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大慈寺(奥州三十三観音第14番札所)

第11~13番札所は福島県でしたが、再び宮城県に戻ります。

第14番札所法輪山大慈寺(ほうりんざんだいじじ)は、宮城県登米市東和町にある曹洞宗寺院です。大慈寺周辺には、第15番札所竹峯山華足寺、第23番札所大白山長承寺、第24番札所遮那山長谷寺と、札所が集中しています。

大慈寺は開山以来幾度も火災に遭い、堂塔をはじめ多くの寺宝を失い、寺の由緒もよくわからなくなっていますが、奥州藤原氏3代藤原秀衡により嘉応年間(1169~1170)に開創されたと伝わっています。当初は天台宗で諏方森大慈寺と号しましたが、奥州藤原氏滅亡後に衰退し、廃寺の状態になります。

現在の法輪山大慈寺になるのは、永享元(1429)年に岩手県奥州市にある曹洞宗東北大本山・正法寺四世の中山良用大和尚が自らの隠居寺として入山し、天台宗を曹洞宗に改め再興したことに遡ります。

参拝の際は、大慈寺山門前の駐車場に車を停めます。こちらの山門は大慈寺の往時の姿を伝える唯一のもので、永享元(1429)年に開山中山良用大和尚によって建立されたものです。

山門をくぐり、参道に入ります。参道横には様々な石碑が集められ並べられていました。

石碑を横目に進んでいくと本堂に着きます。現在の本堂は平成23年に再建されたもので、内陣には大慈寺本尊である釈迦牟尼仏が安置され、14番札所本尊の聖観世音菩薩は本堂右脇のホールに安置されています。

本堂

14番札所の聖観世音菩薩は、運慶の作と伝えられていましたが、火災により焼失し、現在の本尊は後に奉納されたもので、作者も年代も不明だそうです。

大慈寺がある登米市東和町米川地区から隣接する岩手県一関市藤沢町にかけては、隠れキリシタンの遺跡が多く残されている地域です。また、大慈寺には、2月の初午に行われる「米川の水かぶり」というユネスコ無形文化遺産にも登録されている伝統行事があるなど、この札所があるエリアは歴史的見どころ満載の地域となっています。

御朱印

【ご詠歌】たのもしや だいじのほうの ちかいには たまのうてなに はなのしらくも

【宗派】曹洞宗

【本尊】聖観世音菩薩(大慈寺…釈迦牟尼仏)

【住所】宮城県登米市東和町米川字町下56


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