『ブルーマウンテン』 第三週 《ココロの叫び》vol.15
【登場人物】
谷崎 涼真/25歳
カフェでバイトをしている。
いつか、自分で店をオープンするために修行中。
嶋田 樹(いつき)/20歳
大学生。両親は有名な俳優。
幼い頃から世話係に育てられ、親の愛情を知らない。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
涼真:
『もう一度、柔らかさを…確認してもいいか』
樹:
『どうぞ』
涼真:
俺は、再び、樹にキスをした。
やっぱり、あいつの唇は、柔らかかった…
樹:
『涼真さん…』
涼真:
『ん?』
樹:
『僕で、良かった?』
涼真:
『…ああ、まあな…』
樹:
『うん…』
涼真:
『他のヤツなら、受け入れられなかったかもしれないけど』
樹:
『…』
涼真:
『おまえは…なんとなく、昔の俺に似ている気がして…なんていうか、親…特に、母親の愛に飢えていたんじゃないかって…
だから、俺が、その隙間を埋められるならって、思って…』
樹:
『涼真さん…』
涼真:
樹は、俺に抱きついた…
声は出さなかったが、泣いていた。
俺は、そっと樹を、抱きしめた…
孤独だった、あの日の自分のココロを抱きしめるかのように…
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