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 学校がある日のわたしの朝は、決まってバタバタと支度をするところからはじまる。
朝起きるのが苦手で、余裕を持って優雅に準備することなどありゃしない。もちろんそうするのが理想だが、少しでも寝ていたいという欲望の方が圧倒的に勝ってしまう。
時間がないあまり、本当はよくないけれど 朝ごはんを5分から10分、はたまたそれよりも短い時間でかきこんだり、意味のない短距離走をしながら準備したり。だから、家の中はなかなかに忙しないのだ。

 でも、朝のからっとした、しんとした空気はとても好きだ。車も人も少ない時間だと より その空気を味わえる。バス停までの道のりやバスを待っている間、おいしい空気を胸いっぱいに吸って、周りに人がいないことを確認した上で 頭の中に流れている音楽を口ずさむ。
そうして気分をあげるのが私流。

なんてちょっとかっこつけてみたけれど、もちろん気分が晴れないこともあるので毎日というわけではない。

 1限始まりの日に、わたしが乗るバスは6時12分。
この時間だと割と空いていて、見慣れた顔ぶれが揃う。特にいつも同じところで降りる人たちは、大人の方ばかりで烏滸がましいが、勝手に同志のように思っている。見ない日がちょっと続くと「最近どうしたんだろう」「乗る時間変えたのかな」とか思うし、帰りのバスでもお見かけすると、心の中で「お疲れ様です」と言ってしまう。

 そして、いつも利用する駅の駅員さんはそんなに人数が多いわけでもないので、知らず知らずのうちにみなさんの顔を覚えている。毎朝、おはようございますと挨拶するのは、当たり前のことだとしても
なんだか気持ちがいいものだ。
そういえば、いつも定期を見せる時に 挨拶に加えて行きは「行ってらっしゃい」、帰りは「お疲れ様でした」や「おかえりなさい」と言ってくださっていた駅員さんを今年度に入ってから見かけない。
くたくたになって帰っている途中にかけられた言葉で何度か救われた。
久しぶりにお会いしたいなあ
それに、笑顔がチャーミングで いつもニコニコして送り出してくれる素敵な女性の駅員さんにお会いした時は、それだけで癒される。笑顔がすてきって とても良い。朝の切羽詰まった空気が少し和らぐ
感じがする。


 さて、今のこの時期の朝はいい具合に涼しげで風が心地良いが、冬になるとまだ日が出ていない時間のため、バス停までの道のりを「星が綺麗だね〜」「あれはオリオン座だ」「今日満月じゃん!」なんて言って天体観測しながら歩いたり、「なんでまだ夜なのに家出ないといけないの」と愚痴ったりして眠い目を擦りながら家を出る。
からっとしていたり、ちょうど朝日が綺麗なときだったり、夜のようだったり…同じ時間のはずなのに、季節によって景色や明るさが全然違って面白い。
同じ道を昼に通れば、木に止まっている大勢のすずめ達が大合唱していることもあるし、夜遅く通れば暗くてちょっと怖い。同じ場所でもいろんな表情をみせるのだな〜となんとなくそんなことを思いながら登下校する日々だ。

 わたしが通っている大学は 自宅からかなり遠方で 言ってしまえば毎日県を跨いでいる。一人暮らしをするというのも考えたのだが、意外とこの小旅行のような登下校の方がわたしには合っているのかもしれない。どんなに行きたくなくても、朝はバタバタしすぎて行きたくないなどと考える余裕もなく家を飛び出すし、長い移動時間はその時の気分に合う音楽を聴いたり好きな動画を見たり本を読んだりして心を整える。眠い時は乗り過ごさないように気をつけながら寝る。
テスト前はそうはいかないけれど、この時間がわたしにとってはもう必要不可欠だ。

 遠方な故にできないことがあるとすれば、バイトと部活だろうか。金欠を防ぐためにも、社会勉強のためにも働きたい。でも今の生活でバイトをするには長期休暇だけの短期バイトが精一杯といったところだ。今年の夏は何をしようか。ぼちぼち探し始めていかなくては。

部活は、かなり夜遅くまであるのがほとんどらしく 帰りが遅すぎると次の日に響くため、それは諦めて今年からできた手話サークルに入った。まだ少し齧っただけで何もわかっていないが、手話はとてもすてきな言語だ。これからどんどん勉強していきたい。そしていつか役に立つ日がくればいいな…と夢みている。



そんなこんなで 今日の朝 電車に揺られながらふと思い立ち、何気ないわたしの朝事情を登下校の移動時間に書いてみた。久しぶりのnote、執筆は難しいけど楽しい。(執筆ってことばの響き、なんかかっこよくて好き。)
あ、もうそろそろ最寄りのバス停に着きそうだから今回はこの辺で。みなさん今日も一日おつかれさまでした!


追伸
写真はとある日の朝。バス停より


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