2024年10月公表のカナダ銀行ワーキングペーパー。原題は「Monetary Policy Transmission amid Demand Reallocations」で、著者はJulien Bengui, Lu Han, Gaelan MacKenzie。
以下はその要旨。
(拙訳)
パンデミック初期にみられた財支出とサービス支出の割合の大幅な振れは、インフレ率の急騰につながり、金融政策にとっての新たな課題を投げかけた。我々は、雇用の上方調整に係る摩擦を特徴とした複数セクターモデルを用いて、インフレと生産の反応に関するセクターの異質性に着目しつつ、需要のリアロケーションが生じていた期間における金融政策の波及効果について分析した。予期しない引き締め的な金融政策ショックの後、(制約を受ける)拡張中のセクターが値下げによって最初に反応した一方、(制約を受けない)収縮中のセクターが生産をより大幅に減少させた。総計値でみると、大部分のセクターが拡張中または近い将来拡張するだろうと期待している時に、金融政策がインフレ率を抑え込む効果が最も高まる。