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【読書録】「ティール組織」の源へのいざない

どうも、きどっちです。
いつものnoteと違って、今回はめずらしく読書録をnoteにしていきたいと思います。

初回となる今回は、こちらの本です。

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現在、社会人インターン兼プロボノで一つのプロジェクトに関わっているホームズビーの代表理事の嘉村賢州さんと天外さんの書かれた本です。

本を読むのがニガテ(遅い)な僕ですが、印象的だったフレーズと共にご紹介したいと思います。

※120ページくらい読んでから、気になるフレーズを拾いはじめたので、このnoteでは前半がご紹介できません。


(1)そもそもこの本はどのような本なのか?

改めて著者は、別noteでもご紹介している嘉村賢州さんと、元sonyの上席常務だった天外さんの共著です。

2018年1月に英治出版さんから出版された「ティール組織」から日本で広まった新しい組織論。
ただ急速に広まったことで、一部では浅い理解になってしまっていたり、「うちは階層構造を取っ払ったからティール組織です!」みたいなブランディング的な使われ方をすることもあったそうです。

そこで、正しい理解(例えば「ティールは目指すものではない」とか「フラットな組織=ティール組織でもない」とか)をすることと同時に、ティール組織の原著版の著者であるフレデリック・ラルー氏の、その深い理解とやさしさを伝えるために、この本を出版されたそうです。

内容は、2019年の1〜3月ごろに経営者向けの天外塾のなかで開講された嘉村塾の内容がベースになっています。


(2)「ティア1にいくとまず選挙に絶対出ない。政治が社会の進化で一番最後」

これは天外さんの発言です。

ティア1とは、人の発達段階のなかでも手前の層に位置します。とはいえ、現代社会ではほとんどの人がティア1に属しているようで(たしか95%以上の人がティア1とか、それくらいのパーセントです。うろ覚えでごめんなさい。)、その次のティア2にいくと、自分のなかのエゴや衝動的な言動が極めてなくなる精神状態のようなものをイメージいただけるといいと思います。

経営者の変容からスタートする組織変革では、このティア1からティア2への変容をすることが、必須とまでは言わないかもしれないけどかなり重要だと。

その文脈で、天外さんがおっしゃられた「ティア1だとまず選挙に出ない」発言。これはインパクトがあるものでした。


(3)「責任感って湧き上がってくるもの」

これは、権限委譲の文脈で話されていました。
よく「自由を与える代わりに、責任もともなるよ」といいますが、そうやっても責任感って身につかないことが多いそうです。

よくあるパターンとしては、

①それなら自由はいらないよ(上司が決めたことをやりますタイプ)
②はい。責任感大事ですよね…でも裏ではやらされ感と悪口合戦(表向きは合わせて、裏では不平不満タイプ)

このあたりが多いそう。

そもそも、他人の責任感ってどんなに頑張っても変えられない。「責任感って湧き上がってくるもの」だと思うんです。と嘉村さん。

責任感以外にも、「感謝」と「思いやり」と「主体性」なんかも湧き上がってくるものだと考えているとのことです。

自由とセットで責任を持ってもらうのではなく、自由を発揮するために調整をしていくことが重要かもしれません(そのように一例として紹介されていました)


(4)ツールの導入と「いい加減さ」の兼ね合いが大事

よく「情報の透明化」をしたら、こんなに良くなった!というネットの記事をみます。社内の給与を全公開とか、役員会議や経営会議の議事録も社内に公開しているという企業の話を聞くことも多くなってきました。

そこで、社内の情報の透明化推進がいろんな企業で行われはじめているのだと思いますが、ツールを導入して見える化を進めすぎても弊害があるようです。

例えば、余計なタスクまでどんどん見える化され、それに役割が割り振られる。しかし、元々得意じゃない業務だし、やる意味あるの?と思っているタスクだとなかなか取り掛かれない。そういうしているうちにどんどんタスクが溜まっていき、ストレスになる。

他にも、業務として明文化していなかったものを細かにタスクにしたことで、仕事に追われるようになったり。しかも、見える化したことで上長から「なぜやらないのか?」「どうなってるんだ」なんて言われるとストレスですよね。しかも人事評価にも影響しかねない。なんてことも考えられます。

そこまで重要じゃないと思うタスクは、ある程度いい加減さのなかで淘汰されていくのも一つの手なのかもしれませんね。


(5)「恐らく、採用段階でオレンジが選ばれなくなってくる可能性は出てきますよね。そこから一気にスピードアップだと思うんです。」

今の30代40代に人は、優秀な中間管理職から辞めていく傾向が強いそうです。
その年代の感覚がそうなんだと思いますが、オレンジ組織のように専門性が高いことや成果を上げていることが評価され、だめになったら部品を交換するように人を採用していくシステムで会社経営をしている組織だと、やっぱり「俺はなんのために働いているんだろうか?」と思いますよね。

20代の若者も、利益や成果も大事だけど、もっと自分の成長や自分に合った仕事をしたいと思っている世代だと思います。

10代の若者が社会に飛び出す5〜10年後は…。もうどうなってるんでしょうね。笑
このあたりは、引き続き考えていきたいと思います。


この言葉の大事なメッセージは、「ティールは目指すものではないけど、社会の変化、主に未来の仲間である10代を中心とした若い世代から選ばれなくなる可能性が高い。そのときあなたの会社はどうしますか?」ということなんだと思います。


(6)トナカイの着ぐるみを着た上司に対して取引先から怒れたことを受けて「誤解した相手と取引しなきゃいけないの?」「その客と取引を辞めたら、本当のお客さんはもっと増えるかもしれない。」

これは、ハッとしましたね。
この感覚は、常に持っておきたいところです。

話の流れは、スーツについて。

オレンジだとスーツが当たりまえ。ネクタイは剣を表し、強さや男性らしさの鎧をまとっている。グリーンはポジティブの鎧。という話から。

塾参加者の方の過去の経験で、クリスマスの日にトナカイのかぶりものをかぶってクライアントへ訪問をしたあと、相手の方から「二度と課長が来ないようにしてください」とお叱りを受けたそうです。

これもやっぱり「怖れ」。
自分たちの仕事でも、やっぱりスーツをやめることができない。という思い込みや常識にしばられているから。
もし相手を怒らせてしまったら案件に影響するという「怖れ」からきているというのです。

ただただ同意することは簡単ですが(この場合だと、「そうですよね〜、スーツじゃなきゃいけないときもありますよね〜」と返す)、それってやっぱり怖れじゃないの?そのお客さんと取引を辞めたとしたら、本当のお客さんとの取引は増えそうにない?と問いかけれるようになりたい。

そう強く思うフレーズでした。


まだあと倍くらいは響いたフレーズがあったのですが、今回はこのあたりで。また刺さった本があれば、読書録として残していこうと思います。


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