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婿入りとは異文化交流するということ

婿入りして3年。この3年を一言で表すならば、「異文化交流」だろうか。

大阪に住み始めて5年。婿入りする前は、大阪に住んでいるといっても、会社の同僚の大半が関西弁を話すことと、お好み焼きやたこ焼きのお店がたくさんあるな、ということくらいしか、大阪らしさを感じることはなかった。よくわかったのは、「大阪のおばちゃん」というのはデフォルトではなく、厳選されたキャラクターだということくらいだろうか。

しかし、婿入りしてから、ああこれが大阪だな。と思うことがたくさんある。特に食に関しては、異文化交流だなと思う。例えば牛肉文化。僕の故郷では、肉といえば豚肉だったのだが、こちらはなんでも牛肉だ。カレーも牛肉、肉じゃがも牛肉。はじめはなじめなくて、義母ともケンカもどきをよくしたものである。妻は東京に住んでいたことがあるので理解はあるものの、やっぱり基本は牛なので、「ポークカレー」を食べたいときは自分で作るしかない。今では僕も牛肉文化にだいぶん慣れたのと、義母も豚肉文化を受け入れてくれたので、僕の家では牛肉と豚肉がいい感じに同居している。

ほかに驚きだったのは、うどんだ。「大阪=うどん」のイメージがある人はどれくらいいるのだろう。大阪のうどんがおいしいということを、僕は婿入りしてから知った。しっかりとしたおだしに、コシのあるうどん。これが非常に美味しい。うどんといえば、讃岐、稲庭と有名どころはあれど、大阪に来る機会があればぜひ一度は試してほしいと思う。ちなみに僕の場合、故郷で食べるうどんが「田舎うどん」という印象に代わった。故郷の味で懐かしみを感じる一方、味覚がかなり大阪に侵食されていたのは、地味にショックだった。

なんだかんだといっているけれど、僕は大阪が好きである。住めば都ということだろうか。この日記を書いていて思い浮かべるのは「チャポンと行こう」の第65夜。「住みたい街」の妄想トークを聴いていて、あぁ僕にも住みたい街を思い描いていた時があったなぁと思い出した。大阪に来た頃、僕は無性に田舎暮らしをしたかった。一人で暮らす都会はとても刺激的で、僕にはちょっぴり強かった。18年間暮らした故郷が思い出され、いつか帰ってやると心に誓っていた。しかし、僕は大阪の妻に婿入りして、気が付けば関西弁をしゃべるようになり(妻と義母がネイティブ関西弁なので影響大である)、大阪の街に親しみを感じるようになった。「異文化交流」が一区切りなのだと思う。ここからは、僕らしい大阪文化を楽しんでいけばいい。

ふう、今日は何とか書くことができた。書きたいことはあるのだけれど、なかなか時間が取れない。というのは言い訳だろうか。PCに向かってキーボードをたたく、仕事とあまりかわらない作業なのだけれど、内省(ないせい、という言葉、ぼくは「チャポ行こ」で初めて聞いてから、ずっと使ってみたかったので今日使おう)するのにとてもいい感じ。紙に書くのはなんだか気恥ずかしいけれども、こうやって無機質な文字として自分の言葉が画面に浮かぶとさらさらと書きたいことが出てくる。ではまた近日中に。おやすみなさい。

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