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収入減、外にも出られず……どういうメンタルでこの時期を乗り越えるか

働き方改革が進められる今。みなさんの働き方には、何か変化が起こっているでしょうか? そもそも、どんなふうに改革されれば、みなさんはもっと豊かな働き方ができると思いますか?

このコーナーでは、「働き方」に関するさまざまな話題を取り上げて、「幸せな働き方って何だろう?」ということを考えていきたいと思っています。

■みなさんは、ストレスにどう対処していますか?

緊急事態宣言が39県で解除されました。残る8都道府県も月末を待たずに解除される可能性もあると言われていますが、新型コロナウイルスが消え去ったわけではなく、「ある」前提で私たちは動いていかなくてはなりません。

メディアでは、この期間に経営が苦しくなった自営業者などの声がたくさん紹介されていましたが、多くの人は「まだ生活はできるけれど、お金が少なくなってきて心配」という状況ではないでしょうか。

私も4月には、一時期銀行預金の残高が258円というワンコインにも届かない額になり、思わず笑ってしまいましたが、何とか家賃や生活費などは払える綱渡りの状態を続けております。そういえば今月も一瞬、755円という数字を見たな……(笑)。

さて、こういう状況でみなさんストレスも溜まってきていることと思います。外に出られないストレスもあるでしょうし、お金が減っていくということはたぶん、すごく強いストレスになるのではないかなと思います。

本当に家賃や生活費が払えないという方は、すぐに給付金などの支援を受けるようにしてほしいですが、そういう状況になくても、もう何だかつらいという人や、なんとなく鬱屈した気分になっている人も多いのではないでしょうか。

みなさんは、そんなストレスをどのように回避されていますか?

※困っている方はこちらをチェックしてください!
「生活を支えるための支援のご案内」厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000622924.pdf

■行動を書きだして、できないことよりもできることに注目

ストレスが溜まっても、ここで「飲みに行ってやる〜!」とやたらに動き回ってしまうと、特に特別警戒都道府県などでは感染するリスクが高く、後悔するハメになってしまうかもしれません。また、お金もやることもあまりなくなってきて、家でじっとしながらその現実と向き合う時間は、どんどん心を蝕んでいきそうです。

でも、今やらなくてはならないこと、自分や他人のためにやったほうがいいこと、時間があればやってもいいこと、今はやらないほうがいいことは割と明確にわかっているような気がします。

収入が減ってきている場合には、「やらなくてはいけないこと」の次に「やれること」に手をつけたほうがいいですし、空いた時間にストレス解消のために何かしようとする場合には「やってもいいこと」と「やらないほうがいいこと」の両方があります。

何か漠然と不安を抱えて過ごしていると、何をしたらいいか、どうすればいいかわからなくなり、不安は募る一方。

そこで、自分がとり得る行動について一度整理してみると、少し落ち着くのではないかなぁと私は考えました。特に、「やらないほうがいいこと」については、もう「いずれできるようになる」「今はその選択肢をとれば自分の首を締めるだけ」とキッパリ諦めることが大事かなと……。

私の場合、収入がやばいな〜という状況では、次のように行動が整理できます。

【やらなくてはならないこと】……今いただいている仕事と、無料塾の生徒たちへの指導やオペレーション、日々の食事作りなど家事

【やれること】……新しくどこかに提案できそうな企画を考えること、無料塾の生徒たちへの支援拡大、地域の困っている人たちへの何らかの支援、料理をさらに美味しく作る努力

【やってもいいこと】……人がいない時間や場所を狙っての散歩、オンライン飲み会や、家での一人酒、読書やギターの練習など家でできる趣味

【やらないほうがいいこと】……密を作ることに加担してしまう不要不急の外出、不要不急に人と接すること、ネット通販などでのムダ使い、酒の飲み過ぎ

こうやって書き出してみると、実にやることがたくさんあって充実しているような気がします。上から順にこなしていこうとすると、3つめまでの中にこなせないものもたくさん出てきます。こんなにやることがあると、忙しいのです。4つめの行動をしているヒマがありません。

上から3つめまでの中で、なかなかうまくいかないこと(企画作りとか)があれば、もうそれは後回しでOK。だって他にもやることはたくさんあるし。

こんな日々の中では、1日のうちに、この中で3つくらいできていればいいのではないでしょうか……と緩く考えていると、私はほとんどストレスが溜まらないのです。

■今あるものを使って、幸福度を上げていきたい

といっても、収入が減ってきている……という実感は、いくらやることがあっても心配になってしまう人もいると思います。私もフリーランスになって、何度も「ヤバイ!」「今回の税金はちょっと滞納するしかない……」という状況を経験しています。だんだん慣れてきたのもあって、そういうときのストレスはかなり感じにくくなってきていますが……。

払わなくてはいけないお金はもちろん稼がなくてはならないので、あの手この手を考えたほうがいいと思います。今の状況ならば、受けられる給付金はきちんと受けるように手続きを頑張るのみ。

でも、自由に使えるお金が減った場合や、自由度はあまり変わらないけれど収入が多少減ってしまった場合にストレスが溜まっている場合は、自分の価値観をちょっと変えてみるのもアリかなと思います。

・人の幸せや、人の価値は、お金や持ち物では決まらないということを思い出してみること。

・今持っているものをよりよく使って、幸福度を上げる工夫をしてみること。

・お金にはならなくても、地域や社会のためにできることをしてみることで、充実感を得たり、生きていることを実感したりすることに繋がる可能性があるということ。

そういえば学生時代、フランスに住んでいる私の叔母に「たくさんお金があったら、好きな服をたくさん買えるのに」と話したときに、こう言われたことがあります。

「パリのオシャレな人は、今あるものの使い方が上手。限られた手持ちの服やスカーフとかの小物を使っていろんな着こなしができる人が、オシャレとされているんだよ」

なんてカッコイイんだパリジェンヌ! これって、ファッションだけでなくいろいろなことに通じるんじゃないでしょうか。

「たくさん稼ぐ」ということだけにとらわれていると、コロナ後の社会をストレスなく生きてくのはどうも難しいような気がします。できないこと、持っていないものが多くなっていく状況下では、今あるものの中で工夫したり、人と支え合ったりしながら、本当の豊かさを追い求めていくことが必要なのかなと思います。稼げないことを不安に感じるよりも、足るを知り、もっと別の軸で幸せを考ええてみることが大切なのではないかなと。

そう考えることで、預金残高が1000円を切ってもあまり焦らずに済んでいるのが私です(笑)。


大西桃子
1980年生まれ。出版社2社、電子出版社1社の勤務を経て、2012年よりフリーのライター・編集者として活動。2014年より経済的に困難を抱える中学生を対象にした「無料塾」を立ち上げ、運営。

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