「久しぶりの読書」を読んで。

本の虫だった僕も、いまでは立派に活字離れをしている。新聞は購読していないし、読むのも漫画ばかり(これは妻の影響甚だしい)。例外は、「北欧、暮らしの道具店」のコラムと、絵本くらいだ。最近息子に読み聞かせをせがまれるので、僕らのベッドは絵本に占拠されている。ちなみに、彼の最近のお気に入りは、かくがいひろしさんの「おしくら・まんじゅう」である。

そんな僕に、このコラムはもってこいだ。さて、どんな本を勧めてくれるのやらと思って読んで、驚いたことがある。書店員のみなさんも、活字が読めないことがあるらしい。どんな時に読めないかは、実際にコラムを読んでもらうこととして、そんな時に青山ブックセンターの青木さんが読む本と、最近僕が選びがちだった本がピタッとはまった。それは写真集だ。

高校生までの僕だったら、きっと写真集には手を伸ばさなかったに違いない。あのころは、1にも2にも本が読みたかった。図書館の本を端から読んだ。好きな作者の小説は一通り読んだし、伝記なんかも2種類のシリーズを読破した。まるで本が食事のように、暇があれば活字を欲して、貪り読んでいた。子育てと仕事と、妻と義理の母との生活に囲まれた今の僕には、その活字がむしろ重荷のようになっている。活字を読むのにはこんなに労力が必要だったのかと、図書館で借りてきた本を10ページほど読んでは返却することの繰り返しだった。

その点、写真集ならば、ぱらぱらとぼぉっと眺めることができる。世界のどこかのきれいな景色や魅力的な建物が、現実からちょっと目を離すのにはちょうどいい。この間は橋の写真集を読んだ(この場合は『見た』が正しいだろうか)。橋なんてちょっと川沿いを走ればたくさんあるのだけれど、改めて見ると、その無骨な、でもどこか親しみのあるフォルムに見とれてしまった。ちなみに、橋にはいろいろなタイプがあるというのを、僕はEテレで知った。世界には、吊るされて動く橋や沈む橋があるそうだ。橋、あなどりがたし。

「久しぶりの読書」に話を戻すと、第2話ではおすすめのエッセイを紹介してくれている。また第3話では、現実逃避ができるおすすめの本を紹介してくれるとのこと。明日もまた、このコラムを読もう。


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