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真の強者はプレミを恐れない

勝ちに不思議の勝ちあり、
負けに不思議の負けなし

失敗は人を成長させるといいます。しかし、できるだけプレミしたくないと思うのもまた事実です。TCGプレイヤーとしてプレミを回避したい心理は当然働きます。後天的な経験を通じて、さらに失敗を恐れるようになるといいます。

ロシアの心理学者ツァイガルニクの研究によれば、人間は成功したことより失敗したことを強く記憶する傾向があるようです。必要パーツを集めなければいけない盤面で、人は緊張状態にあります。達成するとこの緊張状態から解放されるため、盤面自体を忘れがちになるということです。学生時代に行ったテスト前の一夜漬けを想像していただければ容易かと考えます。今では少しも記憶していないはずです。逆に、盤面解決がうまくいかないと、緊張状態が長く続くため、記憶にも定着します。その失敗した苦い記憶が、トラウマとなったり、そのデッキを握ること自体を恐れてしまう要因になります。

基本的に人間というものは同じ失敗をしないようにできています。古来から自然界で死と隣り合わせに生活してきた生物のみが兼ね備えた防衛本能ということです。ここで過去に私が行ったプレミを紹介いたしましょう。

・デスカーンのソウルジャグリングでベンチのギラティナと間違えてデスマスをトラッシュしてしまう。
・カプ・コケコGXのエアロトレイルで勝ちの盤面でベンチの闘エネルギーを雷エネルギーと見間違える。
・アブソルがいる状態でジラーチにボードをつけて逃げて勝ちと判断してしまう。
・センジンノマイを使用する前にベンチを入れ替えてしまう。

大型大会やジムバトル、自主大会など、私は何度もプレミで勝利を逃しています。しかし同じ失敗は2度としていないのも事実です(センジンノマイを除く)。

前述した通り、人間という生き物は同じ失敗をしないようにできています。

では、成功体験はどうでしょうか。
例えばチャンピオンズリーグで勝てば決勝に進めるなどの分岐点の試合であったり、大会の決勝戦など、印象的な試合は覚えているかもしれませんが、あなたをそこまで導いた他の試合の勝利を、あなたは覚えているでしょうか?

無論、覚えていないはずです。人間は成功体験を記憶するように作られていないからです。

勝ちには不思議な勝ちもあります。「なぜかわからないけど勝てた」という運が絡む勝利も必ずあります。しかし「なぜ勝てたか」を考えないと真の強者には近付けません。

「なぜ負けたか」を考えないのは言語道断ですが、基本的に後悔は記憶に残ります。その先の「なぜ勝てたか」を振り返る。例えば「あの盤面で相手がサイドを取るのではなくバトル場にアロベトを縛ってきたらどうなっていたか」と、勝てた理由を突き詰め、そこからの分岐点を考えてください。

分岐点を考えるには、試合が終わった直後、緊張感から解き放たれ記憶がなくなる前に試合展開をメモしましょう。紙でもスマホでも構いません。勝った試合こそ忘れてしまうものですから。

真の強者に近付くために、一歩アナログに戻ってみるのも一つの手なのではないでしょうか。

問い合わせはTwitterまで
@kihi_pkmn

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