やまぐち千予さんの働き方
こんにちは「未来の仕事屋」です。このマガジンでは、「時給で働く」以外のさまざまな働き方を選んでいる方に、その働き方を選んだ経緯や、働く上で大切にしていることなどを伺っています。毎回、共通の5つの質問を通して「じぶんらしい働き方」とは何か?について考えていきます。
今回は「カメラマン・写真講師」のやまぐち千予さんにお話を伺いました。
フリーランスとして活動を始めてから、14年のキャリアをもつやまぐちさん。14年前といえば、まだまだ「フリーランス」という言葉が今のように一般的に使われていない頃ですよね。そんなときから、個人での活動を続けてこられて、現在ではその活動をさらに広げていかれています。
やまぐちさん:フリーランスでのカメラマンと写真講師の仕事を中心に、「PIYOCAMERA」という写真事務所を立ち上げています。現在この事務所が、14年目になります。最初は、主に撮影のみの仕事をしていましたが、現在は講師の仕事を中心に、執筆連載などと、「関西カメラ女子部」という団体を運営し、カメラ女子のみなさんに交流ができる場を設けています。
フリーランスとして活動されているやまぐちさんですが、個人で動いているというよりも、多くの人と関わりながらさまざまなメディアなどでもご活躍さていて、とにかく「活動の幅が広い」という印象でした。
やまぐちさん:写真講師としては約5000人以上をレクチャーしてきました。現在運営している「関西カメラ女子部」という団体は、私ともう一人の管理スタッフで運営をしていますが、いろんな方がいらっしゃって、みんなでワイワイ楽しくやっていますよ。10〜80代まで幅広い年齢層のカメラ女子が所属していますし、本格的にカメラをやっていらっしゃる方もいれば初心者もいます。「家庭でも職場でもない、写真で繋がる大切な3番目の居場所として楽しんでもらいたい」という想いで作ったものなので、本当にいろいろな方がいらっしゃる、ゆるゆるとした楽しい集まりになっています。
「幅広い活動がしたい!」と考えると、どうしても自分が積極的にいろいろな場所に出ていくことだけを考えがちですが、もう一方で「そのような場を自分で作る」という方法もあるのだなと思いました。まさに、やまぐちさんはそれを実践されている方でした。
フリーランスを14年も続けてこられたやまぐちさんは、その間「時給で働く」ということについて考えたことはなかったのでしょうか?
やまぐちさん:私は、責任の大きさが大きくなることで、自分自身を向上できる働き方をしたいと思っています。
自ら大きな責任を担うということは、一方で今の自分に自信をもっていないと、なかなか積極的に選べないような気がするのですが?
やまぐちさん:「今の自分」というよりも「これから先の自分」により重きを置いて私は考えるようにしています。例えば、成果物がクライアントの満足のいくものになっていなかったり納品ができなかったりしたらどうなるでしょう? 自分自身にお金が入ってこない……それだけではありません。自分を選んでくれたクライアントからの信頼をなくし、クライアント自身の時間や費用などが無駄になってしまいます。また、もしかしたらクライアントが新製品を発売する前で、予定していた広告を出せなくなってしまい、そのせいで売り上げが落ちてしまうことだってあります。だから、いかにクライアントが必要とするものや求めるものになるかどうかを考え、クオリティを高めるために常に向上し続けないといけない……今の働き方を選んでいる一番大きな理由がこれですね。
「今の自分に自信があるから」ではなく、「これからの自分が向上できるように」を考えているということですね。働き方を考える上で、視点を「今」ではなく「未来」にするということは、とても重要なことなのではないかな、とやまぐちさんのお話を伺っていて感じました。
未来の自分に対して強い「向上心」をもっていらっしゃるやまぐちさんですが、「お金」についてはどのようなお考えをおもちなのでしょうか?
やまぐちさん:今の私の働き方では、求められている大きさ、必要とされているものを自分で判断し、それによって収入が大きく変動します。それを自分で決めることができるので、納得できます。
やまぐちさんは「未来の自分」をしっかりと見ている一方で、今の自分自身がどれくらいの仕事をできるのか?ということも、冷静に見ていらっしゃるのだなと感じました。「向上心」をもっていても、ただ漠然と「今よりも良くなりたい」というだけでは確実にステップを踏んでいくことは難しいかもしれません。でも、今の自分を正確に捉えて、未来に向けての具体的な目標を立てることができれば、自分の成長をより実感できるような気がします。
やまぐちさんが今の収入に納得していらっしゃるということに、とても納得できました(笑)
将来に向けた向上心を強くもっていらっしゃる反面で、不安に感じていることなどはないのでしょうか?
やまぐちさん:厚生年金がないことで将来大丈夫かな、生活していけるのかなぁっていう心配はあります。
確かに、フリーランスとして活動されている多くの方が、同じことを感じているかもしれません。ただ、やまぐちさんは本の出版などもされていて、目の前の自分の仕事をこなすだけでなく、いわゆる「資産」になるようなお仕事も数多くされているように思うので、そういうものをもっていない人に比べると、安心感はあるのではないかなと思えるのですが?
やまぐちさん:本の宣伝、ありがとうございます(笑)写真の勉強を始めた頃、用語や考え方などが難しくて写真本を何冊も購入しました。私みたいになかなか写真が難しくて楽しめない人に向けて、イラストがたくさんあって撮影しているシーンが見れて、さらに動画で教えてくれて撮影しているときにわからなくなったらすぐにわかるっていう、わかりやすい写真の撮り方本を作りました。写真の基礎と仕事用の2冊です。なので、資産になるというよりも、この本により自分のカメラマンとして、そして講師としてのスタイルややり方を伝えることができたと思っています。カメラの主流がフィルムからデジタルになるように、写真軸をブレない形で時代に合わせて変化をし続けながら、おばあちゃんになっても写真を教えていけたらいいですね。
最後に、毎回皆さんにお伺いしている、やまぐちさんが働く上で一番大切にしていることについてお話ししていただきました。
やまぐちさん:「継続」です。実は、私は以前システムエンジニアとして就職していた時期があります。ずっとやりたかった仕事についたはずなのに、「継続」していくことができない……と気づいて退職しました。「なぜ続けられないのだろう……」そう自分と向き合って見つめ直そうとした時期があったんです。
14年間もフリーランスとして幅広く活躍されているやまぐちさんも「続けられない」と悩まれた時期があったんですね。そして、自分と向き合った結果、やまぐちさんは1つの答えにたどり着いたと言います。
やまぐちさん:それが「写真」でした。生きがいである「写真」を仕事にすることで、一生「継続」していけると気づいたんです。「写真」というフィールドをずっと守りながら、その時代に合わせて変化をし続け、これからもずっと「継続」していけるよう働き続けたいと思っています。
その言葉通り、やまぐちさんはこれまで14年間「写真」のお仕事を続けていらっしゃいます。そしてきっとこれからも、その言葉通り、めまぐるしい時代の変化の中で「向上心」をもって未来の自分を見つめながら、「写真」を続けていかれるのではないかなと思いました。
やまぐちさんの今後のさらなるご活躍を、楽しみに見続けていたいなと思いました。
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