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赤花フェス運営奮闘記④

<前章>

赤花フェス運営奮闘記③

今回の記事では、赤花フェスにおける諸々のコンテンツについて振り返っていく。CASTやTALKなどのSpoonのLIVE以外の機能を活用することや、ラジオ番組とのタイアップを絡めた広告戦略などについて語っていこう。

CAST for 赤花フェス

『赤花フェス』の運営をしていると、ありがたいことに「自分も沖縄音楽を歌いたくなった」とか、「自分も赤花フェスに出演したかった」というような声を頂くことが本当によくあるのだ。そういう人たちの想いにも、なんとか応えられるような仕組みを作りたかった。

そこでCAST機能を使った『CAST for 赤花フェス』というイベントを行うことにした。『赤花フェス』の出演者に課した「セットリストに少なくとも1曲は沖縄にまつわる曲を入れる」というレギュレーションがある。それと同じルールでCAST投稿してもらうことで、『赤花フェス』に参加している感覚になれるというものだ。

『CAST for 赤花フェス』の詳細

昨年の『赤花フェス2021』では、開催日に合わせて2日間を投稿期間としていたが、期間が限定されすぎていてなかなか投稿する時間が無かったという声もあった。そこで今年の『赤花フェス2022』では反省を活かし、開催の1週間前から投稿期間を設けることにした。

そして投稿すること自体に価値が生まれるように、ここでも「三方良し」を組み込んだ。録音という手間を考慮して、CAST1投稿につき50円を寄付することとした。サムネイルをアイコンリングに指定することで、視覚的な宣伝効果もある。まさに一石二鳥だ。おかげさまで今年の『CAST for 赤花フェス』では、46投稿すなわち2300円分もの寄付を集めることができた。

TALK for 赤花フェス

『CAST for 赤花フェス』では、歌を歌わないといけなかったり楽器を演奏しないといけなかったりで、参加のハードルが高かったという声は昨年からあった。そういうユーザーに向けて考えたのがこの『TALK for 赤花フェス』だ。

『TALK for 赤花フェス』の詳細

SpoonのTALK機能とは、お題に合わせて15秒前後のボイスメッセージを投稿でき、CASTよりもさらにカジュアルに使うことができる。「寄付に協力したいけれど『赤花フェス』本番の時間には予定があって行けない」とか、「本当は『赤花フェス』のほうに行きたいのに、同じ日の別の企画に参加しているために泣く泣くそちらのリレーの応援に行かなければならない」というようなユーザーにはもってこいの取り組みであったように思う。

そしてTALKの投稿にはサムネイルを用意する必要が無いため、「担当の絵師にアイコンの加工を禁じられている」とか、「他の企画に出るせいで『赤花フェス』のリングが付けづらい」というような様々な事情でアイコンリングがつけられないという人にも、リングなしで寄付に参加できる手段として、TALK1投稿につき10円を寄付することとした。

このように、SpoonにはLIVEの他にCASTやTALKのような機能を活用することで、出演者以外のユーザーが企画に参加できる仕組みを作ることができる。しかし、Spoonのリレー企画はLIVE機能しか使われていないことがほとんどだ。その結果、毎回似たような出演者しかおらず、内輪でちょっとだけ盛り上がっておしまいな“量産型リレー”が蔓延している。

運営と出演者しか満足していないような企画ばかりでは、やがて飽きられてしまう。これからのリレー、特に“フェス”を自称するような大型の企画にこそ、こういう“ユーザー参加型”のイベントを積極的に取り入れていってもらいたいところである。

それに、スプーンの6割やバスターの利益はSpoonの運営にピンハネされてしまう以上、せっかくの機能は使わないともったいない。Spoonというアプリをより賢く使っていくためにも、プラットフォームはフル活用していきたいものだ。

ラジオ番組とのタイアップ

Spoonのリレー企画を宣伝する手段として最も使われることが多いのは、おそらくTwitterだろう。げんにTwitterでは毎週、いや毎日のように何らかのリレーの宣伝ツイートが流れてくる。しかし、それらを見て「よし!行こう!!」となる人は、果たしてどのくらいいるだろうかーーー?

