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「待ちよみ」について②

「待ちよみ」について①
で、待ちよみという考え方についてまとめています。
ここからは、より具体的な質問にお答えしていきます。

そして大切なことを初めに。

絵本についてあれこれ書いてある書籍に載っている事も、絵本について講座や講演をしている人たちの言うことも、本によって、もしくは話す人によって説が違います。

結論から言いますと、どんな権威が話している内容であろうと、絵本や読み聞かせにまつわる事柄に、これが正解です。というものは存在しません。

あと、読み聞かせという行為には2種類
・家庭での読み聞かせ
・集団の場での読み聞かせ
があるのに、そのどちらに向けての解説なのかハッキリしないもの、ごっちゃにしたような説も多いのも問題です。

という事をしっかりと頭に置き、さまざまな考え方ややり方を知り、最終的にはご自身がスっと心に落とし込める方法があなたにとっての正解です。

ここから先に書くことは、家庭での読み聞かせについて、
待ちよみ絵本講師内田早苗が持論をお伝えします。

【絵本の読み方について】
この質問が出る原因は
・子どもの想像力の邪魔をするから絵本は淡々と読むべきだ説。
・子どもが絵本の世界へ入りやすいように読み手は工夫(登場人物ごとに声色変える、読むスピードに変化をつける、抑揚をつけるなど)演じることが必要だ説。

概ね、この2つの説が世に出回り、その説のどちらにも遭遇したママやパパが、
「さて、どっちなんだ?」と悩むというわけです。

私はこの質問にはこう答えます。
「あなたのキャラに合ったほうで読んでくださいね」

絵本は作者や出版社の方が心を込めて作られた作品です。そこにある言葉や絵は子どもへの愛に溢れている。一読者である私はそう信じて今までたくさんのお金を使い絵本を買って読んできました。

ですが、その作品は家庭に届けば作者のものではありません。
そのおうちのものです。
だから、おうちに来た絵本の絵や言葉は、そのおうちのものなのです。
絵本には作り手の世界観があるかもしれませんが、
おうちにきたら、絵本に世界を作るのは子どもです。
その子どもに寄り添うのが親の役割です。

だから、私は
絵本は読んであげるママやパパの性格そのままに読んであげてほしいなぁと思います。
絵本の言葉は家庭に来れば、それは読んであげる親の言葉になるからです。
読んでもらっている子どもにとっては、それがあの谷川俊太郎さんや五味太郎さんやせなけいこさんの作品だろうと、著名な作家から楽しいおはなし、聞いていて耳心地のいい言葉を受け取っているとは思いません。
ママやパパが自分に向けて声をことばをかけてくれている、おはなしをしてくれていると思っているのです。

絵本を手にして、普段話すように読めばいいと思います。
子どもへの語りかけが苦手で、上手に読めないからと言って絵本に苦手意識を持つ人もいますが、むしろ逆です。
そんなに気負わず、書いてある通り声にだしてみてください。
今、私は、ここにいるわが子にことばという愛を届けているのだという自信をもってほしいです。
上手に読めていなくても、パパやママも弾むようなリズムの絵本を読む時は無意識に明るい声になっていますし、「これなあに?」ということばがあれば自然に
問いかけ口調になります。
それくらいできていれば十分です。

こういう方もいます。
「私は絵本を読むときは、思いっきり自分の思うように読みたいんです。演じているみたいでいけないと言われたことがあるんですが、普通に読むのは面白くないんです。」

もう答えはわかりますよね。
そう思うなら、それが、あなたのスタンダード。
普通って自分で決めたらいいんです。
絵本を読みながら、パパ劇場、ママ劇場が催される家庭は賑やかで楽しそうですね。
そういう読み方も大賛成です!

絵本の読み聞かせの主役は、絵本ではありません。
子どもに見返りなしの愛情をわかりやすく伝えるために、絵本があるのです。
作家や出版社さんが聞いたら怒るかもしれませんが、
私は講演会で必ず伝えます。
「絵本は道具です。親から子どもへ愛情を伝えるための道具です。
どんな人でも簡単に使えます。子育てが苦手な人も使えます。どんな性格のママでも使えます。
簡単に使えますが、とても優しくて強くて頼りになります。」

読み方より、読みたいという気持ちを大切にしてほしいです。

2020.3.13
待ちよみ絵本講師 内田早苗






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