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ペク・イェリン単独コンサート『Square』、メモ&レポ

昨日、5月20日、ペク・イェリンの単独コンサート、『Square』を見に行ってきました。今回のライブは、初の日本公演も含めたASIA・PACIFICツアーの皮切りとなるもので、韓国での単独公演も2020年3月以来なんと3年ぶり。この間、コロナもあったし、ライブはThe Volunteersの方が活発でしたね。会場はソウル市内、オリンピック公園にあるSKハンドボール競技場、オリンピック公園内には大きな公演場が4つありますが、そのうち 1万4千人くらい収容のKSPO DOMEに次ぐ、二番めのキャパを誇る場所で5,000人近いキャパです。これはイェリンにとって最大規模。昨年末からのワールドツアーと含めて、イェリンのキャリア史上、最大スケールのライブ活動を行なっているということです。

ライブのポスター
会場前のオブジェ

最大規模のライブ!なだけにスケールが大きかった


それだけにライブの中身も驚くようなスケールの大きい演出が多かったです。まず、このステージ・セット。ライブの名前『Square』に因んでか四角形のステージ、そしてその上に大きなスクリーンがありました。ライブのスタートも、なんとイェリンが天井から降りてきます!

ライブ前はずっとイェリンの曲が場内に鳴り響き、スクリーンにはスタートまでのカウントダウンが映される中、公演開始の4分くらい前からライブ名にもなった「Square」のインスト・バージョンがかかります。それが終わると真っ暗になった場内を驚かせたのはなんと、「I'm in love」とともに、吊るされた檻のような空間の中で歌うイェリンの姿。そのまま彼女は序盤の5曲を空中で歌いました

それから演出面続きでいくつか書き残しておくと、まずイェリンのダンスが見られたこともサプライズでしたね!中盤、90年代R&B風な新曲(?なのかカバーなのか?本人に聞いてみます)が披露されたのですが、「(JYP)練習生時代にもやってたの、知ってるよね?」と本人もその後言ってましたが、まあまあハードめなR&Bトラックにあった結構かっこいいダンスでした。しかも、5人のダンサーを従えて。名前がわからないのですが、数ヶ月前に彼女がインスタでこの中のリーダーのオンニとダンス練習しているのをアップしていましたね。(撮影禁止のパートだったのでここには貼れないですが、気になる方はTwitterで「예린 춤」(イェリン ダンス)とかで検索してみてください)

各パート、見せたいものが明確だったセットリスト


セットリストがすごく良かったです。本人は『tellusboutyourself』以降単独公演を出来ていなかったので、そこからの曲を多めにしたと言っていたけれど、実際にはバランスよかった気がします。しかも、セットリストがよかった、というのは曲順、とそのパートそれぞれで何を見せたいかが、はっきりしていたこと。全体は2パート+ダブル・アンコールの4部制でした。

まず序盤の空中で歌っていた部分。最初の数曲はさらに空中で歌うイェリンに照明もフォーカスされてバンドもあまり見せない感じだったので、彼女の歌を見せたい、聴かせたいというのが明確でした。選曲もそれにあった「I'm in love」から始まり、『tellusboutyourself』から私のフェイバリット「Im not your ocean anymore」もあったり。この曲高音のところのボーカルも鳥肌ものでした。ちなみに第一部でのイェリンは赤く、艶やかなドレス姿。めちゃくちゃ綺麗でした。。。

その後は『Every letter I sent to you』からの曲を5曲続けて披露。ここは途中イェリンがギター弾いた、Oasisの「Champagne Supernova」を想起させる「0310」を含めた、『Every letter I sent to you』のR&B、オルタナティブ・ロック色を見せるパートでした。それを象徴するようにこのパートの最後はThe Black Skirts(검정치마)の「Antifreeze」のカバー。昨年のカバーEPにも収録されましたね。この曲の歌が終わったところでイェリンは舞台裏にはけ、バンド・メンバーの演奏はハードに、この"R&B、オルタナティブ・ロック・パート"をかっこよく飾りました。あと、私的に良かったのはアルバムの曲順と同じように「Amy」、「True lover」を披露してくれたところ。この2曲は彼女のAmy Winehouse愛を捧げた曲ですが、しっかり今も彼女がそのエイミー愛を大切にしているのが感じられたので。

そうだ、ここで言っておきましょう、今回のツアー、バンド・メンバーはパーカッションと管楽器を除いて、The Volunteersのメンバーでした。といっても、以前と変わっているのはドラムだけで、やはり彼女にとっての音楽的なパートナー、Cloud(ヒョンソク)、ギタリストのジョニーをはじめ、すごく親しいメンバーでしょうから、イェリンもやはり気楽に見えました(実際、皆さんあまりワイワイするようなスタイルじゃないので、彼女も練習中はみんな携帯いじってる、とか言ってましたがw)。あと、管楽器も昔から、彼女のバックを務めているパク・ギフン。個人的に彼の仕事が好きです。最近はWisueの「Wish 원」でのフルート?がよかったです。注目してみてください。

