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【ゆきnote】《がんばって!》よりも《楽しんで》。ドイツの言葉がけとSCフライブルクのキッズデー

※19年9月14日付コラム
こんにちは!水曜コラム担当のゆきのです。ここフライブルクでは、9月に入ると同時に気温がぐっと下がり、爽やかな秋晴れの毎日がやってきました。空は晴れても気温は上がらず、涼しい風が吹いてサッカーには最高のお天気です。

そんな中、我が家の8歳の次男がSCフライブルク主催の夏休みキッズデーに参加してきました。今年の対象は2009年~2011年生まれの子どもたちで、参加費は何と無料!SCフライブルク、太っ腹!例年、受付開始からあっという間に定員になってしまうこのキッズデー、長男は毎年夫がトライしてくれていましたが、一度も参加できないまま年齢オーバーに。しかし次男は幸運にも今年申し込むことができました。フライブルク市とその周辺の市町村を中心に、遠くは車で2時間近くかかるボーデン湖畔(ドイツで一番大きな湖。スイス・オーストリアとの国境にあります)の町からも、合計で約150人の子どもが参加しました。

朝、会場に着くとグループ分け表が貼り出されていて、子どもたちは9つのグループ+ゴールキーパーグループの計10グループに振り分けられます。自分のグループを確認し、背番号の入ったユニフォームを受け取って、開会の挨拶や注意事項の説明があったあと、子どもたちは半日間をかけて9カ所のトレーニングポイントを順に回ります。各ポイントでは様々なトレーニングが準備されており、1グループにつき2~3名のコーチがつきます。SCフライブルクのU19の選手たちも多数コーチングチームに加わっていました。

開会の時、主催者代表から「こんな素晴らしいお天気のもと、こんなに元気な子たちが集まってきてくれて、僕たちはもうこれ以上ないくらいに嬉しいです。みなさんも今日は思い切りサッカーを楽しんで帰ってください!」という挨拶がありました。

この「楽しんで」という大人から子どもへの言葉がけ、ドイツではとても多いように思います。私の記憶している限り、スポーツの試合前で、大会の開会式で、あるいは入学式や卒業式などの行事で、日本の大人が子どもへかける言葉といえば「がんばれ」「しっかり学んで」「ベストを尽くして」などなど、励ましたり応援したりするメッセージが中心ですよね。「楽しんできてね」と言われた思い出はほとんどありません。

対して、ドイツは「楽しんでね」「いいことがたくさんあるといいね」「うまくいくといいね」「幸運を願っているよ」などなどの声がけが圧倒的に多いです。特に10歳以下の小さな子どもに対しては、親も先生もスポーツのコーチも本当に頻繁に「楽しんでね(Viel Spass!)」という言葉を使います。

もちろん「がんばれ」「応援してるよ」と言うこともありますが、耳にする頻度でいうとやはり「楽しんでね」が定番です。今回の挨拶でも“spass haben(楽しむ)”“geniessen(満喫する、しっかりと味わう)”という表現が何度も使われていました。

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