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書物の転形期:和本から洋装本へ

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このエッセイでは日本で洋装本が登場してから定着するまでの時期、すなわち十九世紀後半から二十世紀初頭までを対象として、書物の技術と当時の新聞広告や目録の記述などとを照らし合わせつつ…
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2020年8月の記事一覧

書物の転形期05 洋式製本の移入2:幕末の洋装本

蕃書調所・洋書調所・開成所の洋装本  1856年、蕃書調所は江戸幕府によって「西洋情報や技術の翻訳・移植直轄機関」( 宮地正人「混沌の中の開成所」『学問のアルケオロジー』東京大学出版会、1997)として設立された。蕃書調所は数多くの洋書を備えるとともに、「活字所」を調所内に開設し、スタンホープ印刷機を使った活版印刷で教本や辞書を翻刻していた。蕃書調所とその後継機関である洋書調所(1862)・開成所(1863)の出版物の多くが洋装本である。福井保『江戸幕府刊行物』雄松堂、二版1