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木舟舎フェア@BarBookBoxを実施しました

 こんにちは、木舟舎の井上です。世の中はお盆の最中、今年の新潟は去年と比べると暑さはそこまで厳しくないのかな、という感覚です。とはいえ、毎日冷えたビールを飲みたくなってしまうくらいには、暑い日々。

BarBookBoxでの初フェア

 先月末、新潟市の医学町通にあるブックバーBarBookBoxさんで、ささやかな企画を開催させていただきました。「木舟舎フェア@BarBookBoxー舟をこぐまでー」と名付けたこの企画は、BarBookBoxさんの店内にある小部屋で展示・販売をさせていただいたり、トークイベントをしたり、木舟舎となわないをより深く知ってもらうための1週間の企画です。
 BarBookBoxは、新潟市役所近くの医学町通に建つピンク色のビル「トールビル」の3階にあります。3階まで階段を上がると、そこで靴を脱いで上がる仕様になっていて、ドアを開けると木の床や絨毯、椅子がしっくりとなじんだ、本とお酒がずらりと並ぶ空間が現れます。窓が大きくて、昼は明るい日光が差し、夜はあたたかい室内の灯が窓に映るのも好きなところ。

photo by masayuki nakagawa

小さな展示「舟をこぐまで」

 「これまでの経緯やプロセスをひらけるのが木舟舎の良いところ」だと、BarBookBoxの店主淳子さんには言っていただき、なわない創刊号やその他ZINEの販売、なわないに参加した人たちのつくっているものの販売の他に、「舟をこぐまで」と題して、なわないをつくるまでのことや考えていたことなどを綴ってみました。

 小部屋のテーブルの上に、「わたし年表」「自分の問いをもつ」「なわない分解図」の3つの2つ折り冊子をつくり、並べました。なわないをつくるまでのこと、つくり始めてから考えていたことを思い出しながら。
 年表をつくってみて気がついたのは、私が初めて新潟のツルハシブックスを訪れてからちょうど10年が経ったということ。そのツルハシブックス訪問がきっかけで、私は新潟に移住することになるのでした。個人のブログやSNSでは自分のことをけっこうさらけ出してしまう私ですが、木舟舎というレーベルにおいては主宰者のことをここまで書くのはどうなのだろうという気持ちもありつつ……、省略しながら年表形式で書きました。もはや普通が何かも分からないですが、仕事で山奥の集落に通ったり、DIYをしながらシェアハウスをしたり、なかなか珍しい道をたどってきているのかもしれません。そしてこの10年の間に見たもの・出会った人が無ければこの本は絶対にできていないはず。それは確かなので、書いてみてよかったと思います。

 「自分の問いをもつ」には、このなわないをつくる材料になった「問い」をいくつかつらつらと書いてみました。心が動く出来事があったとき、自分の中に問いが生まれます。その答えを、答え方を増やしていくために雑誌をつくったのかもしれません。

何を心の糧にしたら、絶望しないでいられるだろうか。
どうしたら社会が抱えている課題を、押し付けることなく共有することができるだろうか
そして行動につなげられるだろうか

「自分の問をもつ」より

トーク「なわないウラ話」

 フェア3日目の夜、バーを貸し切って、プチトークイベントを開催しました。その前日にバーで開かれていたブッククラブ(好きな本を紹介する会)に参加したとき、参加していたメンバーがなわないの感想を語ってくれ、その感動の余韻が残っている状態でのトークでした。

photo by kamegai art design Co.

  聞き手役になってくれたのは、なわないにも文章を寄稿してくれていたイケトさん。「わたし年表」の10年のうち、9年のつきあいがある友人でもあります。私のこれまでを近くや遠くで見てくれていたこともあり、的確な質問や相槌を投げてくれる信頼もあり、声をかけました。
 参加してくれたのは、なわないとの関わりもさまざまな12名。なわないに寄稿やインタビューで参加してくれた方には、どんな気持ちで依頼を受けたのかなども答えてもらいました。
 イケトさんの質問が良かったのか、BarBookBoxのあたたかな空間やおいしいカクテルがそうさせたのか、思いがけず熱を帯びた話しぶりになってしまった私。 この内容は音声か何かでまた出したいと思っています。

  ひとつ、途中でされた「井上の中での『つくるとはなにか』の仮説はあったの?」という質問に私はこれまでの過程をぱっと思い出せず「その答えがひとつじゃないと思ったからつくった」と答えてしまったのですが、あとから私が考えていた仮説をひとつ思い出しました。それは「その人のつくっているものやつくる過程の中に、その人の人間性や人格など、何かしら『自分』とつながっているものがあるのでは」ということ。まだうまく言えませんが、それが無意識でも意識的でもきっとあって、会社じゃなく個人でつくる面白さの理由につながるのではないかと感じています。

フェアの振り返りとこれから

 複数の仲間と一緒にやったことはあるけれど、私一人で展示を主宰するのは生まれて初めてでした。ただ、設営の時はうろうろ無駄な動きばかりする私にアドバイスをくれ、一緒に置き場所を考えてくれたISANAさんのおかげで良い見せ方ができたし、もともとBarBookBoxというお店を毎週オープンされている淳子さんのご厚意と積み重ねがあったからこそ成り立ったものでした。
 BarBookBoxの日常の中にお邪魔させてもらうという形によって、人の輪が交差し、偶然の出会いがぽこぽこと生まれる場になっていました。私の説明不足や言語化不足、そして事前の告知不足もあり、最大限にその機会を活かせたかは分からないのですが、少なくとも20~30人ほどの方が、素敵なスポットライトに照らされた、「なわない」だけでないなわないに関わる人の絵や家具や言葉をじっくり見てくれた。それだけでも価値のある時間でした。
 そして何より、トークイベントや在廊時間、置いておいたメモノートを通して受け取った皆さんの感想が、私自身がまた一段重層的になわないをとらえる一助となりました。それが少しの自信になって、また次の企画も思い浮かんでいます。イベントはそんなふうに、次に進むエンジンを追加してくれるものでもあるのだなと感じました。

 ご来場いただいた皆さん、協力してくださったすべての皆さんに感謝しています!またどこかでお会いしましょう。

photo by iketo hirokuni

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