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2つの生産形態

人・材料・設備を準備し、生産し、販売し、資金を回収することが企業活動です。

上記で最も大事なことは、「回収」と考えます。

賛否あると思いますが、どんなに綺麗ごとを並べても、資金を回収できなければ永続できるビジネスにはなりません。

(但し、資金回収を目的としない旨が明示されている場合は、これに準じない)

さて、このようなビジネスの基本を理解した上で、今回は2つの生産形態について記します。

皆さんの会社または生産品は、どちらの形態なのか考えながらお付き合いください。

1つ目は「注文生産」で、注文を受けてから生産する形態です。
つまり、準備→受注→生産→販売→回収の流れです。

または、受注→準備→生産→販売→回収の場合もあり、注文を受けてからお金と手間を掛けます。

2つ目は「見込生産」で、注文を受ける前に生産する形態で、
準備→生産→受注→販売→回収の流れです。

こちらは、お金と手間を掛けてから注文を待ちます。

以下に、2つの生産形態の特性及び、2つを混合した形態についても記しますので、参考にして下さい。

《注文生産の特性》
・売れ残りによる在庫を抱えるリスクが少ない
・顧客の細かい要望に応じることができる
・高付加価値で高額な商品に多い

《見込生産の特性》
・作業人員や部品数の計画が立てやすい
・売れないと安く売り廃棄することもある
・注文を受けてから納品までの期間が短い
・売れるまでに商品を置く広い場所が必要になる
・作業や部品を標準化(安定化)しやすい

このような特性があり、2つの生産形態をミックスしたビジネスモデルも存在することを押さえます。

身近にある簡単な例で示します。

メニューは、天丼、かつ丼、親子丼、ウナ丼、中華丼、カレーライスなど、お店の自慢の品々で、量と調理法の調整も可能。

見込生産で、白いご飯を炊いて在庫した状態で注文を待ち(迅速性)、
注文生産で、ご飯の上に載せる具を調理します(柔軟性)。

これで、熱々の注文品を素早く出せます。

見込生産は即納性が高い特性を活かして、注文から納品までのリードタイムを短くし、且つ注文生産で細かいオーダーに即応することで、できたての料理が出せるのです。

このようなミックス形態は、飲食店だけではなく、電気製品、自動車などで広く取り組まれていますが、それは、この特性を理解し、買い手も売り手もハッピーになるようなベストミックスに挑んでいるのです。

最後に触れたいのは、冒頭に述べた「回収」についてです。

お察しのとおり、見込生産は資金を回収できないリスクが存在しますが、注文生産は、そのリスクが比較的小さい点は、特筆すべき利点です。

これらを理解して、どんな商品を、誰に届けるのかを良く分析し、利益最大化と同時にリスク最小化にも取り組みましょう。

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