そうだ、絵本作家になろう②絵本をやめて働くのだ
(前回の記事はこちら→ そうだ、絵本作家になろう。①)
大学では油絵科を専攻していたのですが、デザインにも興味があり、教職をとればデザインの授業をとれると知ったので、教職の授業も受けていました。そこで、絵本を制作する機会があったのです。
まず原画を描き、それをスキャナーで取り込み、Macで文字を配置。印刷したものを手製本して、絵本を作りました。これが私が作った初めての絵本でした。
絵を本の形にするのにハマり、以後色々作ってみました。
授業で作ったものは並製本(ソフトカバー)だったのですが、ハードカバーも作ってみたいと思って作ったものもあります。
布をカバーに貼る贅沢に胸がときめく〜。
画集のようにまとめてみたり。
いわゆる子どものための絵本というものではなく、アートブックのような形で作品を作っていました。
今思い出しましたが、教職の授業で絵本を作る前にも、自分で撮影した写真や何かをコラージュしたりして、それを束にして本の形にしたことはあります。もう、その作品は手元に残っていないのだけれど……。
とにかく、「絵を本の形にする」ということにこだわっていたように思います。
そういえば、小〜中学生の頃には同人誌にハマっていました。背景が描けなくて、自分ではあまり漫画は描かなかったのですが……。出版社ではなく、個人で本を作れるというのがなんだかとてもワクワクした記憶があります。同人誌即売会で売られている便箋などの紙モノも楽しくて、私が持っている紙や印刷の知識はその頃得たものが大きい気がします(笑)
と、ここまで書いて、なかなか絵本作家にたどり着かないのですが。笑
就職して絵をやめても、いつも意識は「絵」にあったかもしれない、と思います。学生時代に十分に制作に集中できなかった。没頭できなかった。
そういう思い残しがあったから、「何やりたいの?」ってきかれた時に「絵かなぁ? 絵本も作りたい」と、答えていたように思います。
でも、やらない。稼がないと生きていけないのに、絵では稼げないからやる意味がない。そもそも誰にも求められてないし。
WEB制作のスキルやコンテンツ企画のスキルなら、求められる。やるのは私じゃなくてもいいかもしれないけれど、求人はある。東京で一人で暮らしていくにはお金がかかるのだから、自分が持っているスキルで働けて、なるべくお給料がいいところに勤めるのがいいんだ。地方の方が安く生活できるとしても、なんの仕事をしたらいいんだろう? 移住する意味ある? なんだかんだ言って、東京が好きだし、東京なら仕事に困らないはず。とりあえず、答えは先延ばしにしておこう……。
仕事は楽しい。新しいことを覚えるのも楽しい。自分の企画したコンテンツがたくさんのユーザーに届くのが嬉しい。この時がずっと続くといいのに。
そう思っていました。
私は2008年〜2013年の間、コンテンツプロバイダに勤めていました。具体的には、今は懐かしのiモードをはじめとする3キャリア公式サイトを企画制作していました。ジャンルは、占い。小学生の頃に雑誌My Birthdayを愛読していた私にとって、その頃テレビや本で見ていた占い師さんと会えたり、その人の占いサイトを担当できたりしたのは、かなりミーハー心をくすぐられました(笑)
私が入社した2008年頃はまだガラケー全盛で、サイトを出せば売れるというところがあったし、それほど会社からも大きな売り上げを求められなかったので、楽しくやれてたのだと思います。しかし、ご存知の通りスマートフォンの登場によりiモードなどのガラケーに依存するプラットフォーム自体がだんだん危うくなってきたのです。
会社は上場していたので、毎期売り上げ目標は上がっていくし、スマートフォン向けにどうやって収益を上げられるサイトを作って行ったらいいのか手探り状態で、それはそれで楽しくはあったのですが楽しいだけではなくなりました。なぜかというと、私は役職についてしまい、作ればよかった時とは状況が変わってしまったからなのです。詳細は省きますが、今思えば、管理職は向いてなかったな、と思います。完全に、無理してました(笑)
大学卒業後は仕事ばかりでやってきましたが、30歳を過ぎると、結婚したり、出産したり……といったことが気になるようになってきました。
続く。
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