ぜんぶ自分でやっちゃう病。
会社をやっているんだけど、私はいまとても深刻な病気を抱えている。名づけて「ぜんぶ自分でやっちゃう病」だ。
どういうことなのかを説明するために、勢いのままちょっと私の業務内容を羅列してみる。
顧客の開拓、商談、分析、それから取材にライティング、キャッチコピーの制作、写真素材の撮影、画像の作成、あーん、web制作物のディレクション、商品開発、広告制作、PVなどの管理、PDCA管理、プロジェクト全体像の把握・管理、SNSの運用・管理、顧客への連絡・調整、資料作成、請求業務……。
う、う、うわああああああああああ!!!
や、やることが多すぎる!
電話してこないでえええええ!
会社を作ってすでに1年以上がすぎ、気づけばこれは、1人電通、1人博報堂、1人ADK、1人サイバーエージェントと言ってもいい(それは言い過ぎ)。
ここに日々の経営課題の改善策の立案、新規事業の考案、だれかに会う、採用業務などが加わる。いま述べたのは仕事だけの話だ。私は仕事だけに生きているわけではないから(本当か?)、ここにプライベートも加わる。
掃除洗濯火事親父。しかもさらにクソッタレなことに、私は死ぬまで毎日noteで文章を書くという終身刑のような「ペナルティ」まで抱えている。
仕事では目鼻口から火を、肛門から下痢を吹き出しそうな状況下にも関わらず、そこに加えてnoteを書いている。自主的罰ゲーム。自主的無期懲役。自主的に極刑を選んでいる。しかも喜んで。
さらにここに子育てまで加わるとしたら、どうやら私は単細胞生物になるしかない。細胞分裂をして私を複製するしかないではないか。
困ったなぁ。
この話をだれかにしたことがある。もうだれに話したかも忘れた。だれかに言われたのだ。
「イトーさん、それ、ぜんぶ自分でやっちゃう病ですね」
言われんでもわかってんねん!
「そんなイトーさんにおすすめの本があります。『自分でやった方が早い病』という本でして、これオススメですよ!」
うるせーな!
そうですか! 読みたいです!
でも時間がありません!
いや、時間は自分で作るものです!
わかっているのだ。
「ぜんぶ自分でやった方が早いし、質も高い」と思っているのは幻想で、だれかに任せたほうがはるかに生産性があがるし、私の身も軽くなるということを。
でもいまの私には難しい。どうやらそのあたりのセンスがないようだ。
名著『ビジョナリーカンパニー』で繰り返し言われているのは、
永続する組織を作るためには「仕組み・哲学」を作る必要があるということなのだけど、いまの私は一生懸命なカッコーのように「いま3時!」とか、疲労困憊のハトのように「い、い、いま7時ぃ!」と叫んでいるようなものである。
4ヶ月くらい前に「いや、これ何かを捨てないと死んでしまうぞ?」と思った私は、試行錯誤の末「音声配信」を捨てることにした。おなぐさめラジオよ、永遠に。
あれ? おかしいぞ? 捨てるべきは「note」なんじゃね? と思う自分もいるのだが、少しの時間、仕事やプライベートから解放され、文章に向き合うということは、お酒を一生飲めず、趣味もなく、妻のゲボクとなっている私にとって最高のストレス発散になるから捨てられない。
おなぐさめラジオを再開して、全宇宙の「オナグサミー(仮)」たちをなぐさめる必要があるような、ないような気もするのだけど、今のところはちょっと環境的に難しい。
ぜんぶ自分でやっちゃう病を治す処方箋をだれかください、って感じだ。
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