横田敬一よりメッセージ
【プロフィール】
1965年神奈川茅ヶ崎市出身。
1986年神奈川県立農業大学校卒業。
現在神奈川県平塚市にて農業法人取締役。
日本のバラ生産第一人者であり日本切りバラ協会初代会長を祖父に持つ日本有数の薔薇農家の3代目として育つ。
大学校卒業後は高単価なブライダルローズを得意とし、数々の品評会で入選常連、人気品種の植物特許を保有。
花関連のイベントも多く手がけて手広く事業を展開していた。
しかし次第に多量の農薬と化学肥料、人工的な設備で生産することに疑問を持ち、業界の最先端技術での水耕栽培花卉生産に終止符を打ち、2009年より当時では前例のない無肥料無農薬によるバラ生産を開始。
ヨーロッパではメジャーな「食用バラ」に着目。品種選定、自然力を活用する独自の生産方法を確立し、食用バラ流通に成功。
「食べられるバラ」ではなく、「食べるための美味しいバラ」の生産に特化。
味、香りともに追随を許さない唯一無二の食用バラは「エシカルローズ®」と呼ばれ国内外の星付きレストランのシェフが毎年畑を訪れる。
学校のPTA会長を務めたのを機に、
小学校での読みきかせ活動を開始。
市の社会教育委員も務める。この頃から現在の子どもを取り巻く状況に危機感を持つように。
2019年に内田早苗の講演会にて「待ちよみ」を知り、植物の本来持つ力を信じ、焦らず待って育てる自然力畑との共通点に感銘を受けたのを機に共同で事業を開始。
「絵本と自然力畑の学校」を運営、指導者を務める。2021年に絵本セラピストとなる。
2023年度絵本専門士養成講座受講。
児童養護施設での読み聞かせ歴4年
【講演の特徴】
①自然力畑と子育ての共通点を説き、保護者や保育者の方に、子どもが「自らの力で育つ」ことを尊重し、大人がどれだけ環境を整え、子どもの育ちを待つことができるかの重要性についてお話します。
②「変えることを恐れない」「変わることを楽しむ」。
③人と違うことを恐れたり、前例や慣習にとらわれ従うだけの人間ではなく、自らの考えを持ち生きていく力の大切さを私自身の経験をもとにお話します。保護者の皆さんはもちろん、小学校高学年から中高生にも話ができます。
④講演会場だけでなく、自然力畑現地においても実際のバラや野菜の育ちを見ながら、自然力畑と子育て、人間育てについて話します。園の教職員研修、企業の人材育成研修などに向いています。
【横田敬一よりメッセージ】
幼い頃から日本各地にバラ栽培の普及のための講演に飛び回る祖父の姿を見て育ち、私自身3代目としてバラ業界の発展のためにそれなりに実績も残してきました。
その経歴と実績を置いて、それまで日本には全く前例がなかった無肥料無農薬によるバラ生産を始めたのが16年前。
それまで農薬肥料がなくては育たないのが常識の世界で異端児、変わり者どころか「横田は終わった」とまで言われたのです。
ですが様々な試行錯誤の末たどり着いた自然力畑でのバラ生産成功は、植物が本来持つ力を最大限発揮できる環境があれば、バラは自らの力で香り高く美しく咲き、病害虫に負けず強く生き抜くということを証明しました。
私はその姿が「人間育て」と全く同じだということに気がつきました。
人間にはもともと、自らがより良く心地よく自らの望む姿で育つ力がそなわっている。
ですが、そこに余分で過剰な肥料と同じように
早期教育や無理なしつけを子どもに「よかれよかれ」と与え施す。
子どもは大人の意のままに短期間で一見立派な効果を見せる。
画一的な形をした花や野菜のように「皆と同じ」を強いられる。
何でも人より早くできることを褒められる。
本当にそんな子育てでいいのでしょうか。
過剰な肥料で育った野菜やバラはパッと見て大きく立派です。
ですが本来の育ちのスピードを早めた結果、病害虫に弱くなります。
だから農薬が必要になるのです。これもまるで子育てのようです。
自然力畑で育つ野菜やバラは、地中深くまで自らの力で根を張ります。
自ら葉を繁らし陽を浴びて育ちます。
そして何と肥料を使った野菜やバラよりずっと香りも強く味も良いのです。あまり知られていない事実です。
実際、自然力畑の野菜やバラは「この野菜がほしい」と言われ、有数の料理人の手に渡っています。
逆に「何でもいい」人には価値はわかりません。
人間も同じです。
エリート育てではなく、
誰でもいい、誰がやっても同じ、そんな仕事や生き方ではなく「その人らしさ」を持ち、その「らしさ」が誰かを幸せにし、社会で役割を果たす。そんな人間に子どもたちには育ってほしい。
「皆と同じ」じゃなくていい、人より遅くても自らのペースで着実に育ってほしい。
結果、強さを持って生きられる。強さは優しさになり、相手の「らしさ」を認められる、それが多様性です。
多様性の話が出ましたが、自然力畑のキーワードは「多様な植物、昆虫、菌、微生物との共存」です。
これらはどれも欠かせない生き物ですが化学肥料や農薬を使ったり、除草剤や過度な雑草処理をすれば存在しなくなり多様性は保てません。
人間も同様です。自然力畑はこれからの子どもたちが生きていく世界そのものを私たちに見せてくれます。
何でもとことんまでつきつめる性格の私は、絵本についても学び研究をするために絵本専門士養成講座を受講しました。
代表内田との出会いを機に絵本の持つ力や奥深さ、可能性に魅了されたからです。
特に「待ちよみ」は自然力畑との共通点がとても多いのです。
最後にもう一つ。
最先端の技術を使った農業をやめ、自然力畑に方向転換した私が今、過去の自分の仕事や生き方を悔いているかといえば、それは無いと断言します。
科学的な知識も究極までつきつめて農業をしていたからこそ、それをやめるとき、どこまで引き算していいのかがわかりました。
かつての私のように花屋にある美しい花を栽培する農薬を使った農業を否定する気持ちもありません。
どの花も、生産者が丹精込めて育てていることを知っているからです。
ただ私が、私の考えを貫いた、それだけです。
子どもたちにも、重ねた経験や学んだことは生きていくのに全て必要なもので、辞めたとき、変えたときに前の自分を否定しないでいいと話してあげたいです。
私のこれまでの経歴や自然力畑、絵本の奥深さを伝える話が「生きること」「子育て」「人間育て」について考えるきっかけや転機になり、それが子どもたちを取り巻く環境に還元されたり、子どもたちへの愛ある眼差しになることを願っています。
〈株式会社まちよみホームページより抜粋〉
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