夢を叶えよう この街で

ジャニアイに行ったらTokyo Experienceに思う存分想いを馳せようと思っていたけど、その夢は叶わなくなってしまった。

東京。

煌びやかなこの街にはたくさんの人やモノ、文化が行き交っていて、とても面白くて魅力的だけどたまにそれが息苦しくなることもある。
情報にまみれたこの時代に、自分自身に今必要で適切なものだけを選び取って吸収するのはすごく難しくて。

いつまでも馴染めなくて、馴染みたくもなくて、でもこの街で生きていくことをわたしは選んだ。
何も知らなかったはずなのに、わからなかったはずなのに、気づけばスマホ1台でピッと改札をくぐり抜け、新宿や渋谷、銀座や有楽町に行くことは日常となった。

わたしがHiHi Jetsのことを好きになったのは、ある種自分が東京に適応していく過程で必要だったからかもしれない、と思うことがある。
好きなアイドルと同じ街で生きている。
それだけで、強くなれる。家族や友達、恋人じゃ埋められないものをアイドルは埋めてくれる。
顔色を伺わなくても、タイミングを考えなくても、いつだってこちらの好きを目一杯受け止めてくれて、最高のエンターテイメントを届けてくれる。
もちろん楽しいばかりじゃない時もあるけど、アイドルを応援している時間は心地よくて、一生懸命になれる。
優斗担になったのは偶然の産物だったけど、あの頃のわたしは東京で生きていくための救いを求めていたのかもしれないと、たまに思う。

自分自身に必要で適切なもの。

それを見極める時に、常に冷静でいるべきかと言われればそうではない。時に狂おしいほどの衝動にそのまま従うことも大事だと思う。それは間違いなくその時の自分に必要な感情であって、出会うべくして出会ったものだから。

「夢を叶えよう この街で」

五騎当千のとき、Completeを初めて聴いた。国立代々木競技場第一体育館。HiHi Jetsのためだけに作られたそのステージで、5人が歌い上げたこの歌はまたわたしに元気と勇気をくれた。

この歌が当初いつどこでどんな風に歌われていたか、どういう立ち位置の楽曲だったか、わたしは知らない。もちろん勉強すべき点ではあるのだけど、体感としてわたしが初めて自分の中にこの楽曲を染み渡らせたのはこの時が初めてだったから、あくまでわたしの場合は、この時この瞬間の気持ちを大事にしたい。

5人がスタンドマイクを持って歌い上げるバラード。バックには5分割になって映し出される各々の姿。響き渡るその歌声と、視覚から入ってくる情報量の多さにアリーナクラスのコンサートであるということを改めて実感した。

HiHi Jetsは常に新しいことに挑戦し続けて、コンサート1公演1公演を大切にしてくれて、自分たちをアップデートすることを怠らないグループだ。様々な方向から工夫を凝らし、その時々に合わせてHiHi Jetsとして魅せるべき姿とお客さんのことを考えた演出をバランス良く切り分けて届けてくれる。彼らのエンターテイメントは、いつも最高で気持ちがいい。

「夢を叶えよう この街で」

わたしからすれば、HiHi Jetsが届けてくれるものはすでに完成されていて彼らを見ているといつだって楽しい。いつも新しい世界を見せてもらって、最高に幸せでゾクゾクする空間を届けてもらっているという感覚がある。

でも、そんな彼らは今まさに夢を追っている途中。その夢をこの東京で叶えようとしているのだと、夢に向かって必死で手を伸ばしているのだと、この歌を聴いて強く思った。

その夢についていきたい。その夢をこれからも一緒に見ていきたい。心からそう思うのは、ファンになった使命感からでも、優斗担としての義務感からでもない。

わたしが東京で生きていくために、HiHi Jetsが必要だからだ。

あの時、彼らがCompleteをどんな気持ちで歌っていたのか。わたしには想像することしかできない。でも、きっとそれぞれ何かしらの強い思いを持ってあの曲を歌い、あのステージに立っていたんだろうとは思う。そんな彼らの気持ちがのったパフォーマンスが、心の底から好きだ。

日常の中にHiHi Jetsを応援している時間があるだけで、明日も頑張ろうと思える。そんなパワーがある。見ているとワクワクする。彼らが夢を叶えていく過程を追っていきたいと思う。

そして、何より。この人たちは夢を叶えた先でどんなものを見せてくれるんだろう。そういったこの先の未来にある未知の世界への期待とドキドキが止まらない。

東京は、HiHi Jetsが拠点として活動している街。夢を追いかけて、叶えようとしている街。

彼らがここで強い意志を持って活動しているというだけで、わたしにとって東京の解像度は一気に上がった。なんとなく好きになれない街だったけど、好きになりたいと思った。彼らが生きている街だから。知りたいと思った。

わたしは今、東京で生きている。

過去を振り返りがちなわたしだけど、HiHi Jetsを応援することで、目の前にある今とこの先の未来を存分に楽しむことができる。

六本木や水道橋、銀座や有楽町。少しずつ、足を運ぶ街が増えた。知らなかった場所が知っている場所になる。思い出が一つずつ増えていって、大切な場所になる。そういう感覚は、わたしが東京で1人でしっかりと立つのに必要な感覚だったのだろう。

HiHi Jetsに出会えてよかったと、心から思う。

こんなご時世だから、いつも通りエンターテイメントを楽しむことができるのはとても幸せなことで、誰かが体調を崩したり、公演が中止になったりしてしまうのは避けることができない。

でも、元気でいてくれる限り、アイドルでいようと意志を持っていてくれる限り、わたしは来年も再来年もHiHi Jetsを見続けることができる。それはとても幸せなこと。

もちろんずっとアイドルでいなくていいし、自分の人生のことは自分で選び取っていいんだよと伝えたい気持ちもあるけど、今彼らがHiHi Jetsでいることを大事にする選択をしているのだから、今のわたしはそれを信じたい。

Tokyo Experienceに想いを馳せるのは、また次の機会に。

今のわたしはただ、「夢を叶えよう この街で」と歌い上げる5人を信じてついていきたいと思う。彼らの活動を追いかけていきたいと思う。

それが、わたしのために必要なことだから。

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