これについて僕は、期待するほど多くないという印象を持っている。というのも、Twitterは情報発信の範囲が広いぶん、リアルタイムの情報の拡散には向いているが、それだけ情報が溢れているため消費も早いからだ。せっかくツイートしても、情報の洪水であっという間に流されていってしまうのだ。

“いいね”や“リツイート”で宣伝元のツイートを“再浮上”させることもできるが、そういうツイートを再浮上させてくれる人の属性はごく限られている。そのリレー企画の出演者、あるいはその出演者のファンくらいしかいない。Spoonの弾き語りカテゴリの配信者界隈には特に顕著にみられる傾向なのだが、自分(の推し)が出演する企画以外には全く関心を示さない人がほとんどなのだ。それもまたSpoonの現状が“量産型リレー”ばかりであることを裏付ける証拠となっている。

もちろん自分の出る企画や自分の推し以外に興味ないという人に無理やり来てもらえばいいのかという話ではない。ただ、そういう身内ばかりでフォローやフォロワーが固められているようなTwitterで一生懸命に宣伝しても、期待するほどの宣伝効果はないということを言いたいのだ。

では、効果のある宣伝媒体とはいったい何なのかーーー?その答えこそがSpoonである。なぜなら、Spoonの企画である以上はSpoonのユーザーに向けているのが前提だし、Spoonの熱心なアクティブユーザーはまず間違いなくSpoonのイベントに関心を持つからだ。

「それなら弾き語り界隈と変わらないじゃないか!!」と思うかも知れない。しかし、それはあなたが井の中の蛙だからだ。Spoonの最も熱心なユーザー層というのは、弾き語りカテゴリにいるような人たちではない。もっと古来(2019年以前)からSpoonを“ラジオアプリ”として使ってきた人たちのことである。ある意味Spoon本来の使い方をしている人たちと言っても過言ではない。

彼らは、自分の配信のことをラジオ番組であるという自負を持っている。毎週あるいは毎日同じ時間に配信し、ネタを仕入れ、リスナーに面白く伝えることを常日頃から熱心に研究し取り組んでいる。ちょっとした気まぐれで配信したりしなかったりが左右されることはない。そのモチベーションの高さとDJとしての責任感は、弾き語りカテゴリの配信者とは比べ物にならない。

それはリスナーの性質にも同じことが言える。以前別のシリーズの記事でも書いたが、弾き語り界隈のリスナーは、Spoonを“SNS的な使い方”をしているため人との繋がりを求めてやってくる傾向にある。しかし、ラジオ界隈のリスナーは、人との繋がりよりもコンテンツ的な面白さを重視する傾向にある。すなわち、あなたのリレー企画が良質なコンテンツであればあるほど、そういう人たちから注目してもらいやすいということだ。そしてそういう人たちは、推しとか関係なく自分が良いと思ったものは惜しみなく宣伝に協力してくれるのだ。

『赤花フェス』は3つのラジオ番組とタイアップした。


もちろんTwitterもある程度有効な宣伝ツールのひとつであることには変わりないし、瞬時の拡散力という意味ではSpoonにも勝るものがあるため大いに活用すべきではある。しかし、自分の企画が本当の意味で良質なものであると信じているならば、ラジオ番組とタイアップした方が、Spoonというフィールドにおける広告戦略としてより有効であると思う。

企画としても本格度が増すし、番組としても良い宣伝になるという相乗効果がある。さらには、自分の居場所探しではなく、コンテンツそのものに魅力を感じてくれる良質なリスナーを確保できるという、まさに「三方よし」の関係性が出来上がるのだ。

こんなことを言うと、「古参老害のマウント取りかよ」と言いたくなる人もいるかもしれない。そう思うのは勝手だが、これまで何年も番組で良質なコンテンツを発信し続けてきた彼らの番組から協力を得られている企画と、そういう努力や分析もしないでいる怠惰なあなたの企画とで、どちらが1年後にもユーザーの記憶に残っている確率が高いかは明白である。比べるまでもなく前者だ。賭けてもいい。

さて、本記事で公式ストアについても書きたかったのだが、ものすごく長くなってしまいそうなので、独立した記事として次回にまわそうと思う。

<次章>

赤花フェス運営奮闘記⑤

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