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食物アレルギー?食べたら口の周りが赤くなった!

食事の時、食事の後、お子さんの口の周りが赤くなってしまって、「食物アレルギーかも」と、ご心配になる方は少なくないでしょう。実際、病院にはそのような方がよく受診されます。

その「食事の時の口の周りの赤み」をどのような考えれば良いかですが、まずは、その赤くなった時の食事の内容が「今までに充分に食べられていた食物だけ」の場合は、「皮ふに付いた刺激で赤くなった」だけなので、ご心配いりません。その場合は、下記にその後の食事の進め方をご説明しますが、そのまま食べ進めて頂いて構いません。

食事で口の周りが赤くなった場合に、「今までに食べたことのない食物」が含まれている時には、食物アレルギーなのかどうか、少し考えないといけません

お子さんの症状が「口の周りの赤みだけ」「食物が付いた場所の赤みだけ」「顔だけの赤みの場合」(=服の下など食物が付かなさそうな場所には赤みが無い場合、首から上だけの赤みの場合)で、かつ、「咳き込みや腹痛などの皮ふ以外の症状が無い場合」には、「付着しただけの症状」の可能性が高く、もう一度同じ量(もしくは少し減らした量)で食べてみることを試してみると良いでしょう。それ以外の場合には、食物アレルギーの可能性がありますので、受診して相談されると良いかと思います。

そもそも、食物が付いて赤くなるということ自体がアレルギーとは関係なくただの皮ふへの刺激だけのこともあります(ヨダレかぶれ、汁物で赤くなるようなイメージに近いでしょう)し、「軽い局所のアレルギー反応」ということもあります。食物が付いて赤くなることは、大きな意味では「食物アレルギー」とも言えますが、付いた部分だけの赤みやじんましんであれば、すぐにその食物を除去しないといけない訳ではありません。要するに、軽い食物アレルギーで「食べても大丈夫だけど付着による局所の赤みは出る」のか、「食べる量を増やしていくと症状が出る」のかは、その後食べ進めていかないと判定出来ません

出来れば、今度は皮ふに付かないようにする、ワセリンで口の周りをバリアしながら食べてみる、食べ終わったらすぐに口の周りを拭く、などして、全身の症状が出なければその量はOKです。

*ご心配な場合はぜひアレルギー専門医の先生に受診頂くと良いかと思います。食物アレルギーにあまりお詳しくない先生であると、過去に食べれていた食材であっても、付いて赤くなっただけでも、完全除去にするように指示される場合があります。

また、皮膚に付くことによる影響の場合、粘膜を介した局所の反応の場合は、「比較的早く症状が出る」=「多くは30分以内」となることが多いです。一方で、腸から吸収されてその後症状が出るような「局所以外の症状」は、食べてから消化・吸収されて、その後に全身的に症状が出ることが多いため「30分以降のことが多く」なります。もちろん、超重症のお子さんで、全身症状が早く出ることはありますので、注意は必要ですが、一般的な症状の出方だと、そういう時間経過も参考になります。

その局所の軽いアレルギー反応だけ=付いた部分が赤くなっても全身症状が出ずに食べられるという場合は、食べた際にはしっかり消化器官においてタンパク質を消化したり、腸のバリアでブロックしたり、または、「その食物が敵ではない」とアレルギー反応を抑える別の免疫システムでブロックしたりして、アレルギー症状を起こさずにいられるということになります。つまり、皮ふに付いた場合以上に、食べた場合の方が免疫反応をブロックする様々な機能があり、その結果、食べても大丈夫、全身症状は出ない、ということになります。

逆に言うと、皮ふや粘膜にはアレルゲンの攻撃をブロックする機能が少なく、特に粘膜に、例えば、アレルゲンが目に入った場合などには、かなり腫れることがあります。ちなみに、もともとアレルギーのあるお子さんがある程度食べれるようになっても、少量食べた時に「食材が付いて赤くなる」という反応がしばらく残ることはよくあります。

話を戻すと、少ない量を食べただけであれば大丈夫でも、食べる量が多くなると全身のアレルギー症状が出る」という可能性が充分にありますので、その後に食べる際には、「少しずつ慎重に増やしながら確認」していく必要があります。いきなり大胆にたくさん増やして食べると、ひどい症状が出て危険となる場合があります

「じんましん」と「皮ふの赤みや湿疹」との違いについては、こちらも参考になろうかと思います↓


また、少しずつ食べ進めるコツにつきましては、僕のnote記事、「アレルギーに配慮した離乳食の進め方」、こちらをご参考にしてください↓


「吸収されて出る症状=全身の症状」=体にじんましんが出る、腹痛、ぐったりなどの症状が出るような場合は、食物が口から入って腸から吸収され、全身に廻って症状が出ていると考えられますので、食物アレルギーとして、「その量は除去」しないといけません。

基本的に、食物アレルギーは食物のタンパク質で起こります。少ない量は大丈夫でも、多く食べると症状が出るということがあります。こちらの記事をご参考にしてください↓


また、これまで食べられていた食物だけ食べてじんましんが出た時、特に気になる引き金がない時は、「特発性じんましん」の可能性があります。下記記事参照してください↓


まとめ

✔️まずは大丈夫、少しずつ増やしながら確認:
・付いた部分だけの皮ふの症状
(顔だけの場合は多くは付いたことが原因)
・それまでにその時より多い量を問題無く食べれていた

✔️食物アレルギーとしてその量は除去すべき:
・付いてない部分の皮ふの症状がある
・腹痛や咳などの皮ふ以外の症状がある

✔️口の周りが赤くならないようにする対策:
口の周りが赤くならなければ、ご心配も減るでしょう。

・ワセリンで口の周りを保護
・食事が口の周りに付かないように気をつける、食事付いたら早めに拭く、手を洗う

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