この1年、働いて幸せだった瞬間は?
働き方改革が進められる今。みなさんの働き方には、何か変化が起こっているでしょうか? そもそも、どんなふうに改革されれば、みなさんはもっと豊かな働き方ができると思いますか?
このコーナーでは、「働き方」に関するさまざまな話題を取り上げて、「幸せな働き方って何だろう?」ということを考えていきたいと思っています。
■この1年、働いて幸せだった瞬間は?
2019年が終わろうとしています。年末には、1年起こったことをゆっくり振り返るという方も多いのではないでしょうか。みなさんは今年、働いていて幸せを感じた瞬間はありましたか?
幸せな働き方を模索するこの連載ですが、急に働き方を大きく変えようと思っても難しいもの。でも、働いていて幸せを感じた瞬間を振り返ってみると、そこにヒントがあるかもしれないと、今思いつきました(笑)
私の場合は、例えば、
・会いたいと思っていた人たちにインタビューしに行けたこと
・執筆をしながら、自分の知識や興味を広げられたこと
というのがあります。
今年なら、作品を読んで会いたいと思っていた作家さんなどにインタビューしてたくさんお話を伺うことができましたし、教育や福祉に関わる書籍の執筆をしたり、児童福祉関連の専門家たちに取材に行ったりして、各分野の理解を深めることができました。
会いたいと思う人はたくさんいるのですが、ここ数年では「弱い人に寄り添う」活動をしている人たちや、そういうテーマの作品を書かれた人に集中してきていて、そういう人たちに仕事を通じて出会い、たくさんのものを得ることができました。ただ会えればいいのではなくて、意見を聞きたいことがたくさんあって、お話をしてみたい。それを仕事が叶えてくれました。
私は学習支援団体を運営しているのですが、このところその活動にかかわるような仕事も増えてきて、お金をいただく仕事とライフワークとしての仕事がうまい具合にミックスされてきています。
ライフとワークを完全に分けるよりも、全部一緒くたにして楽しみたい私にとって、今の状態はベストのように感じます。
また、今年は無報酬で単行本を1冊書きましたが、自分のスキルや知識、経験を活かして社会が少しでもあたたかいものになるようにと動くことについては、報酬があろうとなかろうと充実感や達成感を感じながら取り組めるということにも気がつきました。
こんなふうに、1年の間に仕事の中で楽しかったことを思い浮かべてみると、自分はどういう仕事を突き詰めたいのか、生活の中に働くということをどうやって取り入れたいのか、見えてくることもあるのではないでしょうか。
■嬉しかったことから「大切にしたいもの」が見えてくるかも
自分のことばかり書いてしまいましたが、皆さんはいかがですか? ちょっとしたことでも、嬉しかったと思うことはありましたか?
例えば、
・取引先の人に「ありがとう」とたくさん言ってもらえた
という人だったら、コミュニケーション能力に長けているということですよね。その長所を伸ばしていくべきですし、仕事じゃなくてもたくさんの人を笑顔にすることで、もっと幸せを感じられるかもしれません。
・自分の作った資料が仕事に役に立って喜ばれた
データを整理・分析したり、それをわかりやすくまとめたりすることに集中して周囲にPRしていくと、社内でより評価が上がっていくかもしれませんね。
・同僚が仕事を手伝ってくれた
そのことが嬉しかったという人は、普段ひとりで背負いすぎなのかもしれません。頼ったり頼られたりのバランスをうまくとっていきながら、いい関係を築いていけたら、もっと仕事が楽しくなっていくのではないでしょうか。
・出張でいろいろなところに出かけられた
アクティブで好奇心旺盛な人でしょうか。あちこちで見たこと聞いたことをシェアするとか、地域と地域をつなぐような役割をしてみても面白いかもしれません。
・残業時間が短くなって、早く帰れるようになった
効率化が上手で、プライベートを大切にできる人ですね。ライフとワークを割り切ってバランスよく生活することも上手そうです。
こうかな、と想像しながら書いてみましたが、いかがでしょうか。こんなふうに出来事を振り返りながら自分を分析してみると、来年はどんなことを大切にすべきか見えてくるのではないでしょうか。大切にすべきものが見えてきたら、やらなくてもいいことや力を入れなくてもいいことも自然にわかってくるはずです。
私もこの1年を整理しながら、来年は仕事にどう向かうか、考えてみたいと思います。
それでは、みなさんよいお年をお迎えくださいませ!
大西桃子
1980年生まれ。出版社2社、電子出版社1社の勤務を経て、2012年よりフリーのライター・編集者として活動。2014年より経済的に困難を抱える中学生を対象にした「無料塾」を立ち上げ、運営。
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