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男児のフィジカル、女児のメンタル

成長が遅い、発達が遅い。子育てをする親にそういった心配は尽きない。
最終的には「成長は人それぞれ」と腹を括るしかないが、それでも子の心配をし、成長に(時に過剰に)期待するのが親というものだ。

そんな私たちに安心と諦めを提供する話をしたい。

子どもというのは基本的にずっと「早熟が有利」なだけであり、家庭環境や子どもの才能や努力はあまり関係ない。いわゆる親ガチャもクソもない。

その一方で、そんな幼年期〜青年期の最強カードである早熟は、大人になってからはクソの役にも立ちやしない。

小さいころから習い事や郊外活動や海外旅行などで鍛えてきたセンスや教養が、真の意味で花開くのはだいたい受験モードに入ってから高校卒業付近あたりになる。どれだけ投資しても青年期までには回収できないものなのだ。それまでは先取りボーナスを少々享受しているに過ぎない。そんなものをゴールにしてはいけない。

だいたい幼稚園から中学までのあいだに、男児は人より背が高くなれば有利で、女児は人より精神的に成熟すれば有利。ただそれだけだ。スポーツの才能も学力も、高校を出る頃まではまったくアテにならないと思っていい。

そんな単純なものではない。自分はこうだった。と言いたくなる気持ちは分かるが、もういちど冷静に自分や子どものことを振り返って欲しい。

「人生うまくやってきた方だ」と思う男性は、人よりガタイがよかったか運動神経が人よりよかった自覚があるのではないか。

「人生うまくやってきた方だ」と思う女性は、仲のいい友達と楽しく過ごす一方、トラブルメーカーの同級生たちに「なんであんなことしちゃうんだろう」という怒りとも軽蔑ともつかないモヤモヤを感じてこなかっただろうか。

なので、男児にできることはメシをたらふく食わせて外遊びやスポーツをさせること。女児には趣味を増やして社交性を身に付けさせること。これ以上は必要ない。
あとはせいぜい、洗濯物をパリッと清潔に保ってやりつつ、第1次性徴から反抗期までの間にムダ毛の整えかたと服の選び方を教えてやるくらいのものである。

ピアノをやらせたければやらせればいいし、ディズニー英語システムを買いたければ買えばいいし、サピックスに入れたければ入れればいいが、それはあくまで早熟ボーナスのためだと割り切れないとダメだ。あなたの子どもに才能なんてものはない。ガッカリするか燃え尽きるだけなので、夢を見ても見させてもいけない。



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