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ポエジーのかたち

「苦労して形になったものを僕は信用する。」

この言葉はビル・エヴァンスというジャズピアニストの言葉。

ジャズでは「即興演奏」が魅力のひとつであるが、

自由で軽やかで、

その場の雰囲気でアドリブをして、

クールに決めて

カッコイイ!!

というイメージがある。

ビル・エヴァンスの弾く曲は

どれも軽やかで、

しなやかな、

まるで乾いた落ち葉が

さらさらと風に吹かれて地面をかける、

そんなイメージが私にはあり,

聴いている私を

心地よい気持ちにさせてくれるのである。

そんな軽やかでしなやかな音楽を奏でることができる彼は,

きっと血のにじむような練習と

相当な苦労と

創作への強い執念がないと

こういう言葉は生まれてこないと言える。

彼は苦労を重ねてきながら,

試行錯誤を繰り返し

音楽を作り上げてきたということである。

しかし、

表現においては、

とにかく

「苦労」だけしていけば良い

というものではない。

彼はさらに言う、

「ジャズを

知性的な法則で分析しようとする試みには

うんざりさせられる。

そうではないんだ。

感覚なんだ。」

・・・と

なるほど。

苦労を重ね練習して

それなりに努力してきて

知性や法則をつけたとしても、

そこにfeeling(感覚)がそなわらないと

作品として成り立たない

と言うことなのだ。

そして,

それを絵画で置き換えていうと

その「感覚」とは,

ポエジー(詩)なのではないかと思っている。

絵画の世界においては、

このポエジーがないと,

どれだけ努力して苦労を重ねても,

それ(作品)で

人の心を動かすことができない

のではないかと

私は思うのである。

実は、

真理は逆で、

ポエジー(詩)を

形として表現するために、

努力して苦労を重ねて

作品を作るのである

と私は思っている。

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作品:「Play the Piano」 リトグラフ/紙 
きはらごう

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