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紙媒体のこだわり

しばらくの間、タブロイド新聞を不定期ながら発行していた。
人物取材記事を主体としたものだった。
残念ながら、COVID19の影響もあり、今は休刊している。
機を見て再開するつもりだ。

紙媒体であるタブロイド新聞は「時代遅れだよ」とよく言われた。
これだけ発達したインターネットがあるのだから、仕方がない
それでも、わたしは紙媒体にこだわりたい。

紙媒体は印刷前に散々、校正や校閲が入る。
印刷は、やり直しがきかないのだ。
だから、発行することに対して、また記事の内容に対しても責任を持たざるを得ない。
それゆえ、読者には信憑性を高く感じてもらえる。
じっくりと時間を掛けて、腑に落ちるまで何度も読み返してもらえるメディアだと思う。

間違いがあればWebは、すぐに訂正できる。
しかも都合が悪くなれば、記事そのものをすぐに消し去ることもできる。
なにしろ印刷に掛かる費用は要らないのだから。
記事を書き上げてすぐにオンラインにアップできる。
あまりの手軽さに内容の検証や誤字脱字のチェックは疎かになりがちだ。
だから信憑性に欠けると感じる人も多いのではないのか。

印刷物は、Webコンテンツに比べ拡散力ははるかに劣る。
表現力やインパクトにも劣る面も多いが、その反面、読者の想像力をかき立てる。
読み手の感情・感覚を刺激して深く心に染み入り心に残る。
そして、何より大切なところは、人間臭さだ。
わたしが、紙媒体にこだわる理由だ。
紙媒体には、これだけWebが浸透した世の中だからこその特別感もある。

このような思いがあり、紙媒体にこだわり続けたい。

だからといってWebを否定しているわけではなく、Webの多様な可能性に魅力を感じている。
上手く使い分ければいい。
それぞれに一長一短があり役割がある。
互助するように使えばよい。

現代は、活字離れといわれている。
活字離れとは書籍や新聞を読まなくなったことを指すのだろうが、文字を読まなくなったわけではない。
ウェブ上にはライターたちが書いた記事で溢れている。
だが、あまりにも情報量が多く、閲覧者はブラウザーに現れる記事を、タイトルと3行程度を眺め読みして次へ次へと渡り歩く。
これでは記事の本質を見ることはできないし、深く考えることもできない。
気が付けば、自分の頭で考えない癖が身に付いてしまう。
それがどのように、世の中に作用していくのだろうか。

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