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Spoonで音楽活動を始めたい人へ⑤【総括編】

<前章>

Spoonで音楽活動を始めたい人へ④~リレー編~

本章は、シリーズ通して語ってきた内容を踏まえたうえで僕が本当に伝えたかったことを述べていきたいと思う。

このシリーズの目的

これまでSpoonで音楽活動をするには避けて通れないキーワードであるリスナー、マネージャー、そしてリレーについて述べてきた。全部読んでくれた人にとっては、もうSpoonで活動したくなくなるような内容だったかもしれないが、もちろんそんな意図はない。

導入編でも触れた通り、このシリーズの目的は、もともと音楽活動をしている人たちに向けて、これからSpoonというアプリで活動していくための道しるべとなるように、その独特な風土や文化について僕自身の体験ベースで記したものなのだ。いわば、戦国時代の日本にやってきた西欧の宣教師が、母国の人々へ向けて記した見聞録のようなものと言っていい。

むしろ、僕はSpoonで活動することを応援している立場なのだ。新型コロナの影響で、予定していたライブ活動のほとんどがキャンセルとなり活動の場を失った僕を救ってくれたのは、他でもないSpoonである。次第に収束に向かってはいるものの、以前のような音楽活動はできなくなるだろう。これからもしばらくは音声配信アプリの需要は続くはずだ。

これからSpoonで活動する人たちにとって必要なのは、薄っぺらいまとめブログに書かれているような上辺だけの評価ではなく、Spoonで実際に活動した人からの生々しい評価ではなかろうか。

そのためにも、良いことは良いなりに、悪いことは悪いなりに述べてきたつもりだ。Spoonというアプリで活動することが、その人にとって本当にプラスになるのか慎重に考えてもらいたいからだ。

シリーズを通して伝えたいこと

そのうえでSpoonで音楽活動を始めたい人へ僕が一番伝えたいのは、他人と比べないことと、アプリに依存しすぎないことだ。

Spoonにはファン数や再生数、ランキングにCHOICE制度など、いやでも他人と比較させられる仕組みがある。リレーに誘われた誘われなかった云々も同様だろう。しかし、よくよく考えてみて欲しい。実生活を送るうえで、それらの数字や肩書きに果たして何の意味があるのだろうか。

極端な話、Spoonのファン数で決まる入試があるのだろうか?CHOICEになれば就職に有利なのだろうか?リレーに出た数がボーナスの査定に影響するのだろうか?Spoonそのものが明日から突然無くなったら生きていけないのだろうか?もしそんな世界があるのなら逆に教えて欲しい。専業ライバーになりたいという人は別として。

もちろん数字がモチベーションの維持に貢献することもあるだろう。ただ、そればかりに支配されては本末転倒だ。Spoonはアプリである。アプリは生活をちょっとだけ楽しくするための道具であって、本来は人がコントロールするものなのだ。

しかし、どういうわけか道具にコントロールされてしまっている人が多いのだ。構ってちゃんが過ぎるリスナーや、ありもしない虚業に勤しんで忙しぶっている専マネ、承認欲求がヤバいリレーの主催なんかは、そんな人たちの成れの果てなのだ。よほど悲惨な現実を送ってるのだろうか。そう考えるとちょっと可哀想な気もしてきた。ちょっとだけね。

Spoonだけではなく、TwitterやInstagramのようなSNSが日常に浸透している時代だからこそ難しいことかもしれないが、他人と比べないことが活動を続けていくうえで必要なマインドなのだと思う。そのためには、Spoonなんか無くたって困らないようにしっかりと現実を生きる必要がある。

そりゃ確かに現実はうまくいかない事の方が多いだろう。SpoonというSNSで心の平穏を保っているという側面もあるかもしれない。しかし、Spoonがこれから先も存在する保証なんてどこにもない。もしかしたら来年にはもう無いかもしれない。あなたの現実はこれから先も続くのだ。どちらの時間を優先すべきかは言うまでもない。

おわりに

ここまでお読みいただきありがとうございました。また、本シリーズを通して傷つけてしまった人たちも少なからずいることでしょうが、そんな人たちへお詫びの言葉に代えてエールを贈りたいと思います。

リスナーの大半を占める構ってちゃん達へ

あなたの推しは、あなたのためだけに配信しているわけではありません。何でもかんでも期待には応えられません。本当に推しだと思っているのなら、彼ら自身のやりたい音楽を見守ってあげてください。また、どんなに簡単そうに弾いていても陰では練習しています。リクエストするときは気長に待ってあげてください。人の感情に永遠なんてものはありません。推しとかは一時の感情に過ぎないので後から思い出して自らの黒歴史にのたうち回りたくなければ神推しとか最推しのような言葉を安易に使わない方がいいと申し添えておきます。

専マネを仕事だとか思っちゃってる人へ

まずはご自分もひとりのリスナーである自覚を持ってください。DJならこう思うはずだという決めつけはたいていあなたの願望でしかありません。少しでもDJの役に立ちたいと思うならDJとしっかり話し合ってください。それと頑張っているところ大変申し上げにくいのですが、マネは仕事ではありません。マネになることによって配信を楽しめなくなるならやめたほうがいいです。それでもやりたいなら黒子に徹してください。間違っても目立とうとしてはいけません。推しからマネを頼まれたとしても、あなたには断る権利があることを忘れないでください。

承認欲求を満たす為にリレーを主催したがる人へ

何のために企画をするのかを明確にしてください。リレーを開きたいためだけのリレーになってないか再確認してください。主催という立場にこだわるあまり他の人の立場を蔑ろにしてないか振り返ってください。あなたの企画に付き合ってくれる人への感謝を忘れないでください。出演者が人気なのであってあなたが人気なのではありません。出演者が主役だということを忘れないでください。出演者には出る企画を選ぶ権利があることを忘れないでください。自分の運営能力を超えた規模のリレーをすることは多くの人に迷惑がかかります。出来ないことは出来ないと認め、一人で決めずに周りと相談してください。業務連絡の文章がうまく書けないなら、書ける人に手伝ってもらいましょう。

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