第一部が終わったあとの会場にはK-POPのライブのように、スクリーンにビデオが映されます(イェリンがR&Bトラックで歌い、踊る姿でした)。ここからは第二部、黒の衣装に着替えて出てきたイェリンはここから『tellusboutyourself』の曲を中心にしたエレクトロ・電子音楽パートに移ります。まず「Our Love is Great」は原曲がレゲエ調ですが、なんとこの日はダンスホール調に演奏がアレンジされていたし、その後の3曲、「HOMESWEETHOME」、「0415」、「Bubbles&Mushrooms」は全席座席制だったオーディエンスを立たせて、「クラブみたいに」と踊らせました。リミックス・アルバムに収録されたKIRARAによるリミックス・バージョンだった「0415」をはじめ、「Our Love is Great」からの4曲はリズムをバウンシーに、タイトに、激しく、強調させていたのも印象的。ちなみに先述のイェリンとダンサーたちによるダンス・タイムはこの第二部の中でありました。

第二部の最後は年始にリリースされた「Pisces」。この曲がライブで聴くとすごく良かった、音源以上に。曲自体シンプルなこともあってか、大きい会場で、イェリンの透き通ったボーカルも、バンド演奏の迫力も、メロディの良さ、爽快なプロダクションなど楽曲の良さがすごくいい感じに伝わっきたのです

さて、ここで本編は終了。アンコールからは撮影が解禁されたので、動画もいくつかアップします。

アンコールは各曲、動画も載せます


そのアンコールですが、なんとスクリーンには「yerin baek upcoming new songs」との文字が。ここから2曲新曲を披露してくれました。まず1曲めは年始に作っていたという、先週Soundcloudで公開された「i kno i kno」。『tellusboutyourself』路線を引き継いだダンサブルなサウンド、と思いきやライブだからか「リリースされる時にはバンド・サウンドも結構迫力あるものになるのかな」と思わせたり。もう一つは「Dance on you」。2曲ともイェリン&Cloudらしいビンテージなサウンドはうまくモダンにアップデートした仕上がりで期待が高まります。

この後は「See You Again / 지켜줄게」を披露して再び舞台から去っていく。

そう、二度目のアンコールに入ります。彼女の初期の代々々々表曲!「Bye bye my blue」を披露。「この曲を聴くために残ってたでしょう?」とイェリン。シンガロングもおきました。


そして、バンド・メンバーの紹介を終え、最後に「2人で何か見せてあげられるのあるかな?」とCloudとともに、Cloudの鍵盤伴奏をバックになんと「A Walk(산책 散歩)」を披露。この曲は昨年のカバーEPに収録されたイ・ハンチョル原曲、ソヒ(Sohi)もカバーした「A Walk(산책 散歩)」のカバーで、おそらくそのEPからは一番の人気曲。私にとっても嬉しいサプライズでした。イェリンの優しいメロディがフィットする、本当にいい曲ですね。。

さあ、最後は定番のやはり「Square」。歌詞がスクリーンに映し出され、オーディエンスにも合唱を呼びかけます。

終わったあと&まとめ


ライブが終わった後はイェリンとCloudに挨拶しに行かせてもらいました。ライブ後の挨拶は毎度させてもらっているのですが、というか、イェリンは時々、私に元気にしてる?とか気にかけてくれたり、本当に有難いです。私にとっては2020年の3月12月にインタビュー記事をさせてもらったこと、12月の時は「全て韓国語で進行出来たこと」、「(アーティスト側から)今回もやってほしいと言ってもらえてやれたこと」がすごく自信になって、私が韓国生活を続けて行く上での大きな自信になっているし、あの体験が無かったら、今もまだ韓国で会社員生活している自分は無い、と思えるくらいだし、その音楽を超えて、大切な存在です。
で、話がズレてしまったのですが、ライブ後もしっかり感想を伝えられたし、日本公演の話も聴けたので、私的には大満足、という1日でした。

あと、もう一つ書き残すなら、全体的にイェリンの姿が「自然」であったことが良かったですね。もともとアーティストとしてもいろんなジャンル、バンド活動までトライするし、歌詞でも言いたいことを言う姿がカッコいいですが、MCでのあのイェリンらしいゆるい話し方、話がまとまらなくてもそのまま流したり、あるいは本音そのまま、ごめんなさいね、とか言ったりするあの姿は、イェリン以外の誰でもないなと思うのですが、それが飾った感じがなく、本当に良いと思うんです。舞台の上だからといって、オーディエンスをアップリフティングするような、堂々と強い姿だけ見せる必要はない、マイペースだろうがいいのです。あの飾りのない姿、そうでありながらも強く、かっこよい面もある、そこまで含めたありのままの姿が、会場に詰めかけた若者たちを惹きつけているし、不器用な私たちを肯定してくれるのです。

セットリスト

[第一部]
I'm in love + Zero
Square
You're so lonely now, so you need me back by your side again
그건 아마 우리의 잘못이 아닐거야 (Maybe It's Not Our Fault)
Im not your ocean anymore
Hate you
Popo
0310
True lover
Amy
Bunny (終盤のHoo~を歌わせる)
Antifreeze(シンガロング有)

[第二部]
lovegame
Our love is great(ダンスホール?ジャズ風?バージョン)
未発表曲?
HOMESWEETHOME"
0415
Bubbles&Mushrooms
Pisces (물고기)
[アンコール]
I kno I kno
Dance on you
See You Again (지켜줄게)
[アンコール2]
Bye Bye my blue
A Walk (산책)
Square


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