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詩をまとめたマガジンです。
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#現代詩

早朝

碧くあおむけに 白く流れる空を 年老いた手におよがし 乾いた風か 葉先に涙を 寄せていく 星…

花がきれいだと ジョウロへ水をとばし 半歩 進む 短い影

寡黙

よくみてみよ 何をほっている 形なくまどろみたい そう願っているのだ 静かに空を呼んできて…

押し花

白く浮きでた 押し花を 崩さぬよう持ち上げ 掬えているかと 首を傾げた 畳の隅

つぶ

カタチあるようなの粒が のびた息の上に 早くなる足音の横へ 空も見えぬ 日差しの上に 雪に…

詩のようなものを大量に

自分の満足する詩が書けず 数書くことを目標に書いてみようと思います。 大量の駄作になると思…

迷ったように手を揺らし 風を見ているのだろうか 今 若草を揺らし 跳ねて 向かっているところだよ

雲作り

ゆっくりと 指先の透けた葉が 茎を手放し 雲を作りに 行くのだろうか

透いて

悲しい目で 振るえる期待を 僕と見ないでいてほしい 僕はその空白で 少し漂っていたいだけ…

構えなく

威厳は無邪気さにゆれ 思慮深さは涙に流される 荷台をもち 車輪を受け取ろうと 扉を叩く …

まっすぐと かげりなく

まっすぐと かげりなく のびている 幅があり あつみが足りぬと 僕にいう 瞳を超えて納ま…

君をまえにすると 僕は薄汚れている 君の心はガラスである ガラスは簡単に砕けるものでない …

砂がすべり 泡と消える ゆっくりと海が沈み 波を撫でる そんな錯覚がする そこに波がかぶさ…

朝  鼻に熱を感じる 足元を這う湯気が ふと 顔をあげ 私を摩る 道を越えよう そうして落ちた湯気が なぁ と語りかけてくる 『まるで一人になったみたいじゃないか』 私は湯気をかきながら すん と鼻をしかめるのだ