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日記

2023.6.9(金)

ただの小売店の店主の日記。備忘録。

小雨のち曇り

週末は大雨という予報を聞きながらびくびくしていたものの、案外早くに雨足は弱まり、出勤時にはパラパラという感じ。出勤準備をしていると開店時間一番のご予約がシステムから入り、お名前を確認すると数年前にご来店いただき、海外赴任されたお客様で楽しみ。

ワクワクしながらお待ちしていると、変わらない感じで入店いただいて、「覚えていますか・・?」とおそるおそる聞いていただける。もちろんお名前に見覚えはあったし、過去の購入の際に細かくやりとりをした方だったので記憶にはあったのだけれども、顔を見てお話をした途端に色々思い出すものですね。「ご無沙汰しております!」を偽りなく言えるこの嬉しさよ。記憶力の悪い私にしては、エピソードをいくつかお話できてご安心いただけた様子。コロナでなかなか帰国できなかった話など、また新しい話題に花を咲かせながら、少しずつ思い出を共有できるのが楽しい時間。

一通り、目的の生地など決まったところで、一組のご夫婦がご来店。「先日お電話したんですけど~お出にならなくって。。とりあえず来てみたけど開いててよかった!!」とおっしゃっていただけるものの、生地を見るスペースはご予約の真っ最中で、両方のテーブル全面に生地を積み広げていたので、ご案内ができる状態ではない。ひとまず、現在はご予約が必要な旨ご説明し、本日のスケジュールなどお伺いする。美術館に行った後でもお寄りいただける時間があるとのことで、夕方のご来店に変更していただけて一安心。知らない番号の電話はほぼ営業電話だし、万一、お客様の問い合わせだったとしても、結局調べて折り返ししなければいけなかったり、言葉では説明ができなくてメールで写真を送ったりする必要があるので、ネットには公開していないし、一切出ないようにしているのだけど、ごく稀に、ホームページをご覧いただけなかったり、メールの使えないお客様がいらっしゃって、(恐らく発送品の伝票に記載した電話番号を使って、)年に1回ぐらいこういうことが起きる。

では、生地をいつでも見れるようにすればよいのではというと、店が狭いので以前のように両側に吊るして中央に既製品を置いていると、生地を広げるスペースがなく、デザインをゆっくり見ることもままならない。2組のお客様がバッティングするだけでカオスになり、そこに一見さんが既製品を購入しようものならレジ前で私が大テンパリし、商品を入れ忘れたりお会計を間違えたり。色々失敗してご迷惑をおかけしてきてどうにかしたいなと、ここ数年、試行錯誤をした結果、既製品を見るコーナーと生地を見る平置きの棚コーナーをわける現在のレイアウトが一番おさまりが良かったのですよね。ゆっくりと生地の組み合わせなども見ていただけるし。作品を持ち込んで小物を合わせてもらえたりもするし。ふらっといらした既製品目当てのお客様にも余裕で対応できるし。

電話は過去の経験上、本当に時間の無駄にしかならないので、何とかみなさまにもLINEまでは使いこなしていただけると大変助かるのだけどな。。と他力本願でついついスルーしてしまう。個人が気軽に導入できるAI自動応答アプリはないものかなぁ。

そんなわけで、その後ふらっといらしたお客様との会話にいそしんだ後、戻っていただけたお客様とスカート用生地を色々と検討。お好みもなんとなく把握でき、数年間の距離も少し縮まったかな。良いスカートになりますように。

本日最後のお客様は店頭のカットクロスを見てふらっとリピートされた顧客。作家さんがジュイ生地で作ったノートカバーを気に入ってくださって、「今日は布はいいかな~と思ったけど、このカバー作ってみたいからやっぱりこれ買おうっと」とのこと。どの生地も、仕立てられたものは違う表情をのぞかせて、素敵さが数倍にもなるんですよね。作家さんが組み合わせる金具や小物のセンスでまたさらに倍。積まれているだけでもほっこりするけれど、無限の可能性を秘めた原石がデビューしていく様をまだまだ見続けていたいものです。

さて、今週の土日は定休日。ゆっくり休もう。

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