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絵画〜千の言葉〜

A picture is worth a thousand words.

「一枚の絵は千の言葉に匹敵する」

アメリカの古いことわざだと

聞いたことがある。

ある状況について、言葉で説明するよりも

1枚の絵を見た方が、

その事柄についての理解が深まる

という意味で使われるという。

日本では、「百聞は一見に如かず」

ということだろうが、

この言葉について、もう少し考えてみたい。

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画家ベン・シャーンの言葉で、

『一枚の絵画には

数多くの要素

(修正したり、強制したり、制限したりして

イメージの最終の形を定める多くの要素)

が存在している。

これらは強力であり、

仕事をしているときの芸術家は

二人の人間

(イメージを作り出す芸術家と

峻厳な批評家と)

になっている。』

と言う。

芸術家として制作していると同時に、

その作品を

誰よりも厳しく批評する

批評家でもあることで、

作品に込める様々な気持ちや想いを

確かめながら、

制作しているということだと思う。

これは、芸術家に限らず、

また子どもや老人などの年齢に限らず、

どんなに拙い絵だとしても、

何を描いているか具体的なものが

さっぱり分からない絵だとしても、

そこには作者の気持ちや想いが

千の言葉のように詰まっているのだと考える。

そうでなければ、誰も絵画など

描こうとはしない。

言語化できない

気持ちや思いを

何とか表現するために

絵画(芸術)は存在していると言ってもよい。

言葉にできる一言だけを

表現するための絵画など、

この世には存在しないのだと。

だから、

一枚の絵画は

千の言葉や言葉にならない何かを

表現しているものであると、

私はそう思っている。

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作品:「モデル」金箔・インク・テンペラ/板
きはらごう

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