を冷蔵庫に入れて30分ほど冷やす。

工程⑤きな粉づくり

きな粉ではないのだが、便宜上きな粉ということにしてほしい。
エディブルフラワー三種をそれぞれ5gぐらい入れて電動豆砕きマシンに投入。
花は嵩張るので何回かに分けてやった方が良い。

最後に燻製岩塩も投入する。

工程⑥盛り付け

冷やしていたわらび餅を一口大に切る

震えていることに気付いた時、掛けるべきことに気付いたのさ。

きな粉をかける(きな粉ではない)

完成

お花を振りかけたら良い色味になった。

実食

いただきます。

あー?

うん

はい?

えー

なにこれ?

まず酸味が重たいかも。わらび餅なのに。食えないことはないけど、賛否両論というにはおこがましい味。

あ、良い点もある。食べた瞬間に花の香りが広がる瞬間なんかは良い。これを食べながら飲むお茶はめちゃくちゃ美味しい。

ただ…

味とか香りの良し悪しが本質じゃない気がする。味に関してトライ&エラーを繰り返したわけじゃないから微妙な味でも仕方ない。

負け惜しみとかじゃなくて、何か分からんもの食べてる気がしてる。
普通は食べた瞬間の情報が脳に伝わって「美味しい」「まずい」の判断がなされる。

このわらび餅について脳は一応事務的に仕事してるけど「これ本当にうちで処理していい案件っすかね?」と言ってる。

あー…そうだ

ごちゃごちゃ考えてる間にこのわらび餅を食べてる感覚のちょうど良さそうな例えが一個浮かんだ。

ただちょっと観念的すぎる。

自分が直接体験したことじゃないので、絶対「は?」と思われそうだけど、ここまで来たら言うしかないわ












「しりこだま食ってるみてぇ」

オワリプス オブ ザ ハート


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