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整頓整理ではなく整理整頓

前回は、「整理」だけでも利益が出る方法を押さえましたが、今回は「整理」「整頓」について経営の視点から記します。

整理 必要なモノと不要なモノを分け
   必要なモノは使える状況にする 不要なモノは処置をとる
整頓 必要なモノが決められた場所で使われ または保管され
   使いやすい状態になっている
(5つのSの定義は前回版をご参照ください)

先ず「整理」では、次の2つのことを再確認しておきましょう。

1つ目に、不要なモノを処分する前に必要なモノを確実に持つことの重要性です。

これに反する現場で起きる主なケースを挙げます。

・指定された材料(例:塗料)が足りず作業(例:塗装)ができない
・修理用の補修部品が無く、設備が再稼働できない
・完成品倉庫に商品が無く出荷日程が守れない

どれも「必要なモノ」の量的不足又は無いことによるトラブルで、納期遅延や生産効率の低下に至る解決すべき問題です。

不要なモノを処分する前に優先したいのは、必要なモノを確実に揃えておくことなので、「何でもかんでも捨てる」ことは、経営的には必ずしも正しくないことを理解しておきましょう。

しかし、1年に1回しか注文が来ないような製品は、必要な在庫数はゼロが正常となる場合が多いので、間違った理解は禁物です。

2つ目に、「必要なモノは使える状況にする」ことであり、次にスグ使えるように使い終わったモノを綺麗な状態で置くことが求められます。

更に、次に使う時(仲間)のことを考え、取り易い向きにして置くことも大切です。

海外から帰国して荷物受取りのベルトコンベア上を眺めていると、バックの取っ手が受け取り者側に揃っていることに感心し、日本人スタッフの生真面目さが見て取れます。

他にも、スリッパを脱いだら向きを変えて揃えて置く、刃物類は持ち手部分を手前にして置く、会社に戻ったら営業車はバックで駐車するなどの、小さな配慮ができ、「整列」してモノを置くことが常識として行われている会社も多くあります。

大事なことは精神論だけではなく、SEQDC(安全、環境、品質、納期、原価・・・詳細は20231208版をご参照ください)と結び付けて、その必要性を整理しておくことです。

従って、目的や意味を理解せず、漫然と「整列」することは避けたいので、部下と一緒に現場を一周しながら上司が説明することもお勧めします。

その中で、場合によっては「整列」する必要の無いものは、再度考え直すことで、より良い職場が作れる場合もあるので、部下の声に耳を傾けることも有益です。

正しい終わり方は、次に始める時の効率アップに直結することを知り、チーム内で使い終わったモノの戻し方や、その置き方を決めましょう。

さて、次に「整頓」です。
ここで、モノの置き方の基本である3つの視点を押さえておきます。

この3つの視点だけでも、着手すれば飛躍的に効果が出るので、明日からスグできる他社の実践事例4つと併せて記します。

(領収書の発行はお申し付け下さい)

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