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食材コラム 〜10月のイチジク

こんにちは。シェフの喜八郎です。

今月はイチジクのお話です。
10月のデザートは黒イチジクの温製タルトです。

このイチジクという果物は僕の大好物の果物の一つです。
広島の実家に昔イチジクの木があったので、冬は木登りをして(イチジクの木は低く横に広がります)、夏はカミキリムシを捕まえて、秋は果肉を食べて、食べきれない分は、おばあちゃんがジャムにしてくれていました。

ところが大人になり、フランスで食べたイチジクに衝撃を受けました。
ヴィオレソリエスという黒イチジクで、皮が薄く、皮も一緒に食べられます。
甘味が強く香りが立ち、ねっとりとした食感がとても良く、一瞬で好きになりました。
日本でも福岡産の“とよみつひめ”は群を抜いた甘味で定評がありますが、
なんと、新潟の佐渡ヶ島と佐賀県でヴィオレソリエスが作られていたのです。フランス同様、完熟し始めると口から蜜を出します。

グラースでは、築地市場で取扱いのある佐賀県産を使用してます。
パートシュクレの上にフランジパーヌのクリームを塗ってオーブンで焼き上げ、その上にくし切りにしたヴィオレソリエスを並べてオーブンで温めます。
表面に砂糖をふりかけバーナーで焼き色をつけます。

イチジクと相性のいい、ロックフォールというブルーチーズをアイスクリームにして添えました。
ねっとりと甘いヴィオレソリエスと、塩っ気の強いロックフォールはとてもいい組み合わせだと自分でも思ってます。

こちらも、お店でとても人気のあるデザートでした。
イチジクの季節になると、これを楽しみに来店してくださる方もいたぐらい。

私自身も大好きで、今でもヴィオレソリエスを見るとこのタルトを思い出します。
イチジクとロックフォール、ぜひお試しを!

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