その『いびき』、心配？心配ない？【きごクリニック新横浜】呼吸器④
きごクリニック新横浜です。
突然ですが、みなさんは『いびき』をかきますか？
『いびき』の多くは家族など人から指摘されて気づくものですが、気になって「いびき 病気」と調べてみると「睡眠時無呼吸症候群」、「突然死」などと書いてあって怖くなった経験をされた方もいると思います。
『いびき』の原因
いびきは、呼吸した時に狭くなった喉を空気が通過する音が鳴ることが原因です。
眠っているときは喉を支える筋力が落ちるのでいびきをかきやすい状態になるのですが、
①顎が小さい人や肥満の方、口蓋垂（のどちんこ）が大きい方
は体格的にも喉が狭くなりますし、特に肥満では舌が肥大することでより一層に喉の通りが悪くなります。
②睡眠薬を飲んでいる場合、飲酒している場合、
これらは脱力の状態になるので喉が狭くなります。
③また加齢や更年期以降の女性ホルモンの低下、
は喉を開く力が低下する原因となります。
④その他に、風邪をひいた時や副鼻腔炎、鼻中隔湾曲症（鼻が曲がっている）場合などでも口呼吸となりやすく、舌が落ち込みやすいのでいびきをかきやすいです。
心配な『いびき』とは？
結論から言うと一時的な原因の『いびき』はおおむね問題ありません。
風邪を引いた時だけに出る場合などです。
一方で、ほぼ毎日のようにいびきをかく方はまず原因を特定して、程度を計測し、治療を考えたほうが良いです。
と申しますのも『睡眠時無呼吸症候群（SAS；sleep apnea syndrome）』と呼ばれる状態になっていた場合、寝ている最中の出来事なので本人は何も症状を感じていないままに将来的な心筋梗塞・脳梗塞リスクが約3-4倍に跳ね上がっていることがあるからです。
いびき患者さんの多くは、
・日中の眠気がある、
・寝不足とだるさがある
などの症状がある場合に来院されるので、
『いびき』のみで生活に支障が場合は受診されないケースが多いですが、
知らない間に将来の病気のリスクがどんどん上がっている可能性があります。
『いびき』の治療とは？
いびきの治療と聞くと人によっては、
いきなりCPAP（シーパップ 経鼻的持続陽圧呼吸療法）を想像する方もいらっしゃると思いますが、
それは程度によるものであり、寝酒を控える、減量するなどの生活習慣改善や、鼻の治療、マウスピースの着用で改善する場合もあります。
また自費診療ではレーザーによる治療もありますが、いまだに効果は一時的で永続しないと言われています。
毎日続く『いびき』を指摘されたら/感じたら、
まずは受診して原因の特定すべく検査を受けましょう。
それが将来的な自分のリスクを知り、早めに手を打つことができます。
毎日続くいびきを指摘されたら/感じたら、
男性では約3-7人 / 100人ほどの割合で多くは40-50歳代、
女性では約2-5人 / 100人ほどの割合で50歳以上に多いといわれる、
『睡眠時無呼吸症候群』になっているかなっていないかをぜひ検査しましょう！
きごクリニック新横浜
木越 宏紀
院長 木越 宏紀
（日本呼吸器学会認定 呼吸器専門医）
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