「クリスマスに備えて読む本」おすすめ三冊

こんにちは、ぱんだごろごろです。
今日は、クリスマスに備えて読む本、定番の三冊をご紹介します。

昔は、12月になると、日本では、

バレエ・・・「くるみ割り人形」
舞台、TV番組・・・「忠臣蔵」
コンサート・・・「ベートーベンの交響曲第九番」

の三つが、必ずどこかで目にする、耳にすることが出来る、という定番ものでした。
今は大分事情が変わっていると思いますが、それにしても、12月と言えば、クリスマス、と反射的に連想する方は多いでしょう。

私は、11月も終わりになると、アドベント・カレンダーの準備を始めるのと同じ感覚で、クリスマス用の本を三冊、用意して、折に触れ、読んでいたものです。
自分の中で、クリスマス気分を盛り上げようとしていたのでしょう。
三冊目は、入れ替わりがありましたが、一冊目と二冊目は、不動の地位を誇っております。

①「クリスマス・プディングの冒険 」アガサ・クリスティ
②「水晶」アーダルベルト・シュティフター

③「毛糸よさらば」ジル・チャーチル

①は、エルキュール・ポアロものの中編小説で、いかにもクリスマスに相応しい、楽しい内容に仕上がっています。
クリスティ自身が、自分の子供時代のクリスマスを思い出しながら書いた、と言うだけあって、イギリスの古き良き時代のクリスマス気分を味わうことができます。
クリスマスのご馳走のすばらしさ、部屋の飾り付けなど、何度読んでも飽きない作品です。

実は、もう何年も前のことになりますが、この作品に触発されて、フォートナム・アンド・メイスンのカタログから、クリスマスの時期になると、紅茶やチョコレートの詰め合わせ、本物のクリスマス・プディング、陶器(ヘレンドのボックスなど)や数種類のクッキーなどを取り寄せていたことがあります。
送料がかなり高くかかるので、限度いっぱいまで注文したため、横浜の税関から呼び出されたこともありました(あまりに量が多いので、個人の買い物ではなく、業者ではないか、と思われたらしいのです。確かに、届いた紅茶は、知り合い全員に配れるくらいの量がありましたし、チョコレートの箱は、夫が見て、「これを全部食べる気なのか!」と驚いたくらいの巨大さでした)。

クリスティの長編小説には、「ポアロのクリスマス」という作品もあるのですが、これは少々陰惨なところ(殺人事件)があるので、私はこちらの、殺人事件のない、楽しい事件の方がお気に入りです。


②の「水晶」は、秋の感想文にも書いたくらい、永年に渡って愛読している短編小説です。
最初に読んだのは、子供向けの全集の中の一冊で、「水晶」の他に、シェークスピアの「ロミオとジュリエット」と、ストウ夫人の「アンクル・トムの小屋」が入っていたように思うのですが、今となってはさだかではありません。
兄妹の健気な可憐さと、お祖母さんの孫を思う姿が切ないのです。
お祖母さんは、クリスマスに自分が孫に会いたいと言ったばかりに、孫達を危険な目に合わせてしまった、とさぞ自分を責めただろうな、とか、コンラートは優しい子だから、お祖母さんのコーヒーのおかげで、僕たちは助かったんです、とお祖母さんに言ってあげて、お祖母さんの自責の念を和らげようとしただろうな、などと想像していました。


③は、横溝正史の「悪魔の降誕祭」や「扉の影の女」を読んでいた時期もありましたが、ここ数年は、ジル・チャーチルの「毛糸よさらば」を楽しんでいます。
子供たちが幼稚園児だった頃のバザーや、その後の中学や高校時代の文化祭のバザーを思い起こさせてくれる、作品です。

主人公は、シカゴに住む、主婦探偵のジェーンです。
三児の母親で、夫を事故で亡くした未亡人ですが、明るくて前向き、家事の腕前はそれほどでもなくおっちょこちょいなところもある、という親しみやすさ、でも殺人事件が起こるとがぜん名探偵振りを発揮します。

このシリーズの何よりの魅力は、ジェーンの隣家に住む親友シェリイの存在だと思います。美人でおしゃれで家事も完璧、子供たちの成績も優良なシェリイは、ジェーンにとって、腹を割って何でも話せて、相談できる存在です。
ジェーンが探偵役の時は、頼りになるワトソン役、といったところで、シェリイは、女性にとって、こんな親友がいたら、という憧れの存在なのです。


まとめます。
クリスマスが近づいて来ると、つい読みたくなる本、三冊をご紹介しました。
①「クリスマス・プディングの冒険 」アガサ・クリスティ
②「水晶」アーダルベルト・シュティフター

③「毛糸よさらば」ジル・チャーチル
皆様も、ご自分のお気に入りのクリスマス本をお楽しみ下さい。

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