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私が読み聞かせ会をしないワケ①

子育てを始めると、検診で勧められたり
ママ友達に誘われたりで子育てサークルや
子育て広場のようなものに参加しますよね。

するとなぜか
必ず絵本の読み聞かせってありませんか?
おはなし会という呼び名の場合もありますね。

いずれもパターンはだいたい決まっていて

・はじまるよったら♪に代表される導入
・手遊び
・おうた
・エプロンシアター
・指人形
・紙芝居
・素話
・絵本数冊

順番は多少違えども
こいうものをされることが多いですよね。
これらの組み合わせです。

なんだか他人ごとみたいな言い方(書き方)が
「あら?さなえさんって絵本の読み聞かせしている人なんじゃないの?」
とおかしい感じがしますか?

私のように絵本のことを色々と話す仕事をしていると
読み聞かせのおばさんもしていると思われるようですが、私の読み聞かせ会(おはなし会)の経験はたったの5年です。
それも、息子が通う小学校での読み聞かせボランティア活動のみです。

私がしているのは、親子参加であっても
親であるママやパパに向けての
絵本講座や講演会です。
(スタイルは様々で座学だけではありません。
お子さんに向けて絵本を読みながら、合間合間に親向けの講座をして、また読んで、の繰り返しのイベントもあります)

絵本が好きな人みんなが、大勢の子どもの前で
読むことが好きだという誤解があるなら
今ここで解いておきたいです。

わたしは特に手遊びとか、絵本読む以外のことをするのが好きではありません。
たまに、なぜか、どうしても手遊びを入れて欲しいという依頼があるのですることはあります。
(読み聞かせだけだと、いつも子どもが飽きてしまうからだそうです。そんな読み聞かせしかできないのは、飽きるようなつまらない選書センスだからだろうと内心毒づいています)
(ついでに言わせてもらうと、はじまるよったらはじまるよ、の最後、手はおひざ制度が何より嫌いです)

このなんとなく、読み聞かせと手遊びがセットになってる感が、私が読み聞かせ会をするのが好きじゃない理由でもあります。

話は変わりますが
数ヶ月前に、絵本専門士の内田大樹さんとトークイベントをする機会がありました。
そのときのトーク内容で、次のようなことがありました。

参加者さまの問いに対して、内田大樹さんと私がそれぞれ考えや思いを話すという形式のものです。

「どうやって絵本を選びますか?」
この質問に

内田大樹さんは
「本屋さんで読んでたら保育園で子どもと読んでる、絵本を楽しんでいる姿が想像できる絵本がある。これ子どもと読んだら楽しいかな♪って思って買います。」

私は
「本を読んでいたらその絵本を楽しむ親子の姿が見えてくる。そんな姿が見えてくる絵本がいいかなぁ。」

そう答えました。

保育士でもあり、絵本専門士であり
子どもに絵本を読むスペシャリストでありたい。
と語る内田大樹さん

パパやママに向けて家庭でわが子に絵本を読む魅力を発信することのスペシャリストでいたい私

立場が違えば、絵本から想像される光景にも違いがあるのだと、絵本を選ぶ段階から視点が違うのだと面白く感じました。

内田大樹さんもご自身のブログで書いていらっしゃいますが、これはアプローチ方法の違いであり、
伝えたいことの本質は同じであると私も思います。

私は、大勢の子ども(とくに初対面、今後おそらく継続的に会うことはないだろう)に絵本を読むことは好きではありません。

でも、定期的に開催される私のイベントに度々顔を見せてくれてお互い知った感のあるお子さんに読むのは少しは好きです。少しですけど。

イベントで読んでいても、私からここにいる皆んなへ、という読み聞かせは好きではないです。
そのかわり、来てくれたお子さんには一人ひとりに、必ず声を届けます。
今、あなたに読んでるよ、と気持ちを送りながら読めばほとんどの場合その気持ちが届くのか、小さな子の私を見返す目に違いを感じます。
私はその感覚が好きです。

大勢の子どもに読むのが好きではないと、好きではない話ばかりをしていますが、次は私が好きなことの話をします。

私はパパやママ、特にママに話をするのが好きです。
私が子育てや暮らしにおいて大切に思うこと、考えていることを話すのが好きです。

講演会もトークショーも
対個人のコンサルも、どんなものでも話すのは得意で好きです。

私が大切に思うことが、絵本の中にはいっぱい詰まっているし、親から子どもに絵本を読んで聞かせることで親が子どもにしてあげられることの最も大切なことが叶うと信じているから、様々な視点から「おうちでわが子と絵本を読んでくださいね」と話すことが好きです。

住む場所も年齢も学歴も職歴も性格も暮らしっぷりも全然違うママたち。
子育て観、方針、それも違います。

でも私が伝えたいことは
ほんの少しばかりのこと

どんなママも幸せなママになれる

そのことを語るのに絵本が欠かせません。
幸せなママになれるほんの少しの
きっかけを、私の話す「待ちよみ」で得てもらえたら
いいなぁと、そんな気持ちで話します。

(の、割には、ものすごいマシンガントークです)
(毒の盛られた話もあります)

というわけで、わたしは読み聞かせ会は好きじゃないですが、絵本をよむことも、絵本も大好きです。

できれば自分の好きな方法で絵本の魅力を伝えたいので、目的が「その場にいる子どもを楽しませるための絵本イベント」よりは、パパやママ、特に毎日精一杯頑張っているママたちにたくさん話すことができるお仕事をご依頼いただきたいです。

私の話を聞くと、講演会のあとにたくさんの絵本が売れます。
例年の10倍売り上げた場所もありました。

ママたちは、子どもがよりかわいらしく一緒にいる時間を幸せに思え、絵本を読んで声や思いを伝えたくなります。
ママがおうちでわが子に絵本をよみたくてたまらなくなるのです。
本当です。笑。

絵本の魅力を伝えたいと仕事や活動をしている人間にも個性があり、多様な伝え方があり、
その幅があれば、もっともっと絵本を読むことの魅力が多くの人に伝わるはずです。

読み聞かせ会、おはなし会ではないアプローチ方法を
わたしはもっと構築したいと考えています。

前半、手遊びをやや面白くないような表現をしましたが、それは「私がしたくない」ということで、
小さなお子さんの気持ちをぐっと引き寄せ、場の一体感を作り上げ、かわいい笑顔をたくさん引き出すことができる読み手を本当に尊敬しています。
本当に素晴らしい場を持たれている方を尊敬しているし実際に知っています。だからこそ、そのアプローチ方法は、プロフェッショナルにしていただきたいのです。

そしてこの話には続きがあります。
読み聞かせ会をしないワケ②で、
そもそも私自身が良く知らない人の読む絵本の読み聞かせが好きじゃなく、ひどいときには
上の空になってしまい、全くおはなしが聞くことができない特性であること。

「うちの子、絵本聞けないから、絵本好きじゃないんだわ、うちの子には向いてないみたい」
と絵本を子育ての中で読むことをやめてしまったり、
他の子のように、座ってじっと聞けなかったり、盛り上がれなかったりする子どものことを悩んだり、場合によっては叱ったりしてしまう人もいることについて
ママたちには、「悩むことじゃない」と理由も添えてお伝えしたいです。
 

2020.5.3
待ちよみ絵本講師
内田早苗

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