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今日の一冊!おすすめ教本シリーズ

はじめましての方ははじめまして!

すでにご存知の方は、お世話になっております!

菊花ゆいです。

早いものでもう12月。前回更新したおすすめ教本シリーズから1ヶ月半ほど経過しました。

今回は2020年11月26日発売の『キャッチーなメロディの極意48』をレビューします。(全て独断と偏見によるレビューなので参考程度にとどめて下さい。)

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はじめに

こちらの本の著者である割田康彦さんについてですが、職業作曲家として音楽業界に飛び込んでから満30年と言うベテランの作曲家の方です。

楽曲提供をしながら、ラジオパーソナリティや作詞作曲講座、オンライン個別指導など、後進の育成にも力を注いでいらっしゃいます。2018年末頃からは、Twitter(@yasuhikowarita)も初めていて、私自身何度かお話しさせていただいた事があるくらいフランクな方です。

さて、著者である割田さんのお人柄がある程度見えたところで、早速レビューをしていきます。

どんな人におすすめ?

①自分のメロディに自信を持てない方

②メロディはセンスだ(降りてくる)と思っている方

③歌物楽曲をまだ作ったことがない方

④メロディに合う歌詞を付けられるようになりたい方

⑤色んな楽曲のメロディの仕組みを知りたい方

⑥耳に残るキャッチーなメロディをかきたい方

⑦逆にキャッチーなメロディなんてかきたくない方(笑)

個人的なイチオシポイント


個人的なイチオシポイントとして、この本はメロディと歌詞に的を絞っている点がとても素晴らしいと思いました。

約7年ほどの間に様々な教則本を読んできましたが、作曲に関連する教則本(アレンジ関連は抜きにして)というと大抵2つに分類されるように思います。

①コード進行に視点を当てて書かれている本

②メロディに視点を当てて書かれている本

どちらかと言うと、①の方が俗に言う音楽理論が必要となり、高度かつ読破が難しい傾向。

②は読みやすくはあるものの、実践で使えそうなメロディにならない(単純なモチーフの反復、発展のみが紹介されたりして、初めての作曲にはいいが、童謡のような曲は作れてもヒットにまで至るようなメロディはかけそうにないなあ・・・と言う印象があります。)

ではなぜ、メロディに特化した本でこういった良書が中々ないのか・・・ですが、現代的なメロディに関しては纏まった音楽理論がまだない(メロディについてはセンスが大きいと勘違いされる事が多く、またメロディの仕組みは説明するのに言語化しづらい)ことにあると思います。

(厳密に言えば、クラシック系の理論ではメロディに触れられる事もありますが、現代の曲にそのまま流用するのは古かったり、効果的でなかったりするのでしょう。)

この本は、割田さんご自身が職業作家歴30年と言う長年の経験から見つけ出したヒット曲に共通する法則をまとめ上げた形で書かれているため、小難しい理論を抜きにしつつ、実践的なメロディの制作を作りたい方には最適かと思います。

そして、もう一点イチオシポイントがあります。

それは、作詞についても言及されている点です。作曲の本で、ここまで作詞を込みで説明されている本は中々見ません。

歌物楽曲は歌詞があってこそ一つの作品だと思いますので、ヒット曲を題材にそう言った点を学べるのはとても勉強になります。

普段は作詞をメインでされている方も、作曲家がどういうことを考えながら作曲しているのかを知りたいという方にもオススメできます。

個人的に気になったポイント


正直買って後悔するようなポイントは、ありません。

いい事ばかり書いていると、ステマだと思われそうなので、あえて気になるポイントをあげるとするならば、

こちらの本は上述の通りコードについては着眼点を当てていないのでほとんどコード進行には触れられていません。

コードも絡めて、メロディの仕組みを勉強していきたい方には向いていないかもしれませんが、メロディだけに絞っても約255ページとかなりのページ数になっているのでこれでコードも絡んできたら・・・と思うと丁度良いバランスのように感じます。

もう一点、気になったのは本の中で紹介されている楽曲の視聴環境についてです。

よく教則本等を買うと、本の内容に沿って音源がCDとして付属していたり、QRコードが貼ってありそこから音源を視聴したりする事ができる仕組みになっていたりしますが、こちらの本はそういったものがついていません。

