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「ハードアスペクト多めの息子」

17歳の長男が、どういうわけか乗馬の全国大会に出場することになった。

いや、それなりに人生の半分は馬と過ごしているから、可能性はないわけじゃないけど、なんせ電話の内容がゆるかった。

「あ、R君のお母さんですか?馬術連盟のOですが、Rくんの鹿児島の国体、ご家族もお見えになりますか?ほら、いつも九州ブロック大会は応援に来てらっしゃるから鹿児島も行くかなーと思いまして」
「え?息子は国体に出るんですか?」
寝耳に水だ。
「あれ!、伝わってませんか?えーっとどうしよう!」
急いで息子に確認したら、やはり「聞いてない」という。
けど、わたしに代わって電話に出た息子は、「はい、出ます」とあっさり即答していた。

沖縄で乗馬をしている高校生の絶対数がまず少ないので、自動的に白羽の矢が立ったのだろう。
連盟側は、「Rくんだったら出てくれるはずよー」が、勝手に「出場決定」と翻訳され、とんとん拍子に事が進んだのだろうな、と。

その矢先、読谷村でパン屋を営む友人が、「Rの名前が新聞に載ってたよ!」と、わざわざスクショして送ってくれた。

新聞には競技の種目ごとに出場者の名前が記載されており、「陸上 〇〇高校:比嘉〇〇」、「剣道 〇〇学園:金城〇〇」、「テニス 〇〇高専:花城〇〇」とかに紛れて、「乗馬 みちくさ牧場:R」とあり、「おお!」と、どよめいた。
が、「〇〇馬術クラブ」とかじゃないだけに、そこだけ実にほのぼのしている。

むむむ、面白いことになったぞ。
経験原理主義者(気味)のわたしは武者震いって、わたしが出るわけじゃないのに、勇気凛々「やったれー」という気持ち。
息子に、「すごい展開だね」と瞳をキラキラさせながら言うと、「まぁ、これで出ないとかないでしょ。」と淡白に言った。

息子はこのような、「人生に於ける予想だにしない事の到来」に、すっかり慣れっこになっている。
本人的にはノホホーンと生きてるつもりだけど、向こうから試練がどんどこやってくる。

占星術ではそれを、「ハードアスペクト」といい、反対に苦労知らずでなんとなしにやり過ごせてしまったり、デフォルトでラッキーな角度を「ソフトアスペクト」と区別する。

ざっくり説明すると、ハードアスペクトとは惑星同士が 90度、180度という厳しい角度を形成していること。(ホロスコープ上では赤線で表されていることが多い)
ソフトアスペクトは60度、120度。(青線)
星同士がぴったりとくっついているのは0度で、良きも悪しくもいちばん影響力が大きい。
一般的解釈では、ハードアスペクトは試練や困難、障害と捉えられることが多いが、ネガティブ要素では括れない味わい深さがある。むしろ、ハードあっての成長ともいえるだろう。

そんな息子のホロスコープは真っ赤っか(赤線だらけ)である。

ハードアスペクトは、「やるっきゃない!そこ超えてこ!」て感じ。
その場しのぎで見て見ぬ振りしても、「これでもかーこれでもかー」と星はしつこくエネルギーを注いでくる。ほんなら、つべこべ言わずに向き合って意識に上げまくった方が感情に翻弄されにくい。
と、わたしは思っている。

でもそればかりに捉えられてしまったら、倉田真由美さんの漫画、「凶母」みたいになりかねないので、決めつけからくる盲信にはご注意あれよ、自戒を込めて。(盲信が一概に悪いとも言えないけど)

さて、今朝ほど試合の動画が息子から送られてきた。

結果はボロ負けである!
36都道府県の壁は分厚かったー。

実力の差をRなりに分析し、「やっぱすごいわ!太陽と土星のオポジション(180度)」(息子は自分でホロスコープを読むので)と、今頃、実感噛み締めているのだろう。

そんな息子は日曜日に帰ってくる。
早く会いたい。日曜はごちそう作るぞー。




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