おそらくですが、本の中で扱う楽曲は著作権などの関係で掲載が難しかったのではないかと思います。

そこで自分の復習時の効率化も込めて、本の中で登場する楽曲をリストにしてまとめてみました。

※一部楽曲(待つわ、恋愛レボリューション、LOVEマシーン、硝子の少年、夜空ノムコウ、クリスマスイブなど)は元の音源が見つからなかったため、他の方のカバー等を追加してあります。

Spotifyに登録されている方は、こちらのリストを片手に本を読み進めると良いかと思います。

前作(9つのルール)との比較

実は今回ご紹介する本『キャッチーなメロディの極意48』は2作目の本です。

1作目は『一発で記憶に残る曲を作る!9つのルール』という本で、こちらもとても読みやすい本となっています。

https://www.amazon.co.jp/gp/product/4636958381/ref=as_li_qf_asin_il_tl?ie=UTF8&tag=kicca03-22&creative=1211&linkCode=as2&creativeASIN=4636958381&linkId=fa3f4f89c0c13167ecedf871044b7ca0

『一発で記憶に残る曲を作る!9つのルール』『キャッチーなメロディの極意48』の違い、どちらを先に購入するのがおすすめかについてですが、

先に言ってしまうと、個人的にはメロディ作りに慣れていない方は9つのルール→極意48を読むのがオススメです。

逆にメロディをある程度作り慣れている方は、極意48→9つのルールで良いと思います。

理由を説明しますと、9つのルールは極意48に出てくる技をギュッと短縮して紹介したような感じで、サラッと読むにはとても読みやすい構成となっています。(ページ数も、9つのルールでは約183ページ。極意48では約255ページと、ボリュームに差があります。)

そして譜面だけではなく、掲載されているQRコードにて音源を都度聴く事ができるので耳で確認しながら本を読み進めるという事がしやすいでしょう。(といっても、私が用意した上記リストを使っていただければ極意48も楽に読めると思いますが。)

9つのルール内のP121〜はどんなコード進行を当てるかでメロディの雰囲気が変わるという事も勉強できるので、そういった点をメインで知りたいと言う方も9つのルールから読み進めると良いかもしれません。

メロディをある程度作り慣れている方の場合、紹介されているテクニックがどんな曲で、どのように使われているのか・・・実践例をたくさん知った方が良いと個人的には思いますので、今回ご紹介した極意48のように「ヒット曲を分析することによって作曲術を学ぶ」と言うスタイルの方がより実践的でオススメできます。

そして極意48を読んだ後に9つのルールを読んでみると、ああこのテクニックはあの曲で使われていたやつだな・・・と復習になってオススメです。

まとめ


『キャッチーなメロディの極意48』は、著者の割田さんがまるで目の前で授業をしてくれているような臨場感のある本で、とても読みやすいです。

そして一読者として、ここからが私の一番伝えたい事なのですが、

キャッチーなメロディの極意を知る=キャッチーじゃないメロディの極意を知る

ことでもあると思います。

作曲家は、何故そこにその音を選んだのか、どう言う意図があるのか、聴く方は気まぐれ(説明できなくても)でもいいが制作する方は気まぐれであってはならないと常々感じています。

『俺はキャッチーなメロディなんて書かない、書きたくない』と思っている方も、

なぜ自分の楽曲はキャッチーではないのか、説明できるでしょうか。

どんなメロディもキャッチーになるには理由があり、キャッチーにならないのには理由があると気づかせてくれる一冊です。

そして、感覚派の人が読めば、感覚で使っている手法にタグ付けされて『無意識に』ではなく、『意図的に』使えるようになり、理論派の人はデーターベースが増えて、ますます引き出しが増える。そんなように感じています。

読み終わった後に、自分のメロディを分析してみる(どんな手法が無意識に使われていたのか等々)とさらに勉強になり、かつ楽しめると思います。

以上がレビューです。

それではまた、次回のおすすめ教本シリーズでお会いしましょう。

菊花ゆいでした